タグ: シリテンスズメダイ

人前でチュッチュ、チュッチュしている若者。。。こらっ!(笑)

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 27.4℃
【透明度】 20m~
【海況】 凪ぎ
【天候】 くもり時々晴れ
【潜水時間帯】 9:11-10:48
【潮まわり】 08:41 72cm 干潮 / 15:52 196cm 満潮 / 長潮(月齢:24.4)
【日の出・日の入】 日出06:02 日没18:24

前日の夕方にボートが台風つなぎをしてしまって、今日はビーチからのエントリーを余儀なくされてしまった。。。(;´・ω・)

海はもちろん、まったく揺れもしないベタ凪ぎの海。
時折、水中には陽が差し、明るく真夏っぽい海だった。

今日も常連ゲストKさんとマンツーマンでビーチからエントリー。
連日、ガイドらしいガイドもせず、今日も一緒に遊ばせてもらった。(^^;)

ずっと気にしていたんだけど、最近、シリテンスズメダイが怪しい。。。
初夏の頃に繁殖を迎え、夏の間、ずっと繁殖期のオヤビッチャに対し、近似のシリテンスズメダイの繁殖期がよく分かっていなかった。

ところが最近になってようやく怪しい行動を見るようになってきた。
(多分)オスだと思われる子がメスを岩の下に招き入れる行動を見たり、1匹が岩の下に入っていく姿を頻繁に見かけるのだ。

今日もそんなシリテンスズメダイの行動をガイドそっちのけで観察していたんだけど、シリテンよりもそのすぐ隣で頻繁にチュッチュ、チュッチュしているオヤビッチャの方が気になって気になって仕方がない。。。(笑)

最近、息子の森羅が「釣り」に興味を持ち始めた。
昨日もお友達のお父さんがイカを釣り上げて、陸に上げると真っ赤だったらしい!なんて驚いているから、実は海の生き物は陸に上げると赤くなる生物が多いなんて話をしてあげ、そこから魚にはまったく赤くないのに「アカ~」で始まる名前が多いんだよ~なんて話をしたりした。
そんな森羅に見せたくて、仕事中(ガイド中)にも関わらず、動く教材を撮影!(^^;)
普段は絶対にカメラを向けない”アカヒメジ”も水中では黄色い。。。
お茶の間の、お父さん、お母さん、これ「彼氏とデートなう。」ぢゃなかった。。。「子供に教育なう。」に使っていいよ!(笑)


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体験ダイビングでシリテンとオヤビッチャを見分ける!(笑)

【ポイント】 元浦 / 元浦 / 元浦 / 元浦
【水温】 29℃ / 29℃ / 29℃ / 29℃
【透明度】 30m~
【海況】 凪ぎ
【天候】 快晴
【潜水時間帯】 9:39-10:07 / 10:23-10:54 / 15:40-16:09 / 16:26-16:51
【潮まわり】 05:53 88cm 干潮 / 12:09 177cm 満潮 / 17:42 130cm 干潮 / 小潮(月齢:7.4)
【日の出・日の入】 日出05:52 日没18:44

8月の後半はファンダイビングの予約がまったく入っていなくて、連日の体験ダイビングだ。(笑)
当然のように現在、僕のホームグラウンドは一湊タンク下でも永田・オツセでもなく、「元浦」(各店が体験ダイビングやシュノーケリングを行う浅いビーチポイント)だ。(^^;;

でも、ここもなかなか面白い!
いつものポイントではめったに見ない魚、例えばミズタマハゼやミナベヒメジ、ヒゲハギ、クマドリキュウセン、キツネブダイetc…などが普通に見られ、明らかにいつものダイビングポイントとは生物相が違ってるのだ。
ただ、体験ダイビングなので、こうした生き物を紹介することなく終わってしまうのが残念なのだけど。。。(笑)
ノンダイバーのゲストさんたちがすっかりダイビングに慣れた後半、僕1人でフィッシュウォッチングを楽しんでいる。(^^;;

現在はものすごい数のオヤビッチャやロクセンスズメダイのチビたちの群れがそこら中で見られるのも、他のポイントではあまり見ない光景だ。
そう。。。そして当然のようにオヤビッチャによく似たシリテンスズメダイの幼魚ももちろん混じってる!(^^)

最初はこの2種の幼魚ステージの見分けはかなり難しいのかも。。。!!とか思っていたけど、全然違った。。。(^^;)
幼魚ステージでもオヤビッチャは背中の黄色はハッキリしているし、シリテンは体全体がクリーム色だった。

この見分けることができた喜びもノンダイバーのゲストさんたちと共有できないのが残念!(笑)


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ついに見つけた!シリテン・タイプの群れ!!

【ポイント】 元浦
【水温】 22.6℃
【透明度】 15m
【海況】 大時化
【天候】 雨
【潜水時間帯】 14:28-16:28
【潮まわり】 04:22 28cm 干潮 / 10:55 198cm 満潮 / 17:00 85cm 干潮 / 小潮(月齢:20.9)
【日の出・日の入】 日出07:07 日没17:19

またまた冬型の気圧配置。。。
何か週末ごとに真冬のような状態になり、その都度、時化て寒いという悪循環にハマってしまったような感じ。
明日からゲストが来るのに、超最悪。。。(ーー;)

今日の一湊湾内はまたまた大きく時化て、エントリー可能なのは元浦のみ。
透明度こそまずまずだったけど、こことて中はかなりウネっていた。
今日は「海なし」でも良かったかも。。。(^^;)

でも、発見もあった!!!!

オヤビッチャのシリテン・タイプ
オヤビッチャのシリテン・タイプ
ついに元浦でオヤビッチャのシリテン・タイプの”群れ”が見つかった!!
目測で30-40匹くらいの群れ。
いきなり2匹、大きなシリテン・タイプの成魚がいたので追いかけてみると、そこにはオヤビッチャの群れが。。。
1匹1匹確認すると、なんとどいつもこいつもシリテン・タイプ!!!
一応、確認のためにランダムに写真を撮っていったのだが、家に帰ってPCで拡大して側線上方の鱗の列数を数えるとやっぱりどれもシリテン・タイプだった。

これまでここで体験ダイビングをするお店は皆、「オヤビッチャで~す!(^^)」と紹介していると思うのだが、もしシリテン・タイプが別種であるなら、これはすべて間違っていたことになる。(笑)
しかし、実はそういう訳でもないのだ。。。
先日、元浦に潜った時にもオヤビッチャの群れに出会ったのだが、この時はみ~んな確かにオヤビッチャ・タイプだったのだ。

ど、どういう事???
2種がそれぞれ別々の群れを作って、元浦の狭いエリアで棲み分けているのか???(ーー;)

シリテン・タイプの興奮色(褪めかけ)
シリテン・タイプの興奮色(褪めかけ)
今は繁殖期ではないと思うのだが、今日は数匹、興奮色の子も見かけた。
また、今日は追い詰めると岩の下に逃げ隠れてしまう子も多かった。

それから僕はシリテン・タイプは体色で見分けているのだが(オヤビッチャ・タイプは背中のみ黄色い、シリテン・タイプ体全体がクリーム色)、帰ってからPCで確かめてみても、すべての個体が尾ビレの付け根に2つの黒い点は無かった。
今後、シリテンスズメダイが復活したとしても(一時、1つの種として認められていた時代もあったシリテンスズメダイは現在、オヤビッチャのシノニム(同物異名)扱い)、”シリテン”の和名はどうなの。。。?と思わなくもない。。。(・_・;


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今日もいない。。。

【ポイント】 元浦
【水温】 23.4℃
【透明度】 15m
【海況】 やや時化気味
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 10:21-12:04
【潮まわり】 07:01 229cm 満潮 / 12:50 86cm 干潮 / 18:23 231cm 満潮 / 大潮(月齢:29.3)
【日の出・日の入】 日出06:51 日没17:17

今日は午前中に元浦へ。
引き続き、前日ちらっと見かけたオヤビッチャのシリテン・タイプの成魚群れを探した。
結論から言うと、今日も見つからなかった。
途中でオヤビッチャの成魚(若い)を数匹、若魚群れを数匹見ただけだった。

おかしいなぁ。。。
そもそも元浦にはオヤビッチャ(だと思っていた)のもの凄い数の群れがあるはずなのだが、それさえも見当たらない。(・_・;
あんなにいたオヤビッチャたちはどこに行ってしまったんだろ?

エントリー口付近に数匹、シリテン・タイプだと思われるクリーム色に見える子たち(若魚)がいたので、片っ端から撮ってみたら、ほとんどはオヤビッチャ・タイプだった。
もう2タイプを肉眼で見分けられる自信がついていただけに、ちょっとショック!
若魚をしかも、明るい極浅な場所で見るとちょっと識別が難しくなる。
明るい場所ではオヤビッチャ・タイプも淡いクリーム色の体色なのだった。

さらに下の写真を見てもらえば分かるのだが、明るい極浅な場所では、もう完全に側線の上の鱗の数(列数)を数えないと若魚は識別が不可能なくらいに似ている。。。(-o-;

オヤビッチャ・タイプの若魚(側線上の鱗は3列)
オヤビッチャ・タイプの若魚(側線上の鱗は3列)
シリテン・タイプの若魚(側線上の鱗は2列)
シリテン・タイプの若魚(側線上の鱗は2列)

最後に浅場にたまるオヤビッチャのチビ群れで幼魚も調査しようと思っていたのだが、風が北東に変わったようでいきなり水面付近がバシャバシャし始めた。。。
とてもじゃないけど、浅場での幼魚撮影は無理っ!!
幼魚で見ればまた面白い事が分かるのかも。。。


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シリテンの群れが見つからない。。。

【ポイント】 元浦
【水温】 24.3℃
【透明度】 20m~
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 11:20-13:36
【潮まわり】 05:23 197cm 満潮 / 11:29 82cm 干潮 / 17:28 212cm 満潮 / 中潮(月齢:12.3)
【日の出・日の入】 日出06:23 日没17:42

午前中に1人で海へ。。。
今日は一昨日見つけたシリテンスズメダイ(仮称、以下シリテン・タイプ)だけの群れを観察するために元浦にエントリー。

これまでのシリテン・タイプに関する記事は以下の通り

参考:
11月6日 まさか全部、シリテンスズメダイ(仮称)なのか?(・_・;).
11月8日 オオヒレテンスモドキの産卵.
11月9日 シリテンスズメダイ(仮称)の生息状況と考察.
11月20日 シリテンスズメダイ(仮称)の群れ.

かなり沖の方まで泳いだけど、一昨日見かけた成魚だけの群れが見当たらない。
おまけにオヤビッチャの群れさえも。。。(・_・;
根周りによく若魚サイズのロクセンスズメダイの幼~若魚が溜まっているのだが、そこに数匹オヤビッチャやシリテン・タイプの幼~若魚サイズの子が混じっているのと、ごくたまに若魚サイズの4-5匹の群れに出会ったくらい。
あのシリテンタイプ成魚群れはどこに行ってしまったのだろうか。。。?

シリテン・タイプの若魚
シリテン・タイプの若魚
シリテン・タイプの若魚
シリテン・タイプの若魚

オヤビッチャ・タイプとシリテン・タイプ
オヤビッチャ・タイプとシリテン・タイプ
散々、追い回していたおかげで、もうオヤビッチャ・タイプとシリテン・タイプは遠目で見ても見分けられるようになってきた。(笑)
とにかくシリテン・タイプはクリーム色のスズメダイなのだ。
それとこの元浦というポイントにはシリテン・タイプが混じる割合がいつもの一湊タンク下よりも多い気がする。
もしかしたら、環境による棲み分けがあるかもしれない。
元浦はずっと浅場が続くような環境で、どんなに沖に泳いでも-10mを超える事はない浅いポイント。
オヤビッチャは浅場のスズメダイという印象が強いけど、シリテン・タイプはさらに浅い傾向があるかも。

シリテン・タイプの成魚
シリテン・タイプの成魚
成魚も1匹だけ若魚群れに混じっていた。
これを追い続ければ、一昨日出会った成魚群れにかち合うかも?と思って、後半はずっとこの成魚を追い続けたのだが、結局成魚群れには出会わなかった。。。(・_・;

尾柄部の2つの黒点は幼魚、若魚のステージには無くて、成魚にのみ表れる表徴なのだが、この子はかなり大きいのに黒点はほとんど目立たず、あとでPCで見たら1個だけ黒点らしきものが見られた程度だった。
それからシリテン・タイプは体の1本目の横帯は胸ビレの横を貫通するとされているけど、この子は貫通していなかった。
尾柄部の2つの黒点と1本目の横帯は胸ビレの横を貫通する特徴は、シリテン・タイプの”絶対的な”特徴ではないかも知れない。
つまり、ここで見分けたらシリテン・タイプを認識するのは難しいかも知れない。

とにかくシリテン・タイプは体全体がクリーム色のスズメダイであると言う事。
これだけで見分けられる。

これだけ集中してオヤビッチャを見ていたら、確かにオヤビッチャに2型がある事は確かなのだが、これが果たして別種かどうか?って事は分からない。
あまりにも似すぎている上に明確な棲み分けが見られない事から、遺伝的な多様性である可能性も捨て切れないと思う。
ただ、僕の見る限りでは体の側線の上の鱗の数(オヤビッチャ・タイプ3枚、シリテン・タイプ2枚)はほぼ”絶対的な”特徴として表れているので、形態で分類したらやっぱ別種になっちゃうのかな。。。(^^;)
あと素人の僕ができる事は産卵生態の観察と、明確な繁殖隔離があるかどうかを観察する事くらいしかないかも。

悪魔くん
悪魔くん
悪魔くんがいた。(^^;)
背ビレが2つに分かれている事から、これはスズメダイの仲間ではない。
これは新科、新属、新種に違いない!!!
。。。これが形態による分類の世界。(笑)←もちろん皮肉です。。。(^^;)

何か可愛いかった。(^^)


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今日は撮りやすかったアオスジオグロベラ

【ポイント】 一湊タンク下No.2/一湊タンク下No.1
【水温】 24.6℃/24.5℃
【透明度】 ~20m
【海況】 やや水面バシャバシャ
【天候】 雨
【潜水時間帯】 11:01-12:34/14:12-16:08
【潮まわり】 07:54 214cm 満潮 / 13:37 102cm 干潮 / 19:09 221cm 満潮 / 大潮(月齢:16.3)
【日の出・日の入】 日出06:40 日没17:23

今日は超常連のShimontyさんとマンツーマン。
Shimontyさんは月2回のペースで屋久島に通ってくれていたのに、今年は月1回ペースに落ちてる。。。(笑)

ハナヒゲウツボ
ハナヒゲウツボ
アオスジオグロベラ
アオスジオグロベラ
彼女のリクエストはオヤビッチャの「シリテン・タイプ」だったのだが、1本目はガイド様のリクエストで(笑)沖へ出た。
最近、行っていなかったイトヒキの里の調査をしたかったのだが、降り立った広い斜面はナゼか魚影が薄い。。。(・_・;
唯一、アオスジオグロベラの雌雄がそこら中で見られ、いつもは撮りにくいオスが今日はかなり撮りやすい状態で見られたりした。

それにしてもピンテールやツキノワはどこに行ったんだろ。。。?
あまりにも広い斜面なので、群れている場所の特定が大変だ。
透明度の悪さや暗さのせいもあって、さらに大変。。。(・_・;

シリテン・タイプの若魚群れ
シリテン・タイプの若魚群れ
2本目は浅場でオヤビッチャの「シリテン・タイプ」を観察。。。
いつもの事だけど、自分で「シリテン・タイプ」をリクエストしておきながら、最近浅場に異常に溜まっているキビナゴをマクロで撮っている、訳のわからないShimontyさん。。。(・_・;
いつもはキビナゴの大群れに興奮してライトを振り回している僕を、冷めた目で見ているくせにナゼに今日はキビナゴ???とか思いながらも、僕は僕で勝手に「シリテン・タイプ」の更なる把握に努めた。(笑)

先日のログではこの「シリテン・タイプ」はオヤビッチャと完全に混じって泳いでいると言ったが、何と今日は「シリテン・タイプ」の若魚が1つの群がりを作っていた。
成魚は相変わらずオヤビッチャに混じっているようにしか見えなかったが、若魚は同タイプ同士で5-6匹キッチリ固まって群れていたのにはビックリ。
やっぱり別種なのか???(ーー;)

ただ、みんな側線上の鱗の数は2枚なのだが、尾ビレに2つの黒点はなく、横帯の1本目は胸ビレの後方を突き抜けていない子も多いので、本当に「シリテン・タイプ」なのか不安になる。。。
同サイズのオヤビッチャの若魚が周りにあまりいなかったので、比べようがない。。。

ってか、こいつらオヤビッチャ???(ーー;)

タンク下では数は少ないヒトスジギンポ
タンク下では数は少ないヒトスジギンポ
小パッチでヒトスジギンポを見つけた。
一湊タンク下だとあまり数は多くなく、新しい個体を見つけたのは久しぶり。


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シリテンスズメダイ(仮称)の生息状況と考察

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 24.5℃
【透明度】 20m
【海況】 凪ぎ
【天候】 雨
【潜水時間帯】 14:04-16:47
【潮まわり】 06:17 202cm 満潮 / 12:07 94cm 干潮 / 17:46 213cm 満潮 / 大潮(月齢:13.3)
【日の出・日の入】 日出06:38 日没17:25

雨水が入り込んでいるからだろうか?
水温がとうとう24℃台になってしまった。。。(・_・;

今日は雨だった事もあり、ホームグラウンドの一湊タンク下には釣り人はまったくおらず、心置きなくシリテンスズメ(仮称)調査ができた!(笑)
ただ雨で水面直下が白く濁り、サーモクラインも入り込み、よく群れ全体が水面直下に泳ぎ上がるオヤビッチャ観察にはちとキツイ。。。(^^;)
それから3時間近くずっと、カメラを構えた姿勢で泳ぎながらオヤビッチャの群れを追っていたので、首が痛い。。。
最大水深6.7mなのでエアーもなかなか減らず、いつもはエアー切れでエクジットするのに、今日は首の痛さと寒さで上がった。(笑)

以下の記事は6日、8日の記事を参照して下さい。(続き物です)
11月6日 まさか全部、シリテンスズメダイ(仮称)なのか?(・_・;).
11月8日 オオヒレテンスモドキの産卵.

じっくり一湊タンク下のオヤビッチャの群れを観察してみたのだが、「まさか、すべてがシリテンスズメダイ(仮称)なのでは?」という予想は外れていた。
やっぱり、ほとんどはオヤビッチャで、シリテンスズメダイ(仮称)らしき子は全体の5%にも満たないくらいに思えた。
成魚に関しては確認できたのは3匹くらいで、あとの大きめの子はみんなオヤビッチャだった。

シリテン・タイプの成魚(典型例)
シリテン・タイプの成魚(典型例)
オヤビッチャ(成魚)
オヤビッチャ(成魚)

シリテンスズメダイ(仮称)らしき子を見分けるために僕自身が目安にしたのは次の4つだ。

1. 体が全体的に淡い黄色である事(背中の黄色が下の方まで薄く広がっており体の半分以上が黄色く見える)
2. 尾ビレに2つの黒点がある事
3. 1本目の横帯が胸ビレの後ろを通り抜ける事
4. 側線の上の鱗は2列である事

シリテン・タイプの成魚(点が薄い例)
シリテン・タイプの成魚(点が薄い例)
ただ、2~4の識別点は近くでかなり良く見ないと分からないため、最初はまず1の条件だけに当てはまるオヤビッチャを探し、そのあと2~4の識別点を確認するという手法をとった。
その結果、1の識別点だけでほぼ99%シリテンらしき子を選別できたようだ。
そう。。。シリテンスズメダイ(仮称)だとするタイプのオヤビッチャは、基本的に体全体が黄色いのだ。(オヤビッチャは背中だけ濃い黄色で体の白い部分とクッキリ分かれている)
これは遠目で見ても分かる識別点だ。

ある程度サイズのある成魚に関してはこの4つの識別点はすべて合致していた。

問題は一回り小さな幼魚~若魚のステージのようだ。
下の写真を見比べてもらうと分かるのだが、若魚サイズになると2つのタイプ(シリテン・タイプとオヤビッチャ・タイプ)はクリソツだ。
なぜならオヤビッチャの若魚は黄色い部分が成魚よりもやや薄目であり、よりシリテン・タイプに似るからだ。
おまけにシリテン・タイプの若魚はそのほとんどが尾ビレに2つの黒い点はない。。。(^^;)

シリテンの若魚(側線の上が広い子)
シリテンの若魚(側線の上が広い子)
オヤビッチャ(若魚)
オヤビッチャ(若魚)

さらにオヤビッチャの成魚の体の横帯はやや青みががっていたりするのだが、若魚は黒っぽい子も多く、下の写真を見比べれば分かるのだが、この辺もシリテンとよく似ている(シリテンの横帯はオヤビッチャほど青味がない)。
ちなみに下の2枚はほとんど同じ種類に見えるかも知れないけど、側線の上の鱗の列数を数えれば明らかに違う。(左のシリテン2列、右のオヤビッチャ3列)

シリテンの若魚(横帯が黒い子)
シリテンの若魚(横帯が黒い子)
オヤビッチャ(シリテン似)
オヤビッチャ(シリテン似)

シリテンの若魚(横帯が胸ビレで止まった子)
シリテンの若魚(横帯が胸ビレで止まった子)
というわけで、このオヤビッチャの2型が別種か?という事についてなのだが、正直、僕の中ではまだなんとも言えない。。。
なぜなら左のような子もいたりするからだ。

側線の上の鱗の数は明らかに2列なのだが、1本目の横帯はオヤビッチャと同じように胸ビレの手前で切れているような子もいたりするからだ。(笑)
いろいろなタイプの子が見つかれば、見つかるほどオヤビッチャという魚は変異が多く現れる種類で、遺伝的な多様性が高い魚であるだけなのかもしれないからだ。

また、体側の横帯や尾ビレの黒点、体の色など、色や斑紋に関する違いは、他の魚でもよく言われるように個体差があらわれやすい。
なので、最も信頼がおける確実な識別点は、「側線の上の鱗の数」だと思うのだが、これとて???な子をたまに見かける。

例えば下の2枚は同じ個体を裏と表で撮った写真だ。
左側の写真(魚の左側面)を見ると、尾ビレに2つの黒点はないものの、1本目の横帯が胸ビレの後ろを通り抜け、側線の上の鱗は2列である事から、シリテン・タイプの若魚だと即答できるのだが、右側の写真(魚の右側面)の側線の上の鱗の列数を数えると何かちょっと悩んでしまう。。。
そう、、、この子、左側面と右側面で鱗の大きさが違うんだもん!!!(爆笑)
しかも、3列に見えるんだけど。。。気のせい?(^^;;

シリテンの若魚(左面)
シリテンの若魚(左側面)
シリテンの若魚(右面)
シリテンの若魚(右側面)

まぁ~生き物というのは1匹で生きているわけではなく必ず社会というものがあるわけで、常に他の仲間とのつながりの中で、互いに関わり合いながら社会行動を行なって生きている。
なので、こういうのは1個体1個体別々に写真を見て形態や斑紋の違いを検討して分類する事には何か違和感が。。。(^_^;)
下手すると何の意味もないのではないか?とさえ個人的には思ってしまう。。。
そもそも、フィッシュウォッチング的にそんなの全然面白くないしね。。。(笑)

こういう形態での分類は研究者の方々に任せ、僕は社会行動を観察することで分類していきたいと常々思っている。
なので、あとはこいつらの産卵行動を観察してみたい。。。
本当に産卵生態がまったく違うのか?オヤビッチャと確実に繁殖隔離されているのか?(今のところ完全に混泳しているので、繁殖隔離が行われていることがちょっと信じがたい。。。(^^;;)その辺を来春に観察してやる~!!!
楽しみ♪(^^)

今、屋久島ではオヤビッチャ類の繁殖期は完全に終わっているようなので、取りあえずシリテン・タイプとオヤビッチャ・タイプの2型が群れて混泳している様子を可能な限りマクロで撮ってみた。
あとから検索等でシリテンスズメダイ(仮称)を調べる方のために3-4枚貼っておきま~す!
こんな感じで混泳していて、それぞれがこんな風に見えます。。。(屋久島では)

シリテン・タイプはオヤビッチャ・タイプに比べて、”背中の黄色が下の方まで薄く広がっており体の半分以上が黄色く見える事”に注目!

左からオヤビッチャ、シリテン
左からオヤビッチャ、シリテン
左からオヤビッチャ、シリテン
左からオヤビッチャ、シリテン

左からシリテン、オヤビッチャ、オヤビッチャ
左からシリテン、オヤビッチャ、オヤビッチャ
左からシリテン、ロクセン、オヤビッチャ
左からシリテン、ロクセン、オヤビッチャ


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う~釣り人ウゼー

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 25.3℃
【透明度】 15m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 14:25-17:14
【潮まわり】 05:01 187cm 満潮 / 10:56 91cm 干潮 / 16:51 202cm 満潮 / 中潮(月齢:11.3)
【日の出・日の入】 日出06:36 日没17:26

昨日、家族で外食をしたのだが、何やら当たってしまったようで、夫婦で下痢気味&気持ち悪い。。。(・_・;)
今日はモニ1000の口永良部のサンゴ調査の予定だったのだが、これはスタッフ1人で参加させ、僕は午前中は寝てた。
午後になって起きだして、1人で一湊タンク下へ。。。

今日は例のシリテンスズメダイ(仮称)を調べるために、一湊タンク下のオヤビッチャ全体を1匹1匹見てみようと思ってエントリー。
早速、群がりを見つけて追い始めたのだが、何か様子がおかしい。。。
通常、オヤビッチャたちはある一定の場所で群れていて、あまり動き回らないのだが、突然群れ全体がダッシュして消えてしまう。。。(・_・;)
追いかけてみると、エントリー時には気づかなかったのだが、どうも釣り人がいるようで、仕掛けが投下されるたびに奴らはダッシュしてその場所に向かってしまうのだった。

当然、釣り人が竿を垂れている周囲には近寄れないので、何もできない。。。
しばらく遠巻きに待っていて、釣り人が竿を上げると近づいて撮影を始める。。。するとスグにまた奴らは次に餌が投下された方面へ一気にダッシュ!!!
う~!!!全然、観察できね~!!!!

釣り人ウザイ!!
早く帰ってくれ~!!!

多分、釣り人は釣り人で、「魚が散っちゃうから早くダイバーは上がってくれ~!」と思っているのかも知れないけど、それはまったく逆だ。
「魚が集まっちゃってしょうがない(普段の行動じゃなくなる)から早く釣り人は帰ってくれ~!」
これが真実。。。(笑)

途中で諦めて、いろいろ撮影しながら釣り人の帰りを待つことに。。。

口の中をクリーニングされるシロブチハタ
口の中をクリーニングされるシロブチハタ
ハナキンチャクフグをクリーニングするニセアカホシカクレエビ
ハナキンチャクフグをクリーニングするニセアカホシカクレエビ

クリーニング開始!!
クリーニング開始!!
気持ちよくなって真っ白に!
気持ちよくなって真っ白に!
ホホスジモチノウオは普段、ダイバーが近づくと、当然どんどん逃げてしまうのだが、クリーニング中はずっと目の前で無防備な姿を晒す。
クリーニングが進むとどんどん気持ちよくなるのか体が真っ白に。。。(・_・;)
まるで灰のように真っ白に燃え尽きた矢吹ジョー状態。(笑)

結局、釣り人は最後まで居座っていたようで、じっくりオヤビッチャに寄れるような状況になった頃には日は落ち始め、周囲は暗くなり始めていた。
こりゃ明日だな。。。(・_・;)


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まさか全部、シリテンスズメダイ(仮称)なのか?(・_・;)

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 25.3℃
【透明度】 20m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 13:54-16:04
【潮まわり】 10:08 90cm 干潮 / 16:20 198cm 満潮 / 若潮(月齢:10.3)
【日の出・日の入】 日出06:36 日没17:27

オドリハゼ
オドリハゼ
午前中の高速船で帰るゲストを送ったあと、午後からスタッフと1本。
今日は夏のような1日でよく晴れていたのに、ダイビング中に雨が降ったようでエクジットすると空は厚い雲に覆われていて、路面はかなり濡れていた。。。(・_・;

先日、スタッフが「これぞまさにシリテンスズメ(仮称)!」という1枚を撮ってきた。(⇒やくしまにあー♪  » Blog Archive » あ、シリテン!
聞いてみるとこいつは単独で泳いでいたらしい。。。

Abudefduf caudobimaculatusは、1939年に石垣島で取れた1個体から記載され、尾ビレの2つの黒点から和名は”シリテンスズメダイ”と名付けられた。
しかし、その後このスズメダイはオヤビッチャのシノニム(同物異名)だとされ、今に至るわけだが、2003年の日本魚類学会年会で沖縄美ら海水族館の研究者の方々が、オヤビッチャには産卵形態の違う二種類がいて、これが混同されているのではないか?やっぱりAbudefduf caudobimaculatusはシノニムなどではなく有効種なのではないか?という発表があった。
現在はまだ研究の途中で、学術的には依然として”シリテンスズメダイ(Abudefduf caudobimaculatus)”はシノニムとされたままだ。

これを知ったスズメダイ好きのダイバーたちが、水中観察からやっぱりオヤビッチャはよく見ると2種が混じっている!と言い始めた。
当然、僕もホームグラウンドの一湊タンク下でオヤビッチャだと思っている連中をじっくり観察して、シリテンスズメ(仮称)を探しまくった。
「沖縄で見てきたよ~」というスズメダイ好きのゲストたちから聞くところによると、その識別点は「尾ビレに小さな黒い点が2つある」という事と「体の横帯の1本目が胸ビレ付け根の後方を通る」という事。
いや~探したよ。。。尾ビレに小さな黒い点が2つあるヤツを。。。必死でね。。。(笑)

しかし、たまに見かける尾ビレに小さな黒い点が2つある(ように見えなくもない)連中を探しては、他の近隣にいる連中と比較する。。。
でも、点(らしきもの)がある事以外は、何ら他のまわりにいる連中と変わらない。。。(・_・;)
それで思ったのが、「いやいやいや。。。こんな識別点、当てにならない!!そもそもシリテンスズメダイ(仮称)なんて存在しないのでは。。。?(・_・;)シノニム!シノニム!」だと思い、そもそも何でも種類を分けてしまうのは良くない!これくらいの差異なら変異の範囲内だろ。。。生き物には遺伝的多様性があるのは当然だくらいの事を思っていた。(笑)

シリテンスズメダイ(仮称)?
シリテンスズメダイ(仮称)?
ゲストがいなくなった今日は早速、その場所に行ってみると、やっぱり単独でこいつは泳いでいて、シリテンスズメ(仮称)の特徴である尾ビレの2つの黒点がハッキリあって、体の横帯の1本目が胸ビレ付け根のハッキリ後方を通っていた。
帰ってからPCで確認したシリテンスズメ(仮称)の最大の識別点である側線上方の鱗の横列数2(オヤビッチャは3)というのも合致。

ここまでキッチリ、シリテンスズメ(仮称)らしい子は初めて出会った。
「でもなぁ。。。(ーー;)」
疑心暗鬼になりながらしばらく近隣にいる連中(周りの連中は尾ビレに2つの黒点なんてまったくないのに、それ以外の部分はこの子とまったく一緖!)と比較しながら観察していたのだが、イマイチ納得がいかない。
見た目は「似てる」どころか、他の周りの連中とまったく同じ魚にしか見えないのだった。

しかし家に帰ってから、突然、閃いた!!
まさか、ここ(一湊タンク下の-5m~-6m付近に群れている子たち)にいる連中はすべてがシリテンスズメダイ(仮称)なのでは??(・_・;)
それなら納得がいく!!

シリテンスズメ(仮称)の特徴である尾ビレの2つの黒点や体の横帯の1本目が胸ビレ付け根のハッキリ後方を通る事は絶対条件ではなく、むしろ屋久島ではその特徴がない子の方が多かったりして!
両種は産卵形態が違うという話からも何となく思い当たる節もある。。。

お隣「クレーン下」で観察できるオヤビッチャの産卵床はテトラの壁面に大きなドギツイ紫色の卵を広範囲に産みつけるのだが、これはちょっと覗き込めば全体がハッキリ見渡せる。
なのに一湊タンク下の-5m付近で見るオヤビッチャ(?)たちの卵は岩の天井面に産み付けている事が多く、産卵床全体が非常に観察しにくいのだ。。。

また考えてみると、一湊タンク下の-5m付近で見るオヤビッチャ(?)たちはクレーン下で見る連中(大型でドギツイ体色)よりも全体的に小型で、体色も淡い気がしなくもない。。。(笑)
背中の黄色い部分は綺麗なグラデーションで体全体に広がっているため、体色も淡いクリーム色に見えるのだ。
そのクセ、体の横帯はロクセンスズメダイのようにクッキリしている。。。

これらの事は「まさか一湊タンク下浅場の連中全部がシリテンスズメダイ(仮称)なのでは。。。?」と思った時にあとで「思い返してみればそんな気がする。。。」という程度のヒジョーに怪しい認識なので(笑)、ちょっとこれをしっかり調べてみる必要があるかも。。。


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