TKGプロジェクト?

【ポイント】 尾の間
【水温】 19.7℃
【透明度】 10m
相変わらずの強い北西風。
考えるまでもなく南部に足を延ばした。
はじめ「平内」に行ったが、ちょっと微妙な状態。。。
たまに大きなウネリが入り込むのがちょっと怖い。
まぁ、あまり無理はせず、「尾の間」の港内で遊ぶことにした。


そんな「尾の間」もかなりうねっていた。
結局、今日も全島で時化だったみたい。
島が大きいとは言え、さすがの屋久島も西高東低冬型の気圧配置にはかなり弱いのであった。。。
クマドリイザリウオは1/8(→屋久島海案内: 南部は暖か~い♪)以来、ずっと同じ場所で鎮座していた。
さすがにダイバーの少ない屋久島ではめったな事ではいなくならない。。。(汗)
かなり大きくなって、かつての背ビレ・ピラピラ状態の可愛い子ではなくなってしまった。

エントリー直前に南部にお店を構える同業者から「トウシマコケギンポがウジャウジャいる岩があるよ!」との情報を得て、早速行ってみた。
お~確かにボコボコ出てるっ!
ふんふん、確かに一見トウシマコケギンポにしか見えない。。。
とは言っても、屋久島は温帯種から亜熱帯種まで何がいてもおかしくないので、やっぱりきちんと見ていく必要がある。
さて、前々日の「アライソ&シズミイソ系」に引き続き、今度は「トウシマ&ハダカ系」の見分け方を学習せねばならない。。。
全部の種類をまんべんなく何回も見て比較できれば、こんな事する必要がないのにぃ~!!


「アライソ&シズミイソ系」と比べて、眼上の皮弁が短く多い「トウシマ&ハダカ系」は次の3種。

 
頭頂の皮弁
胸ビレ軟条数
眼上皮弁
ハダカコケギンポ
×
トウシマコケギンポ
14
9-11
イワアナコケギンポ
13
6-7

で、「尾の間」にいた子たちはどうだったかっていうと。。。
今日はさすがに、こいつらを観察するのはマジで無理だ~!!
すごいウネリで岩にへばり付いて固定しても、スグに吹き飛ばされる~!!(笑)
当然、やつらは穴から一歩も出てこない。。。
あとで、写真を見てみると、頭頂の皮弁はあるように見える。
だから、トウシマかイワアナか?ってところだけど、イワアナコケギンポってどんなんだ???
認識もしてないだけに想像もつかない。。。(笑)
もっと、凪ぎの日にじっくり見に行くしかない。。。
ちなみに少ないながらも、北部でも「トウシマ&ハダカ系」のコケギンポはたまに見られる。(→屋久島海案内: 出たぁ〓!!怖っ。。。
こいつらも含めてまずは種類を確定しない事には、”TKGプロジェクト”(知る人ぞ知る。。。)も何もあったもんじゃないっ!(爆)
黒ヨゴレはまさに今が繁殖最盛期のようなのだが、なかなか真っ黒い婚姻色を撮れないっ!
こいつらって、見つけた時は真っ黒なのに、ちょっと近づいただけで、スグに婚姻色が褪せてしまう。。。
昨年同様、おちおちしていると繁殖期が過ぎてしま~う!
早く真っ黒い婚姻色を撮らなきゃ~!!
ちょっと焦る。。。
ところでこの「黒ヨゴレ」、北限はどこだろう。。。?
というのが、今の僕がもっとも興味のあるところ。。。
伊豆諸島-紀伊半島-柏島なんかでは赤い婚姻色のヨゴレヘビギンポが生息の中心である事が分っている。
ず~っと南に下ってきて、どこかで「黒ヨゴレ」切り替わるわけだけど、それがどこなのか未だ不明。
屋久島まで来ちゃうと、もう「黒ヨゴレ」一色の世界。
先日、鹿児島に住むゲストから写真が送られてきた。
お~「黒ヨゴレ」じゃないですか~!!
彼のホームグラウンドは鹿児島県・坊津近辺。。。
そっか。。。本土でも鹿児島では「黒ヨゴレ」なのね。。。
もう少し、北に行くとどうなんだろうか?
情報が欲しいなぁ~


Filed under: 尾之間

11 Comments

  1. お久しぶりです。昨年はお世話になりましてありがとうございました。
    おかげさまでこの間ダイビングに復帰いたしました。
    さて、屋久島のTKGですが。。。
    な~んか雰囲気が違うんですよねぇ。。。
    どこが?と言われるとちゃんと答えられないのですが、なんだか「ぬるん、つるん」とした感じですね。(笑)
    伊豆のTKGに見られる顏の白い点々や、唇にある白い筋模様が全くないですね。
    そう、顏の模様がないんですよ。。。
    あと、TKGプロジェクトの画像を見ていただくと分かるのですが、伊豆のTKGは眼上皮弁の前方両側に白い部分があります。
    こちらのTKGは大雑把には顏の色が赤い個体と茶色っぽい個体に分けられますが、どちらも眼上皮弁に白い部分が必ずあります。
    ただ、オスが婚姻色で顔が黒っぽくなっている時は、この白い眼上皮弁も黒くなりますが。
    あと、オスが婚姻色の時には顔の白い点々模様や唇の白い筋模様は大分消えて薄くなってしまいます。
    なので、しげるさんが撮影した個体がもしも婚姻色だったら顔の模様が無いのも納得できるのですが。。。
    それにしても模様が無さ過ぎの感じですねー。
    婚姻色でも個体識別できる程度には模様は残りますからね。
    ちなみに、今伊豆のTKGは繁殖期は終わって通常の色に戻っています。
    どーもパッと見た印象が違うんですよね。。。
    眼の赤い模様も違うし。。。TKGはもっと血走った眼をしています。(笑)
    掲示板に、イワアナコケギンポかも?と思っていた子を載せますね。
    もういなくなってしまいましたが。。。

  2. すみません、訂正です。
    >眼上皮弁の前方両側に白い部分があります。
    前方ではないですね。
    丁度眼の真上の当たりですね。

  3. わ~い♪
    大平さん、ありがとうございます~!!!!!!! 
    こんな情報を待ってました!
    ぱっと見の印象って言うのはとても重要だと思います。
    日本一、TKGの顔をよく見ている大平さんが、言うからには、屋久島の子はTKGではないかもしれませんね~
    実際に水中で何度も何度も個体数を多く見ている方の言う事は、僕にとっては検索よりも貴重です!
    掲示板のイワアナ?って子、見させて頂きました。
    魚類データベースに載っている子もそうなのですが、何となく感覚が掴めました!
    イワアナって、毛(眼上皮弁)がチリチリ状態なんですね~カリフラワー状態というか。。。
    とすると、屋久島に多い子はやっぱりハダカかな~?
    あるように見えた頭頂の皮弁を再度、確認してきます!
    もしかしたら、無いかも。。。(汗)

  4. ところで、伊豆でのトウシマの繁殖期(婚姻色を出す時期)っていつ頃ですか?
    屋久島は今が繁殖期って事も考えられるわけですよね?
    繁殖期はどんな行動を見せますか? 

  5. 伊豆で婚姻色が出るのはだいたい10月から2月にかけてです。
    産卵を観察したのは1月でした。
    抱卵中のオスは、時々穴の奥に引っ込みます。
    卵の世話をしていると思われます。
    顔の色の変化が分かりやすい個体をリンクしますので、参考にしてみて下さい。
    白い皮弁も分かると思います。
    繁殖期の行動は。。。特にありませんでした。(笑)
    オスは顔が黒っぽくなり、体の色も変わります。
    メスは顎から腹部にかけて黄色くなります。
    穴から出歩いて相手を探す、という行動は観察していません。
    オスの求愛も観察していません。
    もしかしたらやっているのかもしれませんが。。。
    体を撮影するのに裏ワザ(?)がありますよー。
    餌で釣って、引っ張り出すのです。(笑)
    私達は、そこらへんにいる貝にご協力いただいて、餌になってもらいました。
    目の前でちらつかせると、ほとんどが体を乗り出して食らい付きます。
    そこを撮影しました。

  6. 伊豆の水温が一番低いのは春でしたよね?
    だとすると水温の下がり始めの頃が繁殖期となるのでしょうか?
    > 顔の色の変化が分かりやすい個体をリンクしますので、参考にしてみて下さい。
    > 白い皮弁も分かると思います。 
    いや~凄いっ!
    1年を通して体色や眼上皮弁の変化がよく分かりますね。。。
    という事は屋久島の子も黒い体色が夏期になればがらりと変わって、TKGらしくなる事も考えられるわけですよね?
    > 餌で釣って、引っ張り出すのです。(笑)
    僕もやってますよ~!(笑)
    僕の場合はいっぱい微小甲殻類が着いていそうな海藻を振ってます。。。
    貝も今度やってみまーす!

  7. >伊豆の水温が一番低いのは春でしたよね?
    水温が一番低いのは2~3月ですね。
    その頃はだいたい13~14度です。
    >だとすると水温の下がり始めの頃が繁殖期となるのでしょうか?
    伊豆の水温が一番高いのは9月から10月頃です。
    となると、そういうことになりますね。
    おお!そうだったのか!(笑)
    ちなみに産卵した日は17度でした。
    >という事は屋久島の子も黒い体色が夏期になればがらりと変わって、TKGらしくなる事も考えられるわけですよね?
    そうですよね。
    これからどう変化していくかですよね。
    ぜひぜひ、月に一度でいいから、定期的に撮影してみて下さい~!
    私も、屋久島の子がこれからどんなふうに変わるのか、それとも変わらないのか、経過がとても楽しみです。
    どんな子になるのかなぁ?TKG かな?違うのかな?
    この目で見たいなぁ~~。

  8. > 水温が一番低いのは2~3月ですね。
    「歯っかけ」の色彩変化を見てみると、伊豆では11-3月が繁殖期。。。
    って事は水温の下がり始めと言うよりは、 広く低水温期って事ですね。
    下がり始めと共に繁殖を始め、水温が上りだすとやめる。。。そんなところでしょうか?
    水温で言うと「20℃以下で繁殖」ってトコでしょうか?
    そのまま屋久島に当てはめると、20℃以下の水温って言うのはかなり短い期間。。。
    1-3月かな。。。?
    そろそろ終わるので、本腰を入れて色彩の変化を見てみますね♪

  9. >下がり始めと共に繁殖を始め、水温が上りだすとやめる。。。そんなところでしょうか?
    >水温で言うと「20℃以下で繁殖」ってトコでしょうか?
    そんな感じになりますねぇ。。。
    なにしろ産卵を一度しか見ていないので、まだよく分からない部分が多いのです。
    次の産卵シーズンは、婚姻色が出始めたら、もっと細かく観察したいと思っています。
    あ、頭頂皮弁は、やはり後ろにある角みたいなものだそうです。

  10. 次の産卵シーズンの観察に期待しています♪
    > 頭頂皮弁は、やはり後ろにある角みたいなものだそうです。 
    そっか。。。
    これならちょっと出てれば分るかも。。。!

  11. うっ。。。きもい。。。

    【ポイント】 魚見 【水温】 18.9℃ 【透明度】 15m~ 全島で時化気味。 島を一周した漁師さんによると凪ぎていたのは、北部の元浦近辺だけだったそうな。。。 僕は割りと静かな「魚見」にエントリーした。 特に寒くはなく、温かかった印象だったのだが、上って水温計ぎ..


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