キツネウオ・ミステリー

【ポイント】 一湊タンク下
【水温】 20.6℃
【透明度】 15m~
僕がエントリーした午後2時ごろには空も晴れてきたが、午前中は曇り空。
まだややウネリ気味の北部だが、昨日と比べるとかなり凪ぎた。
水中はやや透明度が落ちていたが、相変わらず温かく、魚たちの賑わいを感じる海ではあった。
明日はもっと凪ぎるだろう。。。


いや~面白い事になってきたよ~♪
一湊タンク下の-25m付近中層で大きな群がりをつくるキツネウオの仲間。
こいつらの中に変なやつが混じってた~!!
今日は温かくなってきた事だし、久し振りにイトヒキベラXの観察と幼魚探しをしてみようと、一気に沖に出た。
このイトヒキベラXの群れる根の上方中層には、いつもこのキツネウオの仲間がかなりの数見られるのだが、今日は透明度が悪いにも関わらず、いつもにも増して大きな群がりが見られた。
そして、その繁殖行動は凄まじかった。
丁度、今日も潮の動く時間帯で、潮が速かった事も原因のひとつなのだろうか?
こいつらは、現状ではTheキツネウオの若魚として同定されてしまうようだが、前から僕はこいつらはTheキツネウオの若魚とは違うのではないか?と疑っている。
こいつらは成長するに従って尾ビレの先端が糸状に伸び、図鑑などに載っているようなTheキツネウオになるのでは?と思われているようだが、それはないと僕は思う。
こいつらの尾ビレはこれ以上は伸びない。
体長はオスで25cmぐらい、メスで20cmぐらいなのだが、これで立派な成魚だ。
この場所でバンバン求愛&産卵が見られるし、1年見ていてこれよりも大きな子を見た事がない!
つまり、こいつらが成長したあとの姿であるはずの、尾ビレの先端が糸状に伸びる大きなTheキツネウオがこの場所で混じるのを見た事もないのだった。
これがそのキツネウオの仲間のオス。
この体色はオスの婚姻色で、普段はメス(下に写真)とほぼ変わらない体色なのだが、メスに求愛する時、このように尾ビレの上側が真っ赤になり、体側の黄色いラインは蛍光ブルーに輝く。
この写真はやや婚姻色が褪せた状態なので、蛍光ブルーのラインはちょっと中途半端だけど。。。
今日も何回も産卵しそうなシーンを目撃したが、今一歩のところで止めてしまう。
ここには多分100匹以上のキツネウオの仲間が集結していたが、このような体色をあらわすオスは10匹ぐらいだろうか。。。?
これがそのメス。
通常は僕の頭上10mぐらい上を群れているのだが、突然一斉に降りてきて僕の周りに群がってくる行動が見られる。
いったい、やつらは何をしたいんだ???(笑)
屋久島には初夏になると、図鑑などにも載っているキツネウオ属の一種2が爆発的に増える。
昨年、こいつらの成長を追ってみたのだが、見事に右横の写真のメスに繋がった。
つまり、ここに沢山群れているキツネウオの仲間はTheキツネウオではなく、各種図鑑にも載っているキツネウオ属の一種2の成魚であると今のところ、僕は考えている。(和名&学名なし)
ちなみにこのキツネウオ属の一種2に良く似たキツネウオ属の一種1も、屋久島ではたまに見られるのだが、こちらがよく分からない。。。
って!かなり話しが反れてしまったが、今日の主役はこいつではな~いっ!!
いや~同じような魚がいっぱい群れていると、さすがに今まで気づきもしなかったが、何と別の種類が混じっていた~!!(大興奮!)
先日、島の同業者の友人にこのキツネウオの仲間に混じっている尾ビレの長いやつがいたんだけど、あれは何?と聞かれた。
僕はそんなものは見た事がなかったので、何かと勘違いしてるんじゃないのかな~?ぐらいに考えていたが、もしかしてこいつの事を言っていたのでは。。。?!
お~これは凄げ~!!
確かに尾ビレが長く見え、他のキツネウオの仲間とは全然違うやつだ。。。
中層で一緒になって泳いでいる時は、体長も同じぐらいなので、まったく見分けがつかなかったのだが、1回認識しちゃうと余裕で見出す事ができるぐらい。
で、写真を撮っちゃうと、全然違う魚である事がよーく分る。(笑)
で、こいつは多数派のキツネウオの仲間のオス(一番上の写真)にしょっちゅう追いかけられている。
見たところ、今日は2匹ほど見つけたが、もっといるかもしれない。
写真を撮った感じでは、これこそがTheキツネウオの若魚だと思う。
一度、「管理棟下」というポイントの沖の方で、Theキツネウオらしき成魚を見た事があったが(→屋久島海案内: 矢筈岬東面の調査)、尾ビレの先端付近がちょっと赤くなる事や、体側の黄色いラインの入り方、体の形から、多分この魚の若魚でOKだろう。。。
今回この子を見つけた事で、ここ「一湊タンク下」に多く群れる子たちが、Theキツネウオの若魚ではない可能性がかなり高まった。
わ~い♪何か分ってくると、楽し~い♪
ちなみに上の写真はかなりストロボの光が当たって、水中での見え方とはちょっと違う。
実際、水中では右写真のように尾ビレの両端が長く伸びたように見える。(実際は長く伸びているわけではなく、尾ビレの両端が縁取られているように見えるだけ)
これは多数派のキツネウオの仲間では見られない特徴だ。

まとめ


幼魚~成魚まで屋久島に多いキツネウオの仲間はキツネウオ属の一種2で、Theキツネウオは屋久島では数は多くないがたまに沖の方で見られ、若魚がキツネウオ属の一種2に混じる事がある。

ってなところだろうか。。。?
少ないながらも若魚がいるのなら、当面はTheキツネウオの幼魚とやらを探してみたいと思う。
あっ、あとキツネウオ属の一種1も難題だなぁ。。。(汗)
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【告知】
「屋久島 Fish Watchers 」を1つのサイトとして独立させました!
今まで「屋久島海案内」のトップページから個別にそれぞれのお魚にリンクが飛んでいましたが、新たに「屋久島 Fish Watchers 」のトップページを作りました♪

http://fish.mori-umi.jp/
ここが入り口となります。
メニューは真ん中辺りにあります。
【新たに改良した事】
屋久島で見られるお魚を、スズメダイ科ならスズメダイ科、ベラ科ならベラ科という風に種類別にサムネイルで一覧表示できるようにしました。
→[種類別に見よう!]からどうぞ。。。
blogでサイトを作ったら、こうした更新が手軽にできるっ!!
便利だな~blogって。。。
あとは昨年10月以降に撮った写真を順次UPしていきまーす♪
(現在、9月撮影分までUP完了)


Filed under: 一湊タンク下No.1

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