正しいタイヤキの食べ方

【ポイント】 お宮前
【水温】 24.6℃
【透明度】 ~10m
正しいタイヤキを食べるために泣く泣く「お宮前」の坂道を下る事にした。(笑)
いつでもボートでエントリーできる環境であれば、歩かなくてもいいのにぃ~!!
タンク下ではようやく透明度が良くなった~!!と喜んでいたが、「お宮前」はかなり透明度が悪い!
つーか、変なものがいっぱい浮いてるし。。。
今日はずっと-5m以浅で遊んでいたんだけど、この浅場には相変わらずキビナゴが凄くて、このキビナゴを狙って、こんな浅いところにまで巨大なシマアジやツムブリ、そして何とロウニンアジまで入り込んできた!
さすがにびびった!!(怖)


最近のダイバー(お客さん)は、かなりマニアックな方が多く、いつも仲良くして頂いている方々の間では、タイヤキの識別がブームだ。(って言うか、ごくごく一部の人たちの間で。。。なんだけど。。。(笑))
タイヤキというのは浅場に棲むクロソラスズメダイ属の魚で、何の変哲もない地味ぃ~な黒いお魚たちのこと。。。
セダカスズメダイなんかが有名だが、どうもこの仲間はあまりにも地味なため、これまで水中での識別のみならず、分類自体があまり進んでいなかった分野だったりする。
ぜ~んぶ、「セダカスズメダイ!」で片付けられていた可能性が大なのだ。
【注意】 
ここから先はとっても地味な、ハゼやウミウシなんかと比べても、もっともっとマニアックな話になるので、忙しい方は読まない方がいいです。。。(笑)

屋久島ではこの仲間が狭い範囲で数種類共存している可能性が強く、僕も過去にこのField Noteで何回か話題に上げた。
いろいろなポイントにいろいろなクロソラスズメダイ属の魚がいるんだけど、ひとまず一番観察しやすい「お宮前」の浅場に絞って調査中ってわけ。
初めてこの内容に触れる方は、こちらを先に読んでね♪

屋久島海案内: 第一回王者選手権
屋久島海案内: わ~い♪ベタ凪ぎ~!!
屋久島海案内: 晴れてたのに。。。
屋久島海案内: 魚の「名前」が先歩き

これらはすべて冬季に始めた調査なので、とりあえずは各幼魚の出現を待ってそこから成長過程を追ってやる~!!と思っていたのだが、とうとう幼魚が出てもおかしくないシーズンに入ってしまった。
期待して入った「お宮前」だったが、結論から言うと幼魚は一切見ることはなかった。
それ以上にあまりの透明度の悪さに撮影意欲さえも萎え気味。。。
しょうがなく、今一度「お宮前」の-5m以浅のクロソラスズメダイの仲間をすべて整理&再確認することにした。。。
ちなみに今日は今までで一番シャッターを切った。
3時間で4GBのメディアをすべて撮りきった!計409枚!!(笑)
でも、使える写真は100枚程度なのが悲しい。。。(爆)
「お宮前」では外見&色彩はもちろん、環境や行動、棲み分け状態から、クロソラスズメダイ属の魚を、A,B,C,D,Eと独自に分けている。
それらは別々の種類の魚というわけではなくて、現時点で違いを感じたものを単純に分けたに過ぎないので、真相は???(笑)
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[Aスズメダイ]
エントリー直後から-3m付近の超浅場ではびこっている種類を「Aスズメダイ」とした。
これがそれ。


Aスズメダイに限らず、この種類は環境によって、状況によって、体色をコロコロ変えるので、左のような明るい色の子もいれば、右のように暗っぽい子もいる。
もう産卵期にはいっているようで、数ヶ所で卵とそれを守るオスの姿を見かけた。
Aスズメダイは皆、簡単に卵の守りを放棄する種類のようで、近づくと卵をほったらかして逃げていく。。。(笑)
遠くから一応、心配そうな顔で見てるけど。
今日は初めてAスズメダイの興奮色だと思われる子を見かけた。
写真のように頭部付近のみ色が抜けたようになるのだ。
この色彩のまま他の子を追い立てる。
しばらくすると、普通の均一な色彩に戻るんだけど。。。
このAスズメダイは今のところ、セダカスズメダイだと思っているのだが、明確にそれを証明できずにいる。。。
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[Bスズメダイ]
エントリー口から数m進んだところから突然岩が立ち上がる。
その一番高いところは-2m程度なので、多少ウネリのある時は体が揺らされるようなところだ。
下ではほとんど見られないのに、こうした岩の上で沢山見られるのが下の写真のBスズメダイ。


こいつらはやや小型で、胸鰭に黒斑があり、尾の付け根でキュッと細くなっているのが特徴だ。
尻ビレの縁のみが黒いのも特徴か?
色も環境によってやや変わるにしても基本的には濃い目で、Aスズメダイやのちに紹介するDスズメダイとはちょっと違う。
今のところ、これがフチドリスズメダイかな?と考えている。。。
先日、ゲストのタイヤキ・マニアの方が来た時からこの場所に尻ビレと腹ビレが真っ黒い子が居座っている。
右側の子がそうなのだが、左のスズメダイ(Bスズメダイ)と比べてもその黒さがよく分かる。
形などは限りなくBスズメダイに近い感じもするのだが、これはのちに紹介するDスズメダイになるような気がする。
もうひとつ気になる事が。。。
これはこのBスズメダイだと思うのだが、水中で撮っている最中も、帰ってからPCで見ていても、このあとに紹介するCスズメダイに似てないか。。。?
とくに腹ビレの青い部分なんか、まさに。。。?
サイズは10cm程度なので、大型種であるCスズメダイとは大きさが違うのだが、Cスズメダイの若魚である可能性はないだろうか?
ここでだんだん頭が混乱してきて、一時やる気を失った。(笑)
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[Cスズメダイ]
ここから更に沖側に降りると水深は-5mぐらいに落ち込む。
ここにはあきらかに他のクロソラ系よりも大きく、真っ黒い子たちが数匹棲んでいる。
仲間内では「特大黒タイヤキ」と呼ばれている。。。(笑)
これは多分、洋書の図鑑等に載っている「ウェスタングレゴリー」と呼ばれる和名のない子だと思われる。
このウェスタングレゴリーは奄美大島などでは盛んに見られるようなので、沖縄などでもきっと多いと思う。
多分、セダカスズメダイと勘違いされている可能性もある。。。
この魚は屋久島が北限になるのでは。。。?
ちなみにうちの屋久島 Fish Watchersでは、この魚をアイスズメダイとしているが(2005/06/05現在)、これは近々「ウエスタングレゴリー」、もしくは「クロソラスズメダイ属の一種」に変えるつもり。
というのも、どうもこの種類はかなり混乱しているようで、現在は下記のような関係にあるのだが、

学名 英名 和名 参考URL
Stegastes obreptus ウエスタン・グレゴリー 和名なし Pictures
Stegastes apicalis オーストラリアン・グレゴリー アイスズメダイ Pictures

学名/英名はFishBaseに、和名は「日本産魚類検索」による。

どうも、アイスズメダイ(=オーストラリアン・グレゴリー=Stegastes apicalis)は参考URLを見てもらえば分る通り、背ビレと尾ビレの一部に特徴的なオレンジ色のマーキングのある魚らしい。。。
今日はこのCスズメダイも卵を守るオスを観察できた。
卵は一見Aスズメダイの卵と変わらないが、体の大きさに比例してか、その産みつけられた範囲がメチャでかい。。。(笑)
一時、AスズメダイがCスズメダイの若魚では?と疑ったこともあったが、温かくなって両種の卵を守る成魚オスを確認できた今となっては、その疑問は解決できた!
今度はこのCスズメダイの若魚(幼魚も)を見つけなきゃ。。。
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[Dスズメダイ]
ちょっとA,Bスズメダイの観察に時間をかけすぎて、10Lタンクの残りはあとわずか。。。
残り2タイプのクロソラスズメダイは、ちょっと尻切れトンボとなりそう。。。(焦)
写真もあまり撮れなかったし。
Dスズメダイは2/7にCスズメダイの近くで見かけた尻ビレの黒い子1匹に対して命名した名前だ。
クロソラスズメダイ属のアイランドグレゴリー(和名なし)という魚の特徴が尻ビレが黒いことだと言うので、注意して各クロソラ系を見ていたのだが、たいがいどの子も何となく黒い。。。(笑)と思った。
ところがこのDスズメダイは「何となく」ではなく、確実に黒いっ!
しかも、どんな事があっても、いつ見ても黒いっ!
今日も同じ個体を見たが、やっぱり黒いっ!
これは確実に前のA,B,Cスズメダイとは異なる種類だ!と直感したので、Dスズメダイとした。
この子以外であまり黒い子を見なかったのだが、最近Bスズメダイのところでも紹介した尻ビレと腹ビレの真っ黒い子を1匹見つけた。
多分、こいつもこのDスズメダイと同種だろうと思う。
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[Eスズメダイ]
この「お宮前」のエントリー口付近はCスズメダイのいる-5m~-6mに落ち込んだ後、また-3mぐらいにせりあがるのだが、このせりあがる直前にまた一見Aスズメダイ風のクロソラスズメダイ属の魚が何匹かかたまっているのだが、イマイチAスズメダイとは言い切れないので、これをその後Eスズメダイとした。
何か今日は写真を撮りすぎて何が何だかよく分からない状態になってしまったのだが、多分この写真の子がそうだと。。。(汗)
なぜ、そんなに自信がないかと言うと、写真で見ると実物と色合いがまったく違~う!(笑)
Eスズメダイに関しては、もう1回、撮影&調査し直してきまーす!
タイヤキ調査はまだまだ続く。。。
って言うか、幼魚が出てこないと先に進めな~い!!


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2 Comments

  1. う~ん、これは、僕なんかには見分けられそう
    にないなぁ。
    でも、たいやきのアンコ(卵)の色やその変化
    はどうなのでしょう。どれも同じなのでしょうか。

  2. > でも、たいやきのアンコ(卵)の色やその変化
    > はどうなのでしょう。どれも同じなのでしょうか。
    最初は僕も違いがあるのかな?と興味を持って見ていたのですが、魚本体以上に違いは感じられません。。。(笑)
    ただ、Cスズメダイの卵の産みつけ範囲の広さには驚きました!!
    それと、AとCの卵を守る激しさにかなり違いを感じました。
    Aスズメダイ→すぐに卵を放棄!
    Cスズメダイ→激しく卵を死守!


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