【ポイント】 志戸子
【水温】 22.3℃
【透明度】 20m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 15:24-16:44
【潮まわり】 06:32 74cm 干潮 / 13:09 188cm 満潮 / 小潮(月齢:23.2)
【日の出・日の入】 日出07:01 日没17:17
ここのところ、海は時化たり、凪ぎたりを繰り返している。
今年は冬の季節風(北西風)が早くから吹き始め、ホームの一湊エリアは早くも11月から例年の1-2月頃と同じような時化気味の日が多い。
でも、今日はベタ凪。。。(^^)
午前中は家の仕事をこなして、午後から海へ行った。
モンスズメダイという魚がいる。
南日本の太平洋岸から南の海域ではごくごく普通に見られるスズメダイなのだが、あまりにも地味なため、この魚を認識していないダイバーも多いかもしれない。(笑)
日本には他にこのスズメダイにはよく似た未記載種がいて、これまで両種は混同されていたようなのだが、昨年、石垣島、沖縄本島、与論島などでこの近似種が採取され、鹿児島大学のNくんによって来年には新種として記載され、和名もつくようだ。
そのNくんの修論のテーマが、この未記載種を探す過程で知った、屋久島で見られる真っ黒いモンスズメダイと尾ビレのみ白いモンスズメダイの比較だそうだ。
この真っ黒いモンスズメダイと尾ビレのみ白いモンスズメダイの写真を論文で使うから貸してくれと言われたのだが、また例によって過去の写真から探すのが面倒だったので(笑)、今日はそれを撮りに行った。
モンスズメダイというと、どんな図鑑を見ても、体が黒くて尾ビレが純白のスズメダイだ。
ところが、屋久島で潜る僕のモンスズメダイのイメージはそうじゃない。。。
屋久島では(正確には志戸子では)モンスズメダイは全身が真っ黒いのがスタンダードなのだ。(笑)
もちろん、尾ビレの白いモンスズメダイも同じ場所で見られるのだが、その白は汚く、純白には程遠いものがほとんど。
モンスズメダイの尾ビレは白くなったり黒くなったりとコロコロ変わるのを観察していたため、この真っ黒い子は最初、興奮色だと思っていた時期があったのだが、何かどうも違うっぽい。。。
というのも、ほぼ年がら年中、真っ黒い子は常に真っ黒いのだ。
ただ、常に真っ黒い子は老成魚といってもいいくらいに大きな子に多く、成魚は成魚でも若く一回り小さな子たちの尾ビレはやっぱり、黒くなったり、白くなったりする。
どういうタイミングで黒くなるのか、イマイチ分からないのだが、突然黒くなったかと思うと、次の瞬間には白に戻ったりする。。。(・_・;
しかし、前者の老成魚は常に真っ黒く、個体識別して調べたわけではないのだが、真っ黒い一群はいつ志戸子に行っても真っ黒い。
で、実際、先の鹿児島大学のNくんたちが屋久島のモンスズメダイを数個体採取したところ、やっぱり、尾ビレの白い子と尾ビレの黒い子が混じっていたようだ。
他に彼らは沖縄本島や与論島、石垣島などでもモンスズメダイを採取したそうなのだが、屋久島で取れたような尾ビレの真っ黒い子は一切含まれていなかったそうなのだ。。。
現場でしょっちゅう見ている僕にしてみれば、この2タイプは迷うことなく同じ種類だというのは分かるのだが、標本で見ているNくんたちには別種に見えたようで(笑)、形態だけでなく遺伝子も調べたらしい。。。(^_^;)
形態も遺伝子も結果は当然、まったく同じ(同種)だった。(笑)
ただ、面白いのが、こうした尾ビレの黒い子が採取されているのが屋久島とインドネシアだけなのだそうだ。
もともとモンスズメダイの尾ビレは水中では黒くなったり白くなったりするものなのだが(少なくとも屋久島では)、陸に上げればすべて尾ビレはもともとの色である白に戻るものだと思っていたのだが、何か違うみたい。。。
【常に尾ビレの真っ黒い志戸子の老成魚たち】
Nくんたちは地域的な色彩変異だと考えているようだが、色彩変異にしては数が多過ぎる気もする。。。(・_・;
ここ志戸子では大きな個体はほぼすべて「常に」真っ黒いのだ。
追い立てても、しばらく観察していても白に戻ることはない。。。
仮に老成魚は真っ黒くなると仮定すると、他の海域には老成魚はいない事になっちゃう。(笑)
それもおかしな話なので、他の海域の情報を知りたいなぁ。。。
常に真っ黒いモンスズメダイっていません?(^_^;)
ちなみにもともとモンスズメダイは体色がコロコロ変わるスズメダイで、今日もいろいろな体色のモンスズメダイが撮れた。(笑)
魚の体色はそもそも白か?黒か?の2者択一が難しかったりもするのだけど。。。(^_^;)
ちなみに今日は真っ白い尾ビレの典型的なモンスズメダイを探すのが非常に大変だった。
老成魚はどいつも真っ黒だし、若い成魚もみんな「黒っぽい」体色だったからだ。(笑)