ヤクシマカワゴロモの結実した果実

【ポイント】 川(No.3)
【水温】 14.0℃(上流)、16.0℃(下流)
【透明度】 -m
風が南に変わり、すっかり暖かくなった。
天気も夏のようによく晴れ、気持ちのいい1日だった。
このまま完全な春になってくれないかな。。。


昨日の夕方、「屋久島まるごと保全協会」のTさんが来て、ヤクシマカワゴロモの結実した果実の写真は持っていないか?との事。
ヤクシマカワゴロモの果実は昔、地元タウン誌に載ったイラストしか手掛かりがなく、もちろん水中写真などないため、どんなものなのか分からないのだそうな。。。
ヤクシマカワゴロモは、今年の初めに開花した花を撮りに行って以来、まったく観察していない。。。(^^;)
さすがにもう果実結実の時期は終わり、ほとんどの株が葉状根だけになってしまったという。
すっかりその後の水中観察を忘れていたのだが、今日は久しぶりに行ってみることにした。
最初は上流を見たのだが、手塚さんが言うとおり、ほとんどの株はツルツル状態で、葉状根のみが岩にへばりついているだけの状態。。。
うわぁ。。。1-2月にしっかり観察&撮影しておけば。。。!!(-_-;)
ketujitu.jpg半分、諦めモードで下流も見てみたのだが、なんと!こちらで果実が見つかった~!!!ヾ(〃^∇^)ノわぁい♪
最初はレンズを通して見ても、今年初めに見た花の蕾との違いがまったく分からなかったのだが、途中でフラフラと川の流れで揺れている赤い固まり(5mm以下)に気づいた。
これだ!!と思って本格撮影前に周りを掃除していたらポロリ。。。スグに取れてしまって流された。。。唖然
花の蕾はどんなにいじってもポロリとはいかないので、これは絶対に種子だと思い、さらに探すと結構そこらじゅうに果実が見つかった。
そう、目が慣れるとガンガン見つかったのだ。

ketujitu3.jpgketujitu4.jpg
これは花の蕾以上にかなり小さいので、さすがに陸上に上げてしまうと全然分からない。
つまり、水中じゃないと見つけるのは困難なのだった。

ketujitu2.jpg昔の文献には「種子を放出した果実を見かけることがないので成熟した果実は岩から離れ流水と共に岩に打たれ壊れて種子散布されると思われる」とあるが、種子を放出済みの果実も結構見られた。
さて、ここから種子が散布されるわけだが、ここからが現在、ナゾとされている。
散布された種子はどう考えても、この激流に流されて下流に下る。
実際、今日も僕の不手際で流された果実はあっという間に流された。

mushi1.jpgmushi2.jpgしかし、どういうわけか、必ずまた同じ上流で成育し、花を咲かせるのだ。
これにはいろいろな説がある。
アユや鳥が食べて糞の形で上流まで持ってくるとか、カワゴロモを観察していると必ず葉状根の上にいる川虫(カゲロウやカワゲラ、トビゲラの類)も怪しい。。。
バクバクこのヤクシマカワゴロモを食っている臭いのだ。
果実も食べているかもしれない。
彼らがやはり糞の形で媒介していることも考えられる。
その生活史がまったく分かっていないヤクシマカワゴロモ。
次の目標は川虫の類が果実を食っている証拠を押えること。
でもちょっと時期を逃したかもしれない。。。
もう果実はかなり少ない。
川虫は沢山いたけど。。。


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