似たもの同士

【ポイント】 一湊タンク下
【水温】 22.7℃
【透明度】 ~10m
今日もタンク下。
朝からツキノワイトヒキベラのヒレ全開に燃えていたが(笑)、結局海へ行くのが遅れてしまい、イトヒキの里・奥の院には行くのを止めた。
大潮だった事もあり、エントリー時はかなりひいていてガケを下るエントリー。
沖では潮がかなり速く、キツネウオ属の一種(成魚)やアオチビキなんかが中層に広がっていた。


昨日は何と-30m付近に溜まっていたキビナゴだが、今日は定位置ともいうべき-3m付近に一斉に固まっていた。
まったく見られない事があったり、今日のように突然増えている事があったりと、その規則性がよー分らん。。。
相変わらず凄いキビナゴの群がりだが、1ヶ月前と比べてあきらかに違うのは3cmぐらいのチビ群れが見られる事。
上層はいつものような5-6cmの成魚が大きな群がりを作っているが、そのスグ下層にはこのような幼魚の群がりが見られた。
同サイズ同士でかたまるのは防衛戦略上当たり前の事だが、いったいこの流れはいつまで続くんだ。。。???
そのうち、今度はこのチビたちが一斉に放卵放精するわけだよね?
屋久島ではシーズン中、ずっとキビナゴの群れが見られているような気がする。
これを狙うアオチビキ、ヒレナガカンパチ、ヒラソウダなどが今日もよく目に付いた。
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今日はもう少し、浅場(-20m付近)でイトヒキベラXを探してみたが、お腹の大きなメスを1匹見かけたのみで、肝心の婚姻色オスが見当たらない。
昨年はもうこの時期は派手な婚姻色でブイブイいわせてただけに、どこかで求愛をしているはずなのだが。。。
もっと別の場所も見なきゃダメかなぁ~
—————-
繁殖期は晩秋~冬だとばかり思っていたキツネウオの仲間だが、今日も-20m付近に沢山固まっていて、オスの婚姻色&激しい求愛も見られた。
同時にTheキツネウオの若魚(だと思っているやつ)も見られ、ちょっと比較してみた。
(参考:屋久島海案内: キツネウオ・ミステリー)


まず左側の子が一湊タンク下の-20m付近で百匹以上がまとまって見られる「キツネウオの仲間」だ。(体長20-25cm)
これはメスでオスはひとまわり大きく、求愛時は尾鰭の上方が真っ赤になり、体側の黄色いラインは蛍光ブルーになる。
こいつらはいわゆる「キツネウオ」の若魚として処理されているようだが、1年を通して産卵や求愛の様子、社会行動などを観察した結果、これはこれで立派な成魚だと言える。
しかも、これは「キツネウオ」ではないと思う。
というのも、この群れには2-3匹のまったく異なる形態&色彩の輩が混じっており(それが右写真)、これこそが「キツネウオ」だと思うからだ。
この「キツネウオ」は尾鰭の先端が綺麗に伸び、その先端がピンポイントで赤い。
形もやや細長く、体側の黄色いラインも真ん中辺りで山なりとなるのが特徴。
ちなみにこの写真の子は20-25cmぐらいで多分、若魚だ。
成魚はもっと大きくなり、40cmくらいの子を別のポイントでも見ている。(→屋久島海案内: 矢筈岬東面の調査
ちなみに「キツネウオ属の一種2」として図鑑に載っている青く綺麗な魚は、屋久島では夏に沢山見られるが、これは成長過程を追った結果、左写真の「キツネウオの仲間」の幼魚だと推測している。
で、今年の目標~♪
・  「キツネウオ」の幼魚を探す。
・  「キツネウオ属の一種1」の成魚を探す。
ちなみに「キツネウオ属の一種1」=「キツネウオ属の一種2」の可能性も高い。。。(笑)
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-20m付近は浅場と深場で棲み分ける似たもの同士が、共に共存する水域だ。
屋久島ではシコクスズメダイとデルタスズメダイがこの水深を境に入れ替わる。
他にはキンセンイシモチのドット型とライン型の優占度が入れ替わり、両タイプが一緒に見られるのがこの水深。(しげる調べ)
せっかくだから(?)、両タイプを一緒にフレームの中に収めてみた。。。
見ての通り、両タイプはまったく違う魚だ。
えっ?同じに見えるって?!(=_=;)
大丈夫!水中で見れば、一発で分りま~す!(笑)
最下部の縦縞がドット状になるか?ライン状になるか?
尾鰭の真ん中に線が延びるか?伸びないか?
などをあまり意識しなくても、2タイプを見分ける事は容易だ。
全体的にブラウン調のドット型、明るい黄色(金色?)のライン型ってな具合で。。。
水温が上り始めて、どちらもお腹の大きなメスや口内保育中のオスが目立ってきた。
そして冬に比べて、皆元気に外に出ているようになってきた。
よ~し!
で、今年の目標~♪
・  両タイプが別々に繁殖を行っているか調べて写真に残す。
・  両タイプの幼魚を識別。
・  これだけ混在している-20m付近では繁殖隔離がしっかり行われているとは到底思えない!!
つー事でハイブリット探し。。。(笑)
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最近、冬場はあまり姿を見なかったホシニセスズメが頻繁に目に付く。
しかもスグに穴の中に隠れてしまうはずのやつらが、今の時期は堂々と外に出て撮りやすい状態である事がしばしば。。。
これはきっと繁殖期に突入したのでは?と思われる。
巣穴(テリトリー)を守っているのか?それとも、すでに卵を守っているのか?
という事は。。。この仲間の他の種類ももしかして。。。!!
んでっもって、メギスの仲間の写真を撮るなら今がチャンス!って事??~(^O^)/
そう思った瞬間、ピンク色のニセスズメの仲間が穴の前でオロオロしているのを見~つけた!(笑)
こいつはFine-scaled dottybackとかPink dottybackとか呼ばれている、まだ和名のないニセスズメの仲間らしいのだが、屋久島ではメギス、ホシニセスズメに次いで多い種類。
普段は穴や亀裂の中にいてなかなか姿を現さないが、多分数は多い。
撮るなら、繁殖期かもしれない今がチャンスか。。。?
今日の子もなかなか隠れようとはしなかったが、あまりよく撮れなかった。(泣)
しかし、綺麗な魚だよねぇ~♪
きっとバックを考えながらきっちり撮れば、素敵な写真にもなるのだろうけど、この仲間を撮るのにそんな余裕はもちろんないのであった。。。(笑)


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