【ポイント】 吉田/吉田/一湊タンク下
【水温】 26.6℃
【透明度】 20m~
今日の北部はどこもベタ凪ぎっ!
コブシメの産卵最盛期が終わってからあまり入る事のなかった「吉田」に、今日は2本も入ってしまった。。。
もちろん、ゲスト・リクエスト。
長期滞在中のゲストは一番のお気に入りとして「吉田」をあげた。
どうもこの「吉田」は上級者には人気がある傾向がある。。。
中級者のウケはイマイチだが。。。(笑)
1本目の「吉田」では昨日のコブシメ観察の続き。。。
でも、イマイチの集まり具合だったので、ある1ペアを延々と追ってみた。
いや~かなり凄い広い範囲を動いているのね。。。(汗)
完全に未知の領域に突入し始めたし。。。(大汗)
でも、発見もあった。
コブシメが産卵するいつものウスサザナミサンゴとほぼ同規模のウスサザナミサンゴ群落を見つけた。
中を覗いてみると、同じように白いコブシメの卵が沢山見られた。
こちらでも産卵しているようだ。
こちらの方がやや浅いが、再度この場所に行くのはちょっとした勇気が。。。(笑)
今度、プライベートでこの辺一帯を調査してみようと思う。
帰る直前にやや集まりだした感あり。。。
2本目に期待。
帰りにいつもはあまり行くことのない浅場を通っていくと、ミヤコキセンスズメダイの幼魚が沢山いた。
さらにここはイワサキスズメダイが至るところに見られた。
1年前はイワサキスズメダイは屋久島では数が少ないとばかり思っていたけど、そっか。。。こんなところに沢山いたんだ。。。
更に今日はミヤコキセンスズメダイのオスの婚姻色&求愛&巣穴への呼び込みを初めて見かけた。
婚姻色はクロメガネスズメダイとよく似ていて、背中に鞍状の縞が入る。
元々、警戒心の強い種類なので、すぐに色褪せてしまうので、撮影は厳しいかも。
浅いのでウネリもあるし。。。
どうりでこれまでミヤコキセンスズメダイの婚姻色写真を見た事がないわけだ!(笑)
よ~し!婚姻色写真第1号を撮ってやる~!!
地味だけどね。。。(笑)
2本目からは当店初の島民ゲストK氏が加わる。
K氏はこれまで屋久島で80本ぐらいは潜っているようだが、今までのダイビングとはまったく違う視点&スタイルで屋久島の海を紹介したいと思った。
。。。って言っても、いつも通りの僕のガイドスタイルで潜るだけだけど。。。(笑)
やっぱりコブシメは集結しつつあった。
30分くらい皆で観察したあと、元々コブシメ狙いの変態デバガメご夫婦(笑)を置き去りにして、K氏とキンギョの根へ。
ヒレグロコショウダイ(下左写真)やイロブダイ、ヨコシマクロダイ(下右写真)、バラフエダイ、ヒレナガスズメダイなどの幼魚などを見ながら、元のコブシメのいるウスサザナミサンゴに戻ってみると、依然としてデバガメご夫婦がコブシメを追っている。。。
もうかれこれ60分以上は経つのに、まだ粘っていた。。。(笑)
旦那さまI氏と目が会うと、ガッツポーズが返ってきた!
どうやら産卵が始まったようだ。。。
I氏の足元にはフィンが無い。。。
そう!I氏がフィンを脱ぐ時、それは面白くて夢中になっている時なのだ!!(笑)
写真は撮影に夢中になるI氏。。。
産卵中のコブシメはかなり寄れる。
K氏とそのまま、そのデバガメに加わった。
いや~確かにかなり面白かった!
数こそ6匹程度で実際に産卵しているのは1ペアのみだったが、ここまで人間臭さを感じさせる産卵も今まで無かったかもしれない。。。
左の写真を見て欲しい。
手前が産卵中のメスで奥がオスなのだが、この写真からは「産卵中のメスを温かく見守るオス」ってな感じがするでしょ?
ところがどっこい、実際にはこのオス、かなりの嫌~な感じのする男だった。。。(笑)
コブシメのメスは基本的に1回の産卵(卵の産み出し)ごとにサンゴを離れ、次の産卵の準備をして、またサンゴに近づくのだが、今日のオスはかなりせっかち野郎だった!
メスがサンゴを離れるとダッシュで着いてきて、メスに手足を絡ませたり、体当たりしながらサンゴの方に押し戻そうとしていた。。。
「早く!早く!次!次!」と次の産卵をできるだけ早くするように促しているようにも見えた。
マ、マジっすか。。。(汗)
ちょっと強引なのでは。。。
きっとメスも
「あ~あ~こんな男と行きずりのエッチなんてしなければ良かった。。。」
そう思っているに違いない!!(笑)
コブシメのオスは求愛中のメス側の体色と他のオスがいる側の体色(威嚇の体色)が左右で分かれる事が知られているが(右写真)、一見求愛の体色の方が平凡で地味に見える。。。
でも、よ~くライトを当てて見てみると、メス側の求愛の体色は金箔が散りばめられたような美しい色をしていた。。。
斑点なんかも蛍光ブルーが美しかった。
3本目はサンセット。
日没1時間前にエントリー。
魚の産卵を初めて見るというK氏のために、クライマックス狙いで昨日よりも気持ち遅めにエントリーする。
本当は産卵前のオスの求愛や雌雄の恋の駆け引きなんかを見るのも面白いのだが、今日は行ってスグに産卵を見られるような時間をチョイスする。
新たなデバガメ・ネタ(シテンヤッコの産卵)を追跡調査中の変態デバガメご夫婦を放牧して、K氏と一緒にまずはアカハラヤッコの根に取り付く。
狙い通り、1回目のアカハラヤッコの産卵はスグに行われたが、あとが続かない。。。
そうこうしているうちに同所でナメラヤッコの産卵が行われた。
しばらく粘ったが、アカハラヤッコの2回目以降の産卵は途中で諦めた。
なんか今日はこれ以上の変化は無さそうな。。。(焦)
次にスミツキベラの産卵場に急いだが、時すでに遅し。。。
オス&メスの姿はまったく見られなかった。
相変わらず、デバガメご夫婦はシテンヤッコに張り付いている。
でも、こちらも何となく期待できそうもない。。。
これは急いでエントリー口に戻ってヒメテグリの産卵を見るしかないっ!
そう思って深度を上げると、急ぎ足でどこかに向かうセソコテグリ(?)を発見!!
「これはもしや!!」
こいつに賭けた!
かなり速いスピードで移動するセソコテグリ(?)を追う。
しばらくすると立ち止まり、立派な第1背ビレを広げ始めた!
辺りを見回すと、「いたぁ~!!!」
そう、真横にメスの姿が!!
あれよあれよという間にランデブー(産卵上昇)しそうな勢い。
急いで帰りつつあったデバガメご夫婦もライトを勢いよく回し呼ぶ。
そしてたいした求愛もしないまますぐに上昇。。。そして放卵放精!!
お~!!
実は屋久島に来てから普段のダイビングでミヤケテグリやコウワンテグリ、セソコテグリなど大型のネズッポ類の姿をあまり見かけない。
もちろん、いないわけではないのだが、古巣の八丈島なんかと比べても少ない気がしていた。
まずまずの数が見られるとしたら、セソコテグリなのだが、これとて産卵ネタとして使うにはかなり苦労して調査する必要がありそうだ。。。と思っていた。
ところが突然チャンスが訪れた!!
更に凄い勢いで移動を続けるオスを追い続ける。
あまりの暗さで1回目のランデブーサイトの場所を正確に掴めないまま、次のランデブーサイトに向かうオスを追い続けた。
そしたら、メスが2-3匹集うランデブーサイトに辿りついた!!
場所もとっても分りやすい目標物がある場所だった。
やったー!!
ここでもロクな求愛をしないまま、あれよあれよという間にメスを従え上昇を始め、放卵放精!
これで、次回からはこのセソコテグリ(?)を産卵ネタに加える事ができる~!
リクエストお待ちしていま~す♪~(^O^)/
あとはシテンヤッコか。。。(汗)
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Iさん&Tさん!!
1週間の屋久島合宿、本当にお疲れ様でした!
また富戸を飛び出して、屋久島にお越しください!
新デバガメ・ネタを研究しつつお待ちしてしていま~す♪
屋久島紀行 – 7/14
1週間もあると思っていた屋久島の旅も、ダイビングはとうとうこの日が最後となってしまいました。いやぁ、楽しかったなぁ。何より、毎日好天に恵まれたのが幸運でした。明るい陽射しの下、富戸では考えられない青さの海を泳いでいるだけで幸せでした。