【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 25.3℃
【透明度】 15m
【海況】 凪ぎ
【天候】 くもり
【潜水時間帯】 8:45-10:56
【潮まわり】 11:47 186cm 満潮 / 17:16 135cm 干潮 / 小潮(月齢:21.7)
【日の出・日の入】 日出06:22 日没17:43
昨日、川瀬さんがシマキンチャクフグの産卵を観察したのを受けて、今日は僕も昨日よりも15分早くエントリーした。
昨日の朝、シマキンチャクフグが沢山群れていた辺りに直行するとメスたちのお腹は大きく、こうしたメスを追随するオスの姿も見られたので、これを追ってみた。
観察しているとメスはある一定の場所(基盤は薄く海藻が生えている岩肌)にやってきては、注意深く点検するかのように入念に岩肌を均していた。
口先で岩肌をフーフーしたり、胸ビレや尻ビレで扇いだり。。。
そんなんだから、しばらく観察しているとどこで産卵するつもりなのかは容易に分かった。
オスは常にメスの近くにまとわりついているのだが、たまに他のメスの方に行ってしまったりしていた。
ただ、その産卵床がどうもヒレナガスズメダイのテリトリー内であったらしく、頻繁にヒレナガスズメダイのオスが追い立てに来る。
そのたびにシマキンチャクフグの雌雄は上方(中層)に逃げるのだが、ヒレナガスズメに容赦なく噛み付かれていた。。。
そんな感じなのでなかなか産卵には辿りつけず、とうとう産卵床をヒレナガスズメのテリトリー外にある岩肌に移してしまった。
しかし、そこでもなかなか産卵が始まらないまま1時間以上が経過。。。(^^;)
僕もそのうちに飽きてきて、オス・メスのそれぞれの目元の模様をどアップで撮っていた。
絞りをかなり絞って、光量もかなり落とし、最短まで寄って目玉の辺りばかりを撮っていたのだが、その時は突然やってきた!
メスが産卵床の上に乗っかったまま動かなくなったのだ。
急いで離れて全体をフォーカスしてみると、オスもメスを巻き込むように包んだまま動かなくなっていた。
露出も光量も変えることができないままそのままバンバン、シャッターを切ったのだが、オスがメスにピッタリくっついていたのはわずか8-10秒くらいだった。
あまりにも地味な産卵だったので、正直閉口。。。(笑)
産卵時間は10:10くらい。
あれだけ執拗にメスにまとわりついていたオスも産卵が終わるとあっという間にいなくなり、産卵床にはメス1匹が残って何やら産卵床にお腹をつけたまま動き回っている。
メスが1匹で産卵をしているようにも見えたのだが、オスはとっくにいなくなっている。
何をやっているのだろうか。。。?(・_・;
辺りを見回すと、さきほどのオスが今度は別のメスにまとわりついていた。
僕も観察対象をこちらに移し、今度はこのペアを観察してみた。
やはりメスは決まった岩肌を均すような、丁寧に確認しているような行動。。。
それにまとわりつくオス、という構図はさっきと一緒。
今度は産卵開始の瞬間を見逃すまい!と思い、離れてじっと観察していると、オスがメスのお腹をつつくような行動をとりはじめた。
そして、そのスグあとに先ほどと同じようにメスの動きがピタッと止まり、オスがそれに巻き付くように静止した。
時間は10:20だ。
こちらは付近にヒレナガスズメダイのテリトリーがなかったからか、すんなりと産卵に至った。
いずれにしても地味な産卵だぁ。。。(笑)
そもそも動きがない。
産卵に至るまでのアプローチは面白かったのだが、産卵そのものはメチャ地味だった。
間違いなく誰も興味は示さないに違いない。(^^;)
今回も2匹がピッタリくっついて動かなくなるのは8-10秒くらいで、オスはすぐに産卵床を離れ、どこかに行ってしまった。
この手の魚(キタマクラ属)はスズメダイ類などとは違って、どうもメス主導の繁殖行動のようで、メスはやはり居残って産卵床にピッタリお腹をくっつけたまま動き回っていた。
産卵後のこのメスの行動がイマイチ意味がわからなかったのだが、上がってから川瀬さんに聞いてみるとこれは産卵直後の”卵保護”行動のひとつのようで、産み終わった受精卵を綺麗に均し、卵を定着させているのではないか?との事だった。
確かに産卵中はまったく動かないので、多分一箇所にまとめて産んでいるのだろう。
その後、メスが綺麗に均していくようだ。
卵を見ようとメスの産卵管付近に最短まで寄ってファインダーを通して見てみると、尻ビレをパタパタ扇いでいるようなので、水流も送っているのがよく分かる。
その後もさらにオスを追ったけど、卵を持ったメスには出会わず、これで一通り産卵行動は終わったようだ。
結局、2時間以上ずっとシマキンチャクフグの産卵を追うことになってしまった。。。(笑)
途中、スグ横では今回のオスよりも巨大なオスが1匹の卵持ちのメスに求愛していた。
今度はこいつを追ってみようかな。。。
エクジットして川瀬さんに「シマキンの産卵見れましたよ~(^^)」と自慢したら、川瀬さんは今日はさらに面白そうな繁殖行動を観察したらしい。。。
何と僕もずっと追っていたニシキカワハギの産卵が見れたそうな!(・_・;
うぉ~またしてもヤラれた!!(2日連続。。。)
それは見たい!!
そっか。。。ニシキカワハギも朝だったか。。。(時間は8時くらいだったらしい)
今日は僕も昨日よりも15分早くエントリーした。昨日の朝、シマキンチャクフグが沢山群れていた辺りに直行するとメスたちのお腹は大きく、こうしたメスを追随するオスの姿も見られたので、これを追ってみた。 http://t.co/K3iYD6W0
#yakushima #divingJP 今日は僕も昨日よりも15分早くエントリーした。昨日の朝、シマキンチャクフグが沢山群れていた辺りに直行するとメスたちのお腹は大きく、こうしたメスを追随するオスの姿も見られたので、これを追ってみ… http://t.co/E6gjR2H9
同じキタマクラ属だから当たり前なのかも知れませんが、
「むむっ? キタマクラと非常に似ているなぁ」
と思わず身を乗り出してしまいました。
(キタマクラの産卵については、僕と瓜生さんの記録を余吾さんがまとめて下さった
以下のサイト
http://www.aunj.org/report10.html
http://www.aunj.org/report10-2.html
或いは、「富戸の波」データベースの「キタマクラ」のページの「キタマクラ」を
クリックしてご覧ください
http://www.onsenmaru.com/database/database.htm )
それで、どうしても伺いたい事が3点。
1) キタマクラはメスが岩面上の紅藻類をつついて窪みを作ってそこを産卵床と
するのですが、シマキンは「均すような動作」とあります。これは、「口で
つついて窪みを作る」と言うのとは全く異なる動作でしょうか。
2) キタマクラはよく見ると、産み出された卵がさらさらと流れ出て来るのが
見えるのですが、シマキンではどうだったのでしょうか。
3) キタマクラでは、流れ出た卵が見える一方で、産卵基質となった海藻にも
多くの卵がくっ付いています。シマキンもそれは見えるのでしょうか。
4) 今回は放精後のオスはさっさと次のメスに移動したとの事ですが、次回は
是非、少し離れた場所からそのまま観察を続けて下さい。キタマクラの場合
には、産卵後に産卵床をケアしている(僕もこれは卵の隠ぺいと考えます。
理由は上記サイトに記録してあります)メスに対して、その場を一旦離れた
オスが戻って来てメスを威嚇して追い払う様な動作をしばしば見せるのです。
これが何んの意味なのかさっぱりわからないのです。次回は、そんな事が
あるかどうかを是非確かめて下さい。
>> 間違いなく誰も興味は示さないに違いない
少なくとも僕にとってはキタマクラはライフワークの一つと思い定めております。
一連の根吉さん&余吾さんのキタマクラの記事は余吾さん在命中に読ませて頂いていますよ~(^^)
さて、質問にお答えいたします。
(1)
この辺はそこまでしっかり観察していないので何とも言えないのですが、ボサボサしている海藻を滑らかに均しているように見えました。
しかし、この辺は言葉の問題のようで、根吉さんの言う「口でつついて窪みを作る」と同義であるような気がします。。。(笑)
どう感じるかは”観察者による”という部類の事のように思えます。
僕の言う”均す”は産みやすいように産卵床をつくっているという意味合いです。
(2)(3)
そうなんですよ~!!
根吉さんのその記事を読んで「産み出された卵がさらさらと流れ出て来るのが見える」というのは知っていたので、今回も注意深く観察したのですが、まったくそれらしきものは見えませんでした。
さらにキタマクラは産みつけられた卵が見えると聞いていたので、それもチェックしたのですがとりあえず確認できませんでした。。。(^^;)
なので、産卵自体が本当に行われたのか疑問には思っています。
もう一度、産卵を観察してこの辺をチェックしたいのですが、まだ行けていません。。。
(ゲストがいる時には行けないので。。。(^_^;))
(4)
う~ん。。。
僕の観察ではシマキンチャクフグの産卵はメス主導型で、産卵床を決めるのも、産んだ卵を保護(産卵直後だけですが。。。)するのもメス単独で行なっているような気がします。
オスは放精して「はい、さようなら!」という感じがしました。(笑)
メスは産卵してオスが去ったあとも、しばらく産卵床に留まっていました。(5-10分くらい)