【ポイント】 A川
【水温】 23.0℃
【透明度】 15m~
今日も最高に時化ていた。
「一湊タンク下」はなんとか行けそうだったが、かなりウネリっぷり!
ちょっと考えた。。。こんな時こそ!
今まで気にはなっていたが、屋久島の海があまりにも面白く、やりたい事や調べたい事が沢山あったため、なかなか行く機会のなかった淡水域。
また、淡水域に踏み込んだら、踏み込んだで、ハマってしまうのは目に見えている。
これ以上、興味や興奮の対象が増えてしまうと収拾がつかな~い!という心配もあった。(笑)
案の定、また更にやりたい事や調べたい事が増えてしまった。。。(汗)
どうすんだよ~!
これまで屋久島の海はあまり調査の手が入っていないので未知の部分が多く、毎日、分布における新発見の連続だったりする。
ところが、屋久島の場合、淡水域は意外に調べられている。
ハゼを中心とする調査隊が毎年、来島していて、ある程度は種類がリストアップされていたりするのだ。
そういう意味で、海よりも入り込みやすい。。。かと思いきや、甘かった!
分類に関しては、一筋縄ではいかなそうだ。。。
しかし。。。生態観察は最高にやりやすい!
淡水のウォッチングは、ヨシノボリ系やボウズハゼ系のハゼが中心となるのだが、これがまた観察しやすい。
かなり寄っても逃げる気配はなし。。。
むしろ、どんどん近寄ってくるので、撮影が大変だったりする。
今日も何度かケンカや求愛のシーンを目撃したが、目の前で表情がよ~く見える状態で観察が可能だ。
ダイバーの存在はまったく無視した状態で、喜怒哀楽をストレートにあらわす。
そして透明度の良さも手伝って、淡水はフィッシュウォッチングに適したフィールドだと思った。
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この場所では、ざっと見たところ、クロヨシノボリ、ナガノゴリ、ボウズハゼ、ゴクラクハゼ、ヒナハゼが最優占種のようだ。
とにかく多かったのはクロヨシノボリだ。
とくに浅い転石地帯では大きなオス(下左写真)がヒレ全開で、周囲にいる連中を蹴散らしていた。
一瞬、求愛か?とも思われたが、蹴散らされている連中を見てみると、オスばかりのようだ。。。
テリトリーみたいなものがあるようで、人工的に他のオスを近づけると(笑)、ヒレを全開にして、凄い形相で威嚇する。
ちなみに下右写真がメスだと思われる。
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これらハゼの中では、唯一ボウズハゼはなかなか撮りにくい。。。
一瞬で逃げてしまうわけではないのだが、カメラを構えるとさっと後ろを向き、逃げの体勢に。(笑)
威嚇行動なのか、求愛行動なのか分らないが(多分、同種間の威嚇)、この種類も盛んにヒレを全開にするシーンを目撃したが、なかなか撮らせてくれない。。。
撮れても後ろ向き!
まぁ、数は多いからそのうちに撮れるだろう。。。気長に、気長に。。。(笑)
このボウズハゼは石の上の何か(藻?)を盛んに食べているのだが、これがなかなか面白い!
幅を広げた口をべったりと石に着けて、舐めるようにして(ほんと、そんな感じ!)食べまくってた。
まるでブルドーザーのように。。。
この中にはルリボウズハゼも混じっていそうだが、今日はひとまずそこまでは調べられなかった。
左:メス、右:オス
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下左写真はゴクラクハゼだと思うのだが、こいつもかなりの数が見られる。
ただ、でかいだけで、超地味なハゼだったので、最初はな~んの興味も湧かなかったが、エクジット間際になって、この種類の激しい喧嘩(?)を見て、俄然興味が!(笑)
10cm以上の成魚同士が横に並列に並んで、お互いの側面を見せるような姿勢で威嚇し合っていた。
自分を更に大きく見せるためだろうか。。。?ヒレを全開にして、口を大きく開けて、2匹は相当大きな魚に見えた。
あまりの激しさに勢いあまって、2匹は石と石の間に突っ込む!
お~これは求愛だったのか???じゃー産卵??と一瞬思ったが、あんな激しい行動が求愛→産卵床への連れ込みだったら、ヤバイって。。。(汗)
ご、強引過ぎる。。。(焦)
下右写真は興奮時のゴクラクハゼ。
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真っ黒いハゼもいっぱいいる。
チチブ?かと思ったが、ほとんどはナガノゴリのようだ。
水中では真っ黒にしか見えないのだが、写真に撮ると斑点やら模様が入っていて綺麗な子も多い。
下左写真の子はヒレにも赤や黄色が入って綺麗なのだが、これはオスの婚姻色かも。
写真に撮って気づいたのだが、体に黄色い横帯が入っている子(下右写真)もいる。
これはナガノゴリの特徴らしい。。。
ちなみにナガノゴリは日本固有種で、屋久島で取られた標本が元になって記載されたらしい。
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最後に超浅場でクロヨシノボリやゴクラクハゼの喧嘩(?)を見ていたら、超綺麗なクロユリハゼが視界に入ってきた。。。!!(笑)
ギラギラと蛍光ブルーのラメの入った美しい体のハゼが中層で2-3匹ホバーリングしている。
これがまたクロユリハゼ属を思わせるホバーリングだったので、スグにボウズハゼの仲間だとは思えなかった。
ところが着底すると、図鑑でよく見るナンヨウボウズハゼになっていた。(笑)
お~!!こいつらってホバーリングするのね。。。(汗)
体色は結構コロコロ変わる。
もっとも派手な時はギンギンの蛍光ブルーだが、次の瞬間には色が褪せてしまったりする。
下左写真の子はまさにそんな時に撮った1枚。
下右写真は別の場所で撮った子だが、これがオスの普段の姿ではないだろうか?
最高に美しい状態のオスをぜひ撮りたいなぁ~
しかも、ヒレ全開でホバーリングしているやつ。。。
ちなみにこれがメスだろうか?
繁殖行動を見るまでは何とも言えないが。。。
また調査対象が増えていく。。。(焦)
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今日はハゼばかりに目がいってしまったが、それ以外の魚ももちろんいる。
完全に調べ切れていないが、ユゴイやオオクチユゴイ(右写真)の幼~若魚はかなり目立つ。
流れに逆らってエサを食っている混成群がりが見られた。
最初はこの中の一番大きな個体(3-4cm)が成魚に近いサイズなのかと思ったが、とんでもなかった!
ちょっと河口の方へ泳いでみたら、大きなオオクチユゴイ(20cm以上)が沢山いた。
いいですね、淡水域!
最終日は、これにしようっと。
でしょ?
ただ今、海や水をこよなく愛する方々のために、最終日用のフィールド&過ごし方を調査中です。
期待していてくださいね~♪