ようやく産卵が見れた!(^^;;

【ポイント】 お宮前
【水温】 27.9℃
【透明度】 30m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 8:05-10:10
【潮まわり】 05:00 48cm 干潮 / 11:45 197cm 満潮 / 17:28 128cm 干潮 / 小潮(月齢:6.1)
【日の出・日の入】 日出06:17 日没17:51

ようやくセダカギンポの産卵が見れた!(^^)
5日目(台風をはさむと6日目)にしてようやく。。。!!
なにが嬉しいって、もうあの地獄のような急坂を延々と歩かなくても良くなった事。(笑)
いや~マジで辛かった。。。屋久島に来た当初(30代前半)は楽勝で歩いていたけど、さすがに43才の体には応える。。。(・・;)

【卵の発生過程】

なかなか産卵が見れずに通ったおかげで副産物も。。。(^^)
この5-6日間というのはセダカギンポの産卵サイクルだったのだ。
産卵当日(stage⓪)と唯一まだ見ていなかった産卵から3日後の状態(stage③)を見る事で、セダカギンポの卵の発生過程が掴めた。

産卵直後の卵の様子
産卵直後の卵の様子

産卵3日後の様子(別のパッチ)
産卵3日後の様子(別のパッチ)

セダカギンポの卵 その発生過程
セダカギンポの卵 その発生過程
一時は産卵から2日後や3日後の卵が肉眼で確認できずに見落としていたせいもあって、産卵後1-2日で孵化してる?などと思っていたのだが(笑)、どうも産卵から5日目の夜、もしくは6日目の早朝に孵化するようだ。(水温27-28℃、多分繁殖後期の場合)

本来のセダカギンポは僕らダイバーが見ずらい枝状のサンゴやハナヤサイサンゴの類に産卵床を構えるようなので、こうした卵の発生過程はなかなか観察しにくいかと思うのだが、今回はホント、ラッキーだった。
ハマサンゴ類の表面に産卵床を構えてくれたおかげで、真正面から写真を撮ることができた。。。ありえない。。。!!!(^^;;

【産卵時間】

セダカギンポの産卵
セダカギンポの産卵
産卵は8:00にエントリーして行ってみるとすでに黄色っぽいメスが卵を産んでいるところだった。
いつもは赤っぽいオス1匹しかいないので、2匹いるのを確認した時点で心の中でガッツポーズ!(笑)
産卵は始まったばかりで、まだ産卵床には黄色い卵がちょっと産みつけられていたくらいだった。
多分、ホント少し前(7:30以降)に産卵が始まったばかりという感じ。
そのまま2時間産卵を観察していたのだが、エアーが無くなって上がらざるを得なくなった頃には黄色い卵の面積はかなり大きくなっていた。
卵の面積からして、多分、もう30分くらいは続きそうな感じだったので、産卵時間は7:30-10:30といったところだろうか。
どうせならオスの求愛から観察したかったなぁ。。。

【繁殖行動の観察】

メスは産卵口から卵を産み落としていく。。。
メスは産卵口から卵を産み落としていく。。。
その黄色い卵の面積がみるみる大きくなっていく様子は見ていてかなり面白かった。
というか、最初はちょっと不思議だった。
というのもメスは産卵中、ほとんど動かないのだ。
卵を1ヵ所にある程度まとめて産み落とし、次に移るという感じ。。。
クマノミなどスズメダイ類のように、1個1個丁寧に産みつけていくような感じではないのだ。
それなのにどんどん黄色い卵の面積は広がっていく。。。(・・;)

メスが産んだ卵に生殖突起を擦り付けるオス
メスが産んだ卵に生殖突起を擦り付けるオス
よくよく見てみるとそれはオスの放精に秘密があるようだ。
オスはどうもスズメダイやヘビギンポなどのようにメスが産んだ卵に精子をかけるいわゆる「放精」をしているのではなくて、例の生殖器付近にある肉の塊(生殖突起?)をメスが産んだ卵に擦り付けているのだ。
こうして精子を「かける」というよりも「塗り付ける」ような感じで受精させているのだと思うのだけど、その際にこの生殖突起をつかって卵をまんべんなく広げているように見える。。。
産卵床いっぱいに卵を広げているのはどうもオスなのではないだろうか?

最初はそれに気づかず、後半になってようやくそう思い始めたので、キッチリ確認したわけではないのだけど、そんな気がする。。。

オスの生殖突起の拡大(卵に精子を塗り付けているところ)
オスの生殖突起の拡大(卵に精子を塗り付けているところ)
この生殖突起には他にもいろいろと役割があるような気がしてならない。
産卵床の掃除にも使っていたので、その際にも何らかの物質が分泌されていたりしないのだろうか。。。?

この卵はメシマウバウオなどのエッグイーター(卵捕食者)が食べやすそうな壁面に産みつけられているのだが、なぜか今まで卵が食べられているのを見たことがない。
たまにこのオスは産卵床を離れて食事に行ったりするのだが、その際もメシマウバウオなどはまったく寄ってこない。
そこで思ったのだが、こうしたエッグイーターを寄せ付けない何かがこのオスの生殖突起から分泌されていたりするのでは?などと想像してみたのだけど、調べる術がない。。。(・・;)


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