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ハナヤサイサンゴ類の白化

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 23.4℃
【透明度】 20m
【海況】 凪ぎ
【天候】 くもり
【潜水時間帯】 14:25-16:48
【潮まわり】 06:08 110cm 干潮 / 11:21 164cm 満潮 / 18:08 69cm 干潮 / 小潮(月齢:20.9)
【日の出・日の入】 日出05:19 日没19:10

今朝、日本サンゴ礁学会のMLで琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設の中野さんより、沖縄本島周辺の海域でハナヤサイサンゴ類の白化が目立っているとの情報が流れてきた。

この冬から春にかけて、瀬底島周辺、読谷周辺、中城湾、座間味島周辺でかなりの数のハナヤサイサンゴ類に白化が観察されていて、範囲が広範でかつ開放的な礁斜面上部以浅であることから、原因として低水温が疑われるとの事。
また、同所的に見られるミドリイシ類にまったく白化は見られないという。。。

これを聞いて驚いた。
屋久島も同様の状況なのだ。。。
前にブログにも書いたのだが、屋久島でも今年は冬から春にかけてハナヤサイサンゴ類の白化が目立つなと感じていた。

ハナヤサイサンゴ類の白化が目立つ
ハナヤサイサンゴ類の白化が目立つ
白化したハナヤサイサンゴに棲むホシゴンベ
白化が進むハナヤサイサンゴに棲むホシゴンベ

今日はあらためて真面目にハナヤサイサンゴ類の白化の様子を調査してみた。
普段は正直言って、ハナヤサイサンゴ類ばかりを気にして潜っていないので「ちょっと目立つな。。。」程度の認識だったのだが、観察してみると状況は想像以上に悪かった。。。(ーー;)

そのポイントの浅い方から約30m四方(最大水深7-8m)の範囲を見て回ったのだが、なんと-3m以浅にあるハナヤサイサンゴ類、約60群体はすべてが白化し、すでに藻類も生え始めていて完全に死んでいた。
つまり全滅していたのだ。。。

根元から白化し始めているハナヤサイサンゴの仲間
根元から白化し始めている群体
それ以深にある群体(確認したのは約20群体)も白化しているものが多く、かろうじて生きている群体も色はかなり褪せ、根元はすでに白化していたりするものも多かった。
また面白いのがハナヤサイサンゴ類だけが白化しているので、遠くからとても目立ち、周りにある他のサンゴ類はとても元気な事だ。

今年の屋久島は特に低水温だったわけではないのだが、低い水温の期間が例年になく長く続いていた。
いつもなら23-24℃は確実にあるGWの頃も18-20℃くらいまでしか上がらず、最近になってようやく水温が上がってきた。
これは各地のダイビング業者の方々とよく話題になるほど全国的な傾向。。。

また冬季は北西の季節風にさらされて水面直下-3mくらいまでの水温が下がるのが常。(毎日のように-2m~-3m付近にサーモクラインができてた)
-3m以浅の群体が全滅していた事から、今回の白化が低水温、しかも低水温が長く続いた事が原因である可能性は非常に高いと思う。

威嚇するジョーフィッシュ
威嚇するジョーフィッシュ
後半はそろそろ繁殖期に入りそうなジョーフィッシュの調査と個体識別。
オスがどこにいて、メスはその周りに何匹いて、どいつとどいつが番いになりそうか?
そんな事を調査してみた。

例年ならすでに卵を咥えているオスが見つかっても良いくらいなのだが、今年はまだ見つかっていない。
今年は低水温の影響か、大幅に繁殖期が遅れているのだ。

すぐに外に出そうになる。。。
すぐに外に出そうになる。。。
今日も卵を咥えているオスは見つからず、むしろ産卵期の初期の頃によく見られる巣穴を簡単に出てしまう個体(つまり多分巣穴を構えたばかりという事)が2匹もいた。
1匹は黄色い個体で(多分メス)、ちょっと近づいただけでヒョイと外に出てしまい、かなり遠距離まで逃げてしまった。。。(ーー;)
何とか追い立てて、元の巣穴に戻したが、途中何回も威嚇された。。。(笑)

威嚇の時のジョーの顔は凄い!
顔を平常時の2倍くらいに膨らまし、大きく口を開けてバタバタする。。。
指を近づけると噛みついてくる!
可愛い顔して、意外に怖いやつだったのだ。。。(笑)


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クマノミの卵を今季初確認。

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 21.7℃
【透明度】 5m
【海況】 時化
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 10:25-12:25
【潮まわり】 04:10 178cm 満潮 / 10:34 76cm 干潮 / 16:28 164cm 満潮 / 若潮(月齢:24.5)
【日の出・日の入】 日出05:37 日没18:53

今日は午後の高速船でGW最初のゲストが来島するので、午前中に潜りに行った。
風邪をひいてしまって2日間ほど寝込んでいたのだが、明日からガイドなので、さすがにちょっとは潜っておかないと心配で仕方がない。。。
まだちょっと咳が止まらず、怠くはあったが、ちょっとだけ潜っておくことにした。

休んでいる間、スタッフから聞く話や他店のブログから水温がグーンと上がって、様々な魚の行動が活発になってきた事を伺わせる記述がチラホラ。。。
海に行ってみると海なしにしてもおかしくないくらいの時化海だったが、いてもたってもいられずエントリー。(笑)

いくつか同業者から聞いていたここ数日の海の動きの中で最も気になっていたのがクマノミの産卵開始だ。
毎年、クマノミの卵は4月の中旬くらいに初確認するのが通例なのだが(2008年が4/15、2009年が4/20、2010年が4/21)、今年はまだ見ていなかった。
それがようやく見れた!
今季初確認だ。

しきりに卵に水流を送る親クマノミ
しきりに卵に水流を送る親クマノミ
プルンプルン、新鮮なクマノミの卵
プルンプルン、新鮮なクマノミの卵

あとで聞いてみると、昨日、新スタッフが産卵を観察した場所らしいので、この卵は昨日の午後に産んだばかりの卵という事になる。

どうせなら、産卵を見たいな。。。と思って、毎年4月の中旬には必ずクマノミの産卵が見られるハタゴイソギンチャクに寄ったが、産卵どころかまだ、産卵前の掃除さえ始まっていなかった。
う~ん。。。今年はかなり遅れている。
これは確実に、今年なかなか水温が上がらない事が原因だ。

まだ真っ赤で綺麗な卵は活き活きとして瑞々しい感じ。
プルンプルンしてる。。。(笑)

白化気味イソギンチャクをバックに。。。
白化気味イソギンチャクをバックに。。。
今年の低水温期は白化したサンゴが多く見られた。
特にハナヤサイサンゴ類の白化が目立ち、それは夏の高水温期に見る白化よりも圧倒的に多い感じがする。
イソギンチャクの白化もたまに見かける。
写真のシライトイソギンチャクは元々が白いので白化がとても解りにくいのだが(^^;)、白化しているともの凄く綺麗なので(笑)実はよく目立つ。。。

しかし、イソギンチャクの白化は割とスグに復活するのだが、ハナヤサイサンゴ類の白化はちょっと心配だ。
スグに藻が生えてきそうな感じ。

それにしても、白化したイソギンチャクをバックに撮るクマノミはやっぱり映えるなぁ。。。(^^;;


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