タテヤマベラか???

【ポイント】 お宮前Part2/一湊タンク下
【水温】 28.5℃
【透明度】 ~20m
今日も雷が鳴る。。。怖いよ~!!
いつ来ても太陽キラキラの海を味わえないTさん。。。今回も例外なくどんよりと曇った空の下でダイビング♪(笑)
でも、2日間、凪ぎの海で良かったね~!


デジ一眼の練習はこれぐらいにしてもらって、スズメダイ好きのTさんに見せたい魚が2種。。。
「お宮前Part2」のコガネスズメダイ近似種2(?)と「ゼロ戦パッチ」のオキスズメダイ。
まずはお宮前を15-20分ほど沖へ出る。
ここまで泳ぐと、もう「お宮前」とは別ポイントだ。。。(笑)
そこは「お宮前Part2」と呼んでいるスミレナガハナダイがわんさか群れる場所。
オスだけで20匹はいる。
ここには他にも腹ビレの白いコガネスズメダイの近似種
が大きな群がりをつくっているのだが、これに1匹、変なコガネスズメダイが混じっている。(左写真)
腹ビレは黄色く、背ビレが2色に綺麗に分かれている。
これは一説によるとフィリピン方面で多く見られる、もう1種のコガネスズメダイの近似種らしいとの事だが、まだ詳細は調べていない。
要はコガネスズメダイは3種に分かれ、それぞれがこれまで同一種として扱われていたらしいのだが。。。
いずれにしても、見つけた頃よりもかなり大きくなった。
その後、隣の根でこの種類の幼魚を見つけたが、まだ写真は撮っていない。
確かに他の2種とは幼魚段階でもかなり違いを感じるのだが、今のところ何とも言えない。。。
———————–
マルスズメダイは屋久島ではごくごく普通に見られるスズメダイで、潮通しのよいオーバーハングしたような場所では大きな群れが中層いっぱいに広がっているのが見られる。
ところで、このスズメダイの求愛時のオスの体色(婚姻色)をご存知だろうか?
普段は薄い黄土色の体色なのだが、求愛時(興奮時?)は頭部のみ真っ黒となる。
すぐに薄らいでしまうので撮影するにはかなり根気が必要だが、注意して見ていると結構そのような子はよく見かける。
初めて見た時はさすがに僕も( ̄□ ̄;)ギョッとしたが、通常体色にスグに戻るので納得。。。
今日も初めて見たというゲストはかなり驚いていた。


左がその婚姻色なのだが、かなり薄らいでしまった。。。
その後はあまり黒くならず、求愛も止めてしまった。
最も興奮した時は完全に頭部はすべて真っ黒になる。
近々、写真を公開しますね~!
右側の写真は同一個体の通常時の体色。
———————–
2本目は「ゼロ戦パッチ」にいるオキスズメダイを見てもらうことにした。
一気にゼロ戦に向かう。
ゼロ戦の上空にさしかかるとすでに先着ダイバーが2名。。。
でもここは素通りするもんね~♪
上層でこのダイバーたちが吐き出すバブルリングを割りながら(笑)、ちょっとだけ更に先へ。
こいつも発見時(→屋久島海案内: まずいよなぁ~)よりもやや大きくなってしまった。
このオキスズメダイは普段泳ぎまわっている時は美しい薄いブルーが印象的なのだが、どうやら着底時は黒っぽくなるようだ。。。
(下左写真が遊泳時、右写真が砂底に降りて流木の下に潜りこんだ時)


セブ島リロアンのTropical Paradiseさんのサイトに載っていたオキスズメダイ(→「オキスズメダイ」改め・・・(Tropical Paradise))を見るとオスもメスも真っ黒!
しかも、屋久島で見る子には綺麗な縦縞が入っているのに、その写真の子たちにはそんな縞は見られない。。。
う~ん。。。と考え込んでしまったが、納得♪納得♪
着底するとどんどん黒くなり、終いには縞も薄らいできた。。。
———————–
このオキスズメダイの着く流木には他にも屋久島では珍しい魚がいろいろと見られる。
今日も初記録が2種。。。
まずはシマヒメヤマノカミ!!
伊豆なんかでも見られるもろに温帯の魚なのだが、同じ流木には沖縄なんかでも珍しいほど南の魚・オキスズメダイや近くのパッチにはケラマハナダイやフタイロハナゴイの成魚群れが見られる事を考えると、ほんと屋久島って変な島だ。。。(焦)
———————–
更にもっと驚いたのが。。。
僕が魚に興味を持ち始めた頃、「この魚が見たいな~!」とか思いながら暇さえあれば図鑑(ヤマケイ・日本の海水魚)を眺めていた時があった。
当時は特にベラ類が好きだったので、どのベラが何ページのどの箇所に載っているかを暗記してしまうほどだった。(笑)
そんなベラ類の中で気になって気になってしかたのないやつがいた!
「お前は何者???」
華やかなイトヒキベラ類が載っているページの片隅に、な~んの特徴もない1枚の地味ぃ~なお魚の写真。。。
しかも派手派手なピンクフラッシャー・婚姻色の真横に載っているものだから、一際目立たない存在に。。。(汗)
ボヤ~とした写真が更に目立たない幽霊のような不気味さを漂わせる。(笑)
そんなんだから、逆に僕の興味をくすぐった!
その名もタテヤマベラ。。。誰ソレ???(爆)
もう名前からしてマイナー度がメチャ高い気がして、僕のマニア心を刺激した。(笑)
そいつがいた~!!!
しかも、沢山いるんですけど。。。(汗)
思った通り地味だ。。。って言うか何の特徴もない。。。期待通りだった。。。(笑)


行動から察するには、左がオスで右がメスか??
求愛らしき行動も観察できた。
図鑑では華やかなイトヒキベラ属の隣に載っていたけど、行動や容姿、存在、印象とすべてはテンスの仲間としか思えないんですけど。。。(汗)
付近はヒラベラ、ハゲヒラベラ、ホシテンス、クロテンス(=ホシテンス?)、テンスモドキ、ホンテンスモドキ属の一種などがごちゃ混ぜに見られる「大テンス天国」!
(一度、こいつらだけを狙ってゼロ戦パッチに行きたいぐらい♪)
タテヤマベラくん!君もどうせ「大テンス天国」の一員なんだろ。。。?
背伸びしてイトヒキベラ属に近いフリしちゃって~
もう、テンスにしか見えないって!(笑)
ところで、このタテヤマベラ、ちょっと気になるのが分布の広さだ。
伊豆や四国なんかでも見られるらしいが、石垣や西表なんかでも割と多く見られるらしい。。。
これらは皆、同じ種類なのだろうか。。。?
う~ん。。。何か怪しい。。。
つーか、屋久島のこの子。。。本当にタテヤマベラなのだろうか。。。?
———————–
帰りにいろいろなサンゴを覗いてコバンハゼの仲間を見て周った。
そしたら、こんなのもいたよ♪


左写真
西表や石垣で記録のある「コバンハゼ属の一種2」(「日本のハゼ」より)
割と個体数はいるかも。。。
右写真
カサイダルマハゼ(yg)だと思うけど。。。


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10 Comments

  1.  タテヤマベラでいいんじゃないでしょうか?
    カサイダルマハゼ(yg)みたいですね。

  2. 宮本さん、お久し振りですね~
    タテヤマベラって分布が広過ぎる気がしませんか?
    北は館山から南は西表まで。。。すべてが同じ種類なんでしょうかね~?
    伊豆なんかで見られる子が幼魚なら、死滅回遊魚として納得するのですが、 成魚でしょ?!
    何か驚きです!

  3.  あとシマヒメヤマノカミって思いっきり熱帯の海でもよく見る気がするんですけど・・・。

  4. へ~そうなんですか。。。
    ”よく”見るんですか?
    それならこいつこそ、分布がよく分からない魚だ。。。(笑)
    伊豆で普通種。。。?
    屋久島や沖縄、八丈では珍しくて、 熱帯域では普通種??
    う~悩んでしまう。。。

  5.   バリでもパプアでも(泥)砂地でよく見た「つもり」です。
    昔のダイビングフォトグラフィーでコージさんがマブールでシマヒメのえっち写真も撮ってましたし。
    八丈で見られないのは「(泥)砂地」が鍵では?
    ところでアケボノの-35mというのは柏島と同じくらいですね。十分「ウリ」になると思います。
    スジクロとかも周りにいませんか?
    ピンクダートとかいれば最高ですね。
    オシャレハナダイも探してみましょう
    ところで「豪海倶楽部」はクビ(笑)?

  6. > 八丈で見られないのは「(泥)砂地」が鍵では?
    う~ん。。。
    魚はその土地に合わせて環境を変える種類が多いです。
    伊豆ではどんなところで見られるのでしょうかね。。。?
    > ところでアケボノの-35mというのは柏島と同じくらいですね。十分「ウリ」になると思います。
    屋久島では-30m付近で団地状態ですよ。。。(笑)
    勝った~♪
    > スジクロとかも周りにいませんか?
    > ピンクダートとかいれば最高ですね。
    > オシャレハナダイも探してみましょう
    既成の人気種オンパレードですね~(笑)
    できれば、「屋久島発」の人気種を見出したいものです。
    頑張りま~す!
    スジクロは隣のポイント「横瀬」でウジャウジャ見られますよ。
    ピンクダート(一種1もしくは一種2)&オシャレハナダイはただ今捜索中です。
    もうちょっと待ってくださいね。
    しかし、深い子ばかりですね~体に悪そうだ。。。(笑)
    だからベテランダイバーの受けが悪いのでしょうか?(爆)
    > ところで「豪海倶楽部」はクビ(笑)?
    うっ。。。
    早く書かねば。。。(焦)

  7. 今晩は。分布に関しては、「たまたま無効分散の幼魚が成魚(若魚)に
    なった」「たまたま成魚(若魚)が流れてきた」ということが十分に
    考えられると思います。
    また、環境の問題も大きいのでは無いでしょうか~ 流れがない場所の
    魚を八丈で見つけるのは、普通のポイントでは難しく、神湊に行かない
    といけない、というような感じで。

  8. あっ。。。
    タテヤマベラは、伊豆では常に見られるわけではないのかな。。。?
    > また、環境の問題も大きいのでは無いでしょうか~
    かも知れませんね。。。
    水温、環境、黒潮etc..
    .様々な要素が複雑に絡み合って分布が決まるんだろうけど、その微妙な組み合せの違いで生息する魚が変わってくる。。。
    いや~「分布」って面白いですね!
    一方で、温帯と亜熱帯とで完全に生息し分けている魚もいるし。。。(汗)

  9. 今晩は。
     図鑑では「分布=採集地」ですね。一度しか出て無くても採集されれば分布していることになりますし、いつもいても採集されてなければ分布していることになりません。ダイバーの感覚と合わない点が多々あるのは仕方ないことだと思います。
     分布は、生態、分類と同じく、大変興味深い事柄ですね!屋久島でも、もっと色々な発見があると思います。楽しみにしています!!(自分で見つけられれば、もっと楽しいんだけど)

  10. > 一度しか出て無くても採集されれば分布していることになりますし
    う~ん。。。この辺に疑問を感じます。
    それじゃー単なる”出物”じゃん!!(爆)と。。。
    「分布」というからには、しっかりした個体群と繁殖が確認されている事を条件にしてもらいたいですね。。。(笑)
    > (自分で見つけられれば、もっと楽しいんだけど)
    今の屋久島にはその楽しみを誰もが味わう事ができる環境がありますよ~!!
    どれもが新発見になるかと思います。


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