「収穫なし」は収穫あり?

【ポイント】 一湊タンク下
【水温】 21.8℃
【透明度】 ~25m
今日も水温は22℃で安定している。
でも、冬の初めに新調した6半はもうかなりヘタってきていて、ダイビングの後半は何か寒い。。。(-_-;)
ヘタリが計画よりも早いような気がする。。。ヤバイ。。。
冬にフカフカ6半、夏はヘタった6半を。。。となるべきなのだが、すでにもうフカフカとは程遠い状態。
もう新調したくなってしまった。。。
つーか、このままだと夏には2-3mmになっちゃうんじゃねーの??(笑)


ヤドカリ生活8日目。
今日は沖には出ずに、先日探索した-18mの大きな岩穴の暗がり周辺の一コ上の棚を見てみる事にした。
水深は-15mで同じように岩穴の暗がりがあり、その中とその周辺を中心に見て、90分くらいその岩に張り付いた。
この場所でのゼブラ系の最優占種把握が主な目的なのだが、これについては何となく分った気がする。。。
ずばり、ケフサゼブラヤドカリで決まりだ。
というか、今日はこいつしか見かけなかった。。。
「あっ!ゼブラ系!」と見つける度に必ずこいつだったりする。
岩の外にはアカツメサンゴヤドカリがいっぱい!
最初は丁寧に記録代わりに1枚は必ず撮ってカウントしていたが、そのうちにこれも止めた。
多過ぎ。。。
今日は8日目にしてとうとう初見のヤドカリにはまったく出会わない日となった。
でもこれは僕にとっては「収穫なし」というワケではない。
ただ単に珍しい種類を探しているわけではないので、これはこれでよし!なのだ。
日に日に屋久島のヤドカリを把握しつつある事は間違いないので。。。
今日の内訳は次の通り。
・ キカザリサンゴヤドカリ 1匹
・ アカツメサンゴヤドカリ 10匹以上(カウント放棄!(笑))
・ カザリサンゴヤドカリ 5匹
・ ウスイロサンゴヤドカリ  1匹
・ オイランヤドカリ(赤バージョン) 2匹
・ ケフサゼブラヤドカリ 4匹
・ アミメオニヤドカリ 1匹
いつも安全停止がてら帰りに浅場の調査もしようと思っているのだが、これがなかなかできない。。。
なぜなら毎回、浅場に帰ってくるとエアーがスカスカなので。。。(笑)
写真は浅場に帰ってきてからよく見かけるベニワモンヤドカリ。
よくイモガイの中に入っている普通種なのだが、結構綺麗だよね。。。こいつも。。。
こいつがなかなかシャイなヤドカリで一旦引っ込むとなかなか出てこない。
しかも、いつもエアがスカスカ状態の浅場で見かけるので、ちょっと待って結局あきらめてエクジットする事が多い。
今日もエアがすでにスカスカ状態で何とか撮った1枚がこれ。。。(笑)

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崩れつつあるオオハナガタサンゴを堰き止める目的で土嚢の袋が置かれている。
この土嚢は海が時化るごとに朽ちてきていて、今では穴が開いて砂が出てきてしまったり、袋の繊維が解けて周囲に散らばっていたりしている。
こうして散らばった砂や繊維が逆に周囲のサンゴを死滅させ始めている。
この繊維がサンゴに絡まっていたりするのは気づいていたが、先日、同業者の女の子に「土嚢の繊維をサンゴが咥え込んでいましたよぉ~!」と言うので、今日の帰りによ~く見てみた。。。

おぉ~確かに咥えてる。。。!
何かすごいんですけど。。。(-_-;)
これをこのまま食べてしまうとは思えないのだが、ひとまずエサだと思って食いついている様子。。。
僕の見た場所では1本の繊維の片方を別のサンゴが、もう片側を別のサンゴが咥え、綱引きしてた。
これって放置しておけば、そのうちに「げっ!これエサじゃねー!!」って吐き出すのかな?
土嚢の屑がゴミ化してサンゴを痛めているのは大問題だが、これはこれで面白い!
サンゴもやっぱり動物なんだな~とあらためて関心してしまった。。。

この繊維を引っ張ってみた。
スルスルとスグに抜けるのだが、驚いた事に結構の長さがサンゴの中に入っていた。
20cnぐらいはサンゴの中に入っていた様子。
サンゴはサンゴで頑張っているのか、何かヒダヒダみたいなものが繊維に絡み付いてきて気持ち悪い。。。
下左の写真(引っ張る前)と右の写真(引っ張っている最中)を見比べて欲しい。
ゆっくり引っ張ると、咥え口が軟体動物のように変化していくのが分るでしょ?
そして徐々に硬くなっていく。。。
通常、サンゴというと石のように硬くて、これが動物である事を忘れてしまうが、こうしたシーンを見てしまうと動物である事を実感せずにはいられない。
何か凄いものを見ちゃった。。。


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サンゴを守るためにどうにかせねば!という気持ちは大切だし、そのために行動を起こすことは素晴らしい事なのだが、自然環境の悪化に対し人工的な細工や処方を施したりする場合は”かなり”慎重にならねばならないと僕は考える。
最低でもそのフィールドのサンゴと、それだけじゃなく、その周辺で生きる生き物の事を普段からよく勉強&観察していて(もちろん書籍や学者さんの言葉からではなく現場で「真実」をね。。。(笑))知っていなければならないし、毎日経過をモニターできる状況に身を置く必要があると思う。
最近、普段はあまりフィールドには出ず、何も自然や生き物のことを知らない&興味がない人間が、「環境~」という美しい言葉だけに感化されて行う環境保護&環境教育が増えてきている気がする。
これほど怖い環境破壊。。。じゃなかった!(笑)、環境保護はないかも。。。(-_-;)
良かれと思ってやった事で、森や海の生き物たちが悲鳴をあげていますけど。。。(笑)


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5 Comments

  1. 私は『環境教育』という言葉が嫌いです。(さらにエコツアーのエコという言葉も嫌いです)しかし、我々の仕事にはその『教育』という要素は不可欠だと考えます。大事なのはうわっ面だけの『定義』や『名前』ではなくその『中身』なのだと思います。これからも様々なブームが起こるのでしょうが、どうぞあたたかい目でその『中身』を一緒に見極めていきませんか?その結果これはマズイでしょ・・という人にはなぜマズイのか伝える為にやっぱり『教育』は必要だと思います。初めてマジメなコメントをしてみました(笑)

  2. > 初めてマジメなコメントをしてみました(笑)
    でもハンドルネームがふざけてます。。。(*^^)
    > 我々の仕事にはその『教育』という要素は不可欠だと考えます。
    僕もそう思っていますよ。
    でもね。。。商売でやっている以上、それ(教育)は押し付けになる可能性をおおいに秘めているかと思います。
    最低でもまずはゲストのリクエストに応じた上での事、ゲストの欲求を満たし興味を持ってもらう事ができた上での事だと考えています。
    「教育」を前面に出してしまったら、また「主張」があからさまに表に出てしまっていたら、ゲストの多くはひいてしまうと思います。
    だから基本的に僕は自分自身で発見した海の中での事実を”淡々と”紹介し、生き物の生態行動を言葉ではなく、実際に海の中で見せる事のできるガイドを目指したいと思っています。(これが難しいのですが。。。(笑))
    そこから何を感じてもらえるかは分りません。。。
    でも、海の生き物たちの生態行動は、純粋にそれだけで何かを訴える力を持っていると信じています。(*^^*)

  3. 熱い返信ありがとうございます。
    どのような生き物を見たいかというリクエストは大事だと思います。
    けれど、私は今、そのお客様が目の前で興味を持った事象を大事にしたい。
    そこから初めて私のインタープリテーション(ガイド)は始まるのです。
    私はそれでお金をもらっているプロのインタープリターです。
    ですからお客様に満足してもらわなければ
    お金をもらうことはできません。
    わたくしごとになりますが、
    私の目指すツアーは常に変化し続ける『日替わり舞台劇』です。
    しかし目の前で起こっている劇の登場人物たちは『人間語』がしゃべれません。
    だから私がその言葉を訳してお客様に伝える。
    その『言葉』はボケとつっこみが必須。(笑)
    でも、その言葉の裏には『伝えたいこと』がなければ意味がない。
    さらにその『伝え方』はエンターティメントに溢れていて、
    かつ、1way(一方通行)ではなく、
    2wayでもなく、
    目指すは3way!
    そうして屋久島を去った後、そのお客様は楽しかった海の思い出とともに
    忘れていたかもしれない自身の『自然観』を取り戻せたら・・
    それが結果的に『教育につながる』と、私は考えます。
    ちなみに蛸壺のヒョウモンダコは昨日の漂着物学会のMLで流れていた情報にのってみたのですが。(笑)
    コメント欄にあわない長文にて失礼いたしました。(謝)

  4. 『リクエスト』について言い足りないのでぜひ追記させて下さい(笑)
    どのような生き物を見たいかというリクエストは大事だと思います。
    そこから話が広げられれば素晴らしいと思います。
    けれど、その事前リクエストの生き物が見れた見れないで終わることは勿体無いと思うのです。
    それに、屋久島にもその生き物がいたとしても
    いつもいるとは限りませんよね?
    そこで、なぜいないのかをインプリできたら素晴らしいと思いますが。
    だからこそ、むしろ私は今、屋久島の水中で、
    お客様が目の前で興味を持った事象を大事にしたい。
    そこから初めて私のインタープリテーション(ガイド)は始まるのです・・・
    他地域と比較した上での『じゃあ屋久島の海ってどんな海?』
    私はそこを紹介したい。
    『他ではなく、もう一度屋久島の海をあなたと一緒に覗いてみたい』そう言わしめるガイドを目指しています。ヘビ年なのでしつこくてスミマセン(笑)

  5. 2時とか3時って。。。お互い、凄い時間帯の書き込みですねぇ~(笑)
    2人とも自然をガイドしている仕事の人だとは誰も思うまい。。。(-_-;)
    自然ガイドに対する熱い思い、十分に伝わりましたよー!ヾ(〃^∇^)ノ
    結局、「海の中で実際に起こっている出来事」を解説するという意味で同じ思いをもっているのではないでしょうか?
    屋久島の海をフィールドとするガイド(インタープリター)同士、お互いに頑張ろうね~ヾ(〃^∇^)ノ


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