まさか全部、シリテンスズメダイ(仮称)なのか?(・_・;)

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 25.3℃
【透明度】 20m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 13:54-16:04
【潮まわり】 10:08 90cm 干潮 / 16:20 198cm 満潮 / 若潮(月齢:10.3)
【日の出・日の入】 日出06:36 日没17:27

オドリハゼ
オドリハゼ
午前中の高速船で帰るゲストを送ったあと、午後からスタッフと1本。
今日は夏のような1日でよく晴れていたのに、ダイビング中に雨が降ったようでエクジットすると空は厚い雲に覆われていて、路面はかなり濡れていた。。。(・_・;

先日、スタッフが「これぞまさにシリテンスズメ(仮称)!」という1枚を撮ってきた。(⇒やくしまにあー♪  » Blog Archive » あ、シリテン!
聞いてみるとこいつは単独で泳いでいたらしい。。。

Abudefduf caudobimaculatusは、1939年に石垣島で取れた1個体から記載され、尾ビレの2つの黒点から和名は”シリテンスズメダイ”と名付けられた。
しかし、その後このスズメダイはオヤビッチャのシノニム(同物異名)だとされ、今に至るわけだが、2003年の日本魚類学会年会で沖縄美ら海水族館の研究者の方々が、オヤビッチャには産卵形態の違う二種類がいて、これが混同されているのではないか?やっぱりAbudefduf caudobimaculatusはシノニムなどではなく有効種なのではないか?という発表があった。
現在はまだ研究の途中で、学術的には依然として”シリテンスズメダイ(Abudefduf caudobimaculatus)”はシノニムとされたままだ。

これを知ったスズメダイ好きのダイバーたちが、水中観察からやっぱりオヤビッチャはよく見ると2種が混じっている!と言い始めた。
当然、僕もホームグラウンドの一湊タンク下でオヤビッチャだと思っている連中をじっくり観察して、シリテンスズメ(仮称)を探しまくった。
「沖縄で見てきたよ~」というスズメダイ好きのゲストたちから聞くところによると、その識別点は「尾ビレに小さな黒い点が2つある」という事と「体の横帯の1本目が胸ビレ付け根の後方を通る」という事。
いや~探したよ。。。尾ビレに小さな黒い点が2つあるヤツを。。。必死でね。。。(笑)

しかし、たまに見かける尾ビレに小さな黒い点が2つある(ように見えなくもない)連中を探しては、他の近隣にいる連中と比較する。。。
でも、点(らしきもの)がある事以外は、何ら他のまわりにいる連中と変わらない。。。(・_・;)
それで思ったのが、「いやいやいや。。。こんな識別点、当てにならない!!そもそもシリテンスズメダイ(仮称)なんて存在しないのでは。。。?(・_・;)シノニム!シノニム!」だと思い、そもそも何でも種類を分けてしまうのは良くない!これくらいの差異なら変異の範囲内だろ。。。生き物には遺伝的多様性があるのは当然だくらいの事を思っていた。(笑)

シリテンスズメダイ(仮称)?
シリテンスズメダイ(仮称)?
ゲストがいなくなった今日は早速、その場所に行ってみると、やっぱり単独でこいつは泳いでいて、シリテンスズメ(仮称)の特徴である尾ビレの2つの黒点がハッキリあって、体の横帯の1本目が胸ビレ付け根のハッキリ後方を通っていた。
帰ってからPCで確認したシリテンスズメ(仮称)の最大の識別点である側線上方の鱗の横列数2(オヤビッチャは3)というのも合致。

ここまでキッチリ、シリテンスズメ(仮称)らしい子は初めて出会った。
「でもなぁ。。。(ーー;)」
疑心暗鬼になりながらしばらく近隣にいる連中(周りの連中は尾ビレに2つの黒点なんてまったくないのに、それ以外の部分はこの子とまったく一緖!)と比較しながら観察していたのだが、イマイチ納得がいかない。
見た目は「似てる」どころか、他の周りの連中とまったく同じ魚にしか見えないのだった。

しかし家に帰ってから、突然、閃いた!!
まさか、ここ(一湊タンク下の-5m~-6m付近に群れている子たち)にいる連中はすべてがシリテンスズメダイ(仮称)なのでは??(・_・;)
それなら納得がいく!!

シリテンスズメ(仮称)の特徴である尾ビレの2つの黒点や体の横帯の1本目が胸ビレ付け根のハッキリ後方を通る事は絶対条件ではなく、むしろ屋久島ではその特徴がない子の方が多かったりして!
両種は産卵形態が違うという話からも何となく思い当たる節もある。。。

お隣「クレーン下」で観察できるオヤビッチャの産卵床はテトラの壁面に大きなドギツイ紫色の卵を広範囲に産みつけるのだが、これはちょっと覗き込めば全体がハッキリ見渡せる。
なのに一湊タンク下の-5m付近で見るオヤビッチャ(?)たちの卵は岩の天井面に産み付けている事が多く、産卵床全体が非常に観察しにくいのだ。。。

また考えてみると、一湊タンク下の-5m付近で見るオヤビッチャ(?)たちはクレーン下で見る連中(大型でドギツイ体色)よりも全体的に小型で、体色も淡い気がしなくもない。。。(笑)
背中の黄色い部分は綺麗なグラデーションで体全体に広がっているため、体色も淡いクリーム色に見えるのだ。
そのクセ、体の横帯はロクセンスズメダイのようにクッキリしている。。。

これらの事は「まさか一湊タンク下浅場の連中全部がシリテンスズメダイ(仮称)なのでは。。。?」と思った時にあとで「思い返してみればそんな気がする。。。」という程度のヒジョーに怪しい認識なので(笑)、ちょっとこれをしっかり調べてみる必要があるかも。。。


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5 Comments

  1. ゲストがいなくなった今日は早速、先日スタッフが見つけたシリテンスズメダイ(?)なスズメダイを見にに行った。う~ん。。。確かに。。。(・_・;)ここまでキッチリ、シリテンスズメらしい子は初めて出会った。 http://t.co/ydsy7xqr

  2. #yakushima #divingJP ゲストがいなくなった今日は早速、先日スタッフが見つけたシリテンスズメダイ(?)なスズメダイを見にに行った。う~ん。。。確かに。。。(・_・;)ここまでキッチリ、シリテンスズメらしい子は初めて… http://t.co/2mVuKLa1

  3. そうだよぉ~。卵の産む場所が違うよぉ~。
    婚姻色(興奮色)も異なるよ。
    屋久島行く楽しみが増えた♫

    • この辺は自分の目で見て納得しないと何とも言えないので、来年の初夏待ちとなりそうです。。。(笑)
      でも、もし別種であるなら、それまでに何とか識別できるようにしたいものです。
      屋久島の場合、季節回遊魚だったりして。。。(^_^;)
      だとしたらお手上げかも。


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