ようやくガラスハゼの仲間の産卵を確認。。。(*^^*)

【ポイント】 一湊タンク下No.2
【水温】 25.7℃
【透明度】 20m
【海況】 時化気味
【天候】 くもり
【潮まわり】 11:28 192cm 満潮 / 17:02 130cm 干潮 / 小潮(月齢:21.3)
【日の出・日の入】 日出06:29 日没17:33

やっぱり今日も一湊湾内は特に問題なくエントリーできた。
浅場こそかなり濁っていてウネリもあるが、台風ウネリの回り込みもなく、沖に出ると透明度もまずまずで水底ではややウネリを感じるくらいだった。
台風が島の南を通り(島が台風の可航半円に入るパターン)、しかも、ここまで距離があると風も思ったほど強く吹かなかった。
これなら高緯度を北上する春の爆弾低気圧の方が怖いくらい。。。(^^;)

台風が通過して風が北西に変わる前に。。。と思い、珍しく午前中に1人で海へ。。。(笑)
いや~午前中に入って正解だった!!
期せずして、ついにガラスハゼの仲間の産卵を見る事ができた~!(*^^*)

昨日(⇒ガラスハゼ | Field Note  - 屋久島の海と川の記録 –)は-15m~-20m付近で見られる明らかに卵の大きさが違う2種の話をしたが、他にも卵はこれまで見た事がないけど、これまた種類が(前記2種とは)違うのではなかろうか?と単なる直感で思っているガラスハゼが-30m付近で見られるのだが、これを観察しに行った。(浅場がウネっているので。。。(^^;))
-30m付近もそれなりにウネリはあり、写真を撮っていると体もガラスハゼの着くヤギも揺れて撮影するにはかなり厳しい。。。

このガラスハゼは前記2種類のガラスハゼとは体のサイズが明らかに小さく、着いているヤギも根元から何本にも分岐する赤いエダムチヤギ(?)。
1本につき1匹、合計で10匹くらいが見られるのだが、今日はこの各枝の最上部だけポリプが引っ込んでいてにそれぞれに1匹が陣取っていた。
そのうちの1匹を撮影していると、もう1匹がやってきて、その途端、元からいた1匹が急に興奮状態に!!
レンズを通してみていると体を小刻みに震わせているので、もしや!!と思い、もう1匹のお腹を見ると小さな卵の粒がいっぱい詰まっているではないか!!
うぉ~!!これが産卵か~!!

時間は何と11:30!!
全然、早朝じゃなかった。。。(^^;)
ま~とりあえず、この種類は、って事だけど。

産卵中のガラスハゼの仲間ペア産卵中のガラスハゼの仲間ペア。産み着けられたガラスハゼの仲間の卵

卵は1粒1粒丁寧に産みつけ、オスがそこに精子をかけていると思われるのだが、小さすぎて良く分からない。。。(-o-;
そればかりかオスが小刻みに体を震わせるのも、レンズを通さないとまず分からないくらい。(笑)
しかし、確かに小さな卵がポロポロと着いているのが分かる。
メスの産卵管と卵が詰まったお腹、そして産み出す瞬間を撮ろうと努力したけど、僕の体もヤギも揺れて、結局全然撮れなかった。。。(涙)

左写真: 産卵中のペア。メスの産み着けた卵の上にオスが精子をかけていく。。。
中写真: メスのお腹の中には沢山の卵の粒が見える。ヤギには透明な卵の粒も。。。オスも精子を出す管も見える。
右写真: 産み着けられた小さな小さな卵の粒。

昨日の2種はどちらもヤギの中ほどに産卵床があるのに対し、この子たちはすべてヤギの最上部に産卵床がある。
今日はやや潮があり、ヤギ類は皆、ポリプが全開だったのだが、このエダムチヤギはすべて最上部のみ引っ込んでいて、根元の方はどれもキレイにポリプが開いていた。

ガラスハゼの仲間の卵
成熟段階の違う卵3パッチ
帰りに-25m付近のムチヤギ(?)を覗いてみると卵が沢山着いていた。
その上に昨日のリュウキュウミゾヤギに着く種類と同じだと思っているガラスハゼがいたので、写真を撮ってみると面白いものが撮れた。
撮っているときには気づかなかったのだが、何と成熟段階別にキレイに卵のパッチが並んでいるではないか!!
むかって左側のパッチはまだまだ透明な産んだばかりの卵、真ん中のパッチはやや白くなった卵、右側のパッチの卵たちはもう目玉が見え始めている。。。
つまり、多分、右のパッチから産んだのだと思う。

このヤギは細いからなのかもしれないが、リュウキュウミゾヤギではここまでキレイにパッチが分かれているのを見た事がない。
リュウキュウミゾヤギは太いので1回の産卵でこんな風に丸々1周卵を産み着けるのは確かに難しそう。。。

目玉がすでに見えている孵化間近の卵
目玉がすでに見えている孵化間近の卵
もしかしたら、このパッチの作り方(産み方)も種類によって違うのでは?と考えていたのだが、卵の大きさは基本的には同じくらいで、そもそも同じ種類にしか見えないわけだが(笑)、これは宿主(=環境)によってパッチの作り方(産み方)が違うだけなのかもしれない。。。
それともリュウキュウミゾヤギに着く種類とこのムチヤギに着く種類もそれぞれ別種だったりするのかな。。。(^^;)
種類の識別はともかくとして、この辺(環境による卵の産み方の違い)の観察も面白いかも。

その前に各宿主の正確な同定もしなきゃかも。。。(笑)


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13 Comments

  1. やっぱり卵の産み方は見た目の通りだったんだな。
    直立のムチカラマツは上の方の卵の成熟が早いのが見れる。
    で、ムチカラマツは表皮をとって産みつけてあるのに
    そのヤギ(赤くて細い)のは表皮がそのままなのでしょうか?

    • ご無沙汰しております!

      > 直立のムチカラマツは上の方の卵の成熟が早いのが見れる。

      そのようですね。
      上の方から優先的に産んでいくのは、やっぱり潮通しの関係でしょうかね~

      > で、ムチカラマツは表皮をとって産みつけてあるのに
      > そのヤギ(赤くて細い)のは表皮がそのままなのでしょうか?

      そのようです。
      リュウキュウミゾヤギなどは薄い表皮が捲れているのをよく見ますが、
      このヤギ(エダムチヤギ???)にはそのようなものは見られませんでした。
      もしかしたら普通のムチヤギもそうかもです。。。
      今度、注意して見てみます!

  2. やってますね!…(笑)。

    こちらでもガラスハゼたちは3種とも産卵しまくっています。
    やはり、時間帯はとくに関係無いように思います。

    …で、産卵床の形状による決定的な差異は未だ見出せていません。
    とにかくムチヤギやムチカラマツにビッシリ産み付けるという感じで…。

    あと、卵のサイズなんですが、確かに違いがあるのかな…という気もするのですが、種による差だけでなく個体差って無いのでしょうかね。

    同じオオガラスハゼでも大きい個体と小さい個体では卵のサイズが違うような気もしたりしていて…(苦笑)。

    ところで、卵の産み方の違いから種の差異を見出せるかもというお話でしたが、例えば、現状でこいつらは違うだろうという個体の形質的な差異は原崎さんの目から見てどうでしょう?

    僕が気になっている事は2点で、「ホソガラスハゼってどんなヤツなのか」と「オオガラスハゼとガラスハゼ属の一種-1とされている種の違いが(自分は)分かりづらい(よく分かってない)」ってことです。

    ホソガラスハゼに関しては、こちらより屋久島の方が見れそうな気もします。(…というか、僕自身コイツに関しては何も分からないのですが…南方系のような気がするってことで…(苦笑)。)

    あと、オオガラスハゼとガラスハゼ属の一種-1に関しては、横帯の入り方で見わけられるそうなのですが、その辺はどうなのだろう?って事とか…。おそらくこの2種とTHEガラスハゼは屋久島にも絶対居て、今回、原崎さんが撮影されている種もこの辺だろうと思っているのですが、形質的な差異に気づかれたらぜひ教えてもらいたいです。

    • いくつかお聞きしたいのですが。。。

      > やはり、時間帯はとくに関係無いように思います。

      夕方でも産卵は見られますか?
      今日は午後の遅い時間にエントリーしたのですが、どのヤギも産卵は見られませんでした。
      どちらかと言うと午前中って事はありませんか?

      > とにかくムチヤギやムチカラマツにビッシリ産み付けるという感じで…。

      確かに屋久島でもムチカラマツにはビッシリ大きな卵を産みつけます。
      伊豆でもムチヤギもそうですか?
      そちらには大きく、太いリュウキュウミゾヤギはありますか?
      このヤギに着く卵はかなりまばらで卵も極小だったりしませんか?

      > 種による差だけでなく個体差って無いのでしょうかね。

      当然、あると思います。
      環境(ヤギの種類)による差も考慮する必要があると思っています。

      ただ、それを差し引いても、見られる卵の大きさにはかなりの差がある気がします。。。(屋久島では)
      例えば、屋久島で必ず”ムチカラマツに卵を産む顔の厳つい種類”よりも”体の大きなリュウキュウミゾヤギに着く種類”の方が体は大きいのですが、卵の大きさは後者の方がずっと小さいんです。。。(・_・;

      > 形質的な差異に気づかれたらぜひ教えてもらいたいです。

      今のところ、”ムチカラマツに卵を産む顔の厳つい種類”以外は形質的な差異がまったく感じられないため(笑)、生態や行動でひとまず識別(区別)する事を優先して行っています。
      種類の特定(同定)はそのあと気が向いたらやろうと思っているのですが(^^;)、その時は形質で見ないとどうにもならないかもですね。。。(笑)

  3. ガラスハゼ / 井田

    ガラスハゼをきちんとやらねばならなくなってしまった。

     きっかけは、ちょっと前にホソガラスハゼかな???…という個体のことを載せてから一連の流れで…

  4. オオガラスハゼ / 井田

    ○○ガラスハゼ…と名前が付く魚…、井田には3種は居るはずである。

     オオガラスハゼ / Bryaninops amplus と、ガラスハゼ / Bryaninops yongei と、矢野図

  5. 時間帯…

    すいません。ちょっと言い方が大ざっぱだったようですね。
    産卵というと、例えば、日没直前直後あたりとか限られた短い時間帯というイメージがあって、それに対して、極端にピンポイントで狙う感じではないという意味でした。

    残念ながら、井田では早朝&夕方はダイビングできないので確認できません。
    ですんで、僕が観察しているのは、比較的明るい時間帯です。

    ヤギ…

    “大きく太いリュウキュウミゾヤギ”は目にしないです。
    産卵を確認しているのは、ムチカラマツ・ムチヤギ・エダムチヤギが主で、他のヤギの仲間でも見られることがあります。ヤギの仲間の名前はチョット把握できてません…(苦笑)。
    ちなみに、大きく太いのはエダムチヤギぐらいで、あとはあまり大きく太くないです。

    あと、産卵の仕方がまばらかどうかは、観察例が少なすぎて、まだ判断を下せてません。
    産卵途上だとまばらでしょうし、食われてしまうケースもあるでしょうから…。

    ただ、イメージとしては、表面がイボイボしているようなヤギで見る場合に、まばらなケースがあるように感じてます。

    卵の大きさ…

    かなりハードルが高いのですが、頑張って見てみます。最近遠視が入ってきたようで…(苦笑)。

    同定…

    厳密な同定となると、やはり尻込みしてしまいます…。
    僕の場合は、あくまでも暫定的な仕分けです…(笑)。

    気になった点…

    卵の産み方(パッチの作り方)なんですが、僕がこちらで見ている感じでは、どの種もけっこうランダムに産んでいるように見えます。

    たとえば、フレッシュな卵が上の方と下の方にあって、その真ん中にすでに目玉が現れている卵があったり…という感じです。

    こちらのガラスハゼ属の一種 -1と思われる特徴が見られるヤツに関しては、上から下へという法則は無いようです。
    ご参考までに…。


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