【ポイント】 吉田
【水温】 21.3℃
【透明度】 30m~
気持ちのいい快晴!
今日は1日中、ポカポカ陽気で暖かく、明るい♪
海もベタ凪ぎでまさにダイビング日和だ!
透明度はかなり回復して、エントリー直後、ワイドレンズを着けてこなかった事を後悔したほど。。。
今日は久しぶりの吉田にエントリー。
いつぶりかな~?と思って調べてみると、昨年の7月30日以来だから約半年ぶり!!
ナゼに吉田かと言うと。。。
その前にまずは昨日の続きから。
昨日は-20m付近のハタゴイソギンチャクに相変わらず長く張り付いていたため、またも浅場(湾内)のナガレハナサンゴをゆっくり観察できなかった。
それでも何枚か撮ったのがこれ。。。
一湊タンク下にいくつかあるナガレハナサンゴのうち、毎回確実にネタとして使っているのが2ヶ所。
この両方のナガレハナサンゴをざっと見たところ、この種類しかいないような感じだった。
ただ、数は多く、1つのナガレハナサンゴに30匹ぐらいが着いている。
図鑑やwebで調べてみると、やはりこの子たちはニセアカホシカクレエビかなぁ。。。?う~ん。。。(-_-;)
ニセアカホシカクレエビと近似とされるナデシコカクレエビとの違いがイマイチ分からないので、何とも言えないけど。。。
一昨日に「-20m付近のハタゴイソギンチャク」で見た”ニセアカホシ?ナデシコ?な子(左下写真)”と同じくらいのサイズの子を比較のために撮ってみたのが右下の写真。
見たところ、あまり違いが感じられない。。。
つーか、名前は分からないけど、ひとまず同じ種類だと思うのだが。。。
そんな感じでまずはよく見れば明らかに別種だと分かる他の種類を実際に見てみないと識別も困難だと思ったので、今日はナガレハナサンゴがいくつかある「吉田」に行ってみたのだった。(前置きが長くて( TДT)ゴメンヨー)
でも、こちらも「一湊タンク下」で見た連中とまったく変わらない子ばかり。
アカホシカクレエビだと思われる子をA、ナガレハナサンゴに着いている子をBとすると、ここまでの観察で僕なりに把握したのは屋久島では主にこの2種類が生息していて、Bが圧倒的に多く、たまにAが見られる。。。という生息状況だ。
あとはBに似たCという種類を把握して、この2種(ニセアカホシカクレエビ&ナデシコカクレエビ)を完全に識別できるようにしたいんだけど。。。
今日、吉田で覗いたナガレハナサンゴには1匹だけ極小のA(アカホシカクレエビだと思われる子)が着いていた。
大きさは5-8mmぐらい。(笑)
この大きさでも目と目の間にはしっかり白線が入っているは肉眼でもよく分かる。
例によってこいつも背中の斑紋部分のみ拡大してみると。。。
さすがにこのサイズだと一見オレンジ色にも見えるが、ここから色が濃くなっていくと簡単に紫色になるような気もする。(笑)
でも、Aの子である事はスグに分かった。
これから成長するに従って、どんな斑紋になっていくのだろうか。。。?
この極小チビを見て、またひとつ分かったことがある。
Aの成長過程による変化は、背中の斑紋の模様ではなく、お腹の白線や赤線である程度把握できるのではないだろうか?
上の写真を見れば分かるように、この白や赤の線は幼体時が最も濃く、ハッキリしているのだ。
で、次第に細くなっていき、成熟した個体(多分、斑紋がオレンジ色の子)は途切れ途切れになるようだ。
つまり、Aについて背中の斑紋がオレンジの子と紫の子が同じ種類だという僕の仮定は、同じ5-8mmぐらいの幼体で、お腹の白や赤の線が途切れ途切れの子が見つかったら一気に覆されてしまう事になる。。。(笑)
その仮説に基づいての観察にはとても興味があります。こちらでは恐らくあまり見ることが出来ないので、しげるくんに委ねます。(笑)
上の4点はいずれもニセアカホシですね。アカホシカクレエビの仲間は、成熟した雌だと体側面の白い斑紋が大きくなり、その数も多くなります。ネットで出回っているニセアカホシの写真は大型雌が多い(撮影しやすいため?)ようですので、今回の個体(雄か、未成熟の雌)は別種のような印象を受けるかも知れません。
ナデシコとの違いですが、ここさえ見ればOKという斑紋パターンはありません。私がナデシコの原記載でニセアカホシとの色彩上での違いとして指摘したのは、その色です。体上の白い点を囲むようについている点とハサミ脚のバンドに見られる色ですが、ナデシコでは赤紫なのに対し、ニセアカホシでは藍色です。これら2種は標本にすると複数の識別形質が見られ、別種であることは明らかなのですが、赤が吸収される水中ではナデシコの点も黒っぽく見えて識別が難しいかも知れません。
アカホシと「ニセナデシコ」の斑紋パターンの相違の要因ですが、雌雄、老幼の違いではないと考えます。何故か、千葉や伊豆などの温帯域には「ニセナデシコ」パターンが出現せず、かなり小型の個体から卵を抱えた雌まで、典型的なアカホシの色彩(第3腹節背面の斑紋の前半地色がオレンジでその上に赤い小点)が確認されています。八丈でもこちらのパターン以外は見つけていませんでした。ですので、個体差の要因は他にあるのではないかと思っています。
> オケモリさん
それと、前に「ニセナデシコ」の特徴として「腹肢側に明瞭な白色線がある」という事を教えて頂きましたが、これはどんなに成熟していても、逆にどんなに小さくても、明瞭な白色線なのでしょうか?
例外はいないですか?
ケラマや伊豆で見られる幼体の写真も見てみたいです♪
> こちらでは恐らくあまり見ることが出来ないので、
いや、実は屋久島もA(斑紋がオレンジ色・紫色問わず)は、それほど多くないんですよ。。。(笑)
今、他の個体群を必死で探しています。(爆)
> ブタペン吟さん
ありがとうございます!
ナデシコとニセアカホシの違い、何となく分かったような気がします。
ナデシコの方が全体的な印象として明るい色合いのようですね。。。(赤っぽい?)
オケモリさんがアカホシの斑紋紫バージョンを「ニセナデシコ」と呼んでいる事からも、ナデシコはアカホシのように派手なイメージのエビだと想像されます。
屋久島のニセアカホシ(?)は透明感が強く、かなり地味なエビなので。。。
まずはナデシコの実物を探して、現場で見てみたいです。
> 温帯域には「ニセナデシコ」パターンが出現せず、
そうでしたか!
これは聞こうと思っていました。
で、沖縄に行くと「ニセナデシコ」が優占し、その中間の屋久島では半々で生息する。。。う~ん。。。(-_-;)
> 個体差の要因は他にあるのではないかと思っています。
そうですか。。。
いずれにしても、同種!とひとつの考えに縛られちゃうと真実が見え難くなってしまうので、多方面から仮説を立てて調べてみようと思います。
魚の世界では、屋久島のような温帯と亜熱帯の境界的な地域はハイブリッドがうまれやすいと聞いております。
このアカホシでもまさに同じような事が起こるとすると、例の中間的な斑紋(オレンジ+紫)の子はハイブリッドの可能性もありますね。。。
(つまり、この2パターンは別種で、これ以上観察していても斑紋の色彩(オレンジ+紫)に大きな変化はない)
この中間的な斑紋の子は、もう少し定点観察してみま~す♪
ますます混乱してきます。。。
ケラマ海域では、アカホシと「ニセナデシコ」は混在しています。しかし、ナデシコとニセナデシコの混在は未確認です。これが混乱原因のひとつです。(識別出来ない?)
観察過程でアカホシ同居のニセナデシコ抱卵個体を見たことで別種と考えました。
ナデシコとニセアカホシとの違いはブタペン吟さんのおっしゃる通りだと思います。
で、やっぱり問題はアカホシと「ニセナデシコ」となりそうですね。
しげるくんの撮影した中間種(斑紋の1部変色)の定点観察の結果が楽しみになってきました。
こちらでも積極的に探してみます。
*ニセナデシコのあまりおおきな♀の抱卵を最近見ていないのでこちらも探してみます。
> しかし、ナデシコとニセナデシコの混在は未確認です。
> これが混乱原因のひとつです。(識別出来ない?)
では、もしかしたら非常に似ている可能性もあるわけですね!
参考になります♪
う~ん。。。何とかナデシコを見つけて認識しておきたいです。
また何か分かったら教えてください。
こちらも新発見はLOGの方にアップしますね!