第一回王者選手権

【ポイント】 お宮前
【水温】 19.3℃
【透明度】 30m~
今日は朝から土砂降りの雨。
当たり前のように朝から暗~い1日。。。
風は北東で、今日も一湊湾内がベタ凪ぎ。
昨日から決めてた通り、「お宮前」の浅場(~-5m)でクロソラスズメダイ属と戯れる計画。
暗いだろうなぁ。。。と思っていた水中も、透明度がバカみたいに良かったため、それ程でもなかった。
でも、やっぱりターゲットライトは必携かもしれない。。。(笑)
後半はやっぱり、暗い。。。


まずは、エントリー口直下の-5m付近までに生息するクロソラスズメダイ属の魚を片っ端から撮っていくことにした。
それを、見た目の印象、その魚の性格、生息環境などから、A、B、Cと分けてみた。
AとBとCは必ずしも別の種類というわけではなくて、それぞれは成魚-若魚の関係にあるのかも知れないし、はたまた別の種類かもしれないし。。。そりゃ分らん!
分らない以上は、名前で確定する事による固定観念というか、先入観みたいなものを払拭するためにそうするだけで、特に深い意味はない。(笑)
【A】


「お宮前」にエントリーしてスグの転石帯は水深-2m~-3m。
ここで見られたクロソラスズメダイ属の魚は、み~んな警戒心がメチャ強い!
50cmまで寄るのも一苦労。。。
ちょっと息を吐いただけで、サッと石の下に隠れてしまう。
この子たちって「一湊タンク下」のエントリー口付近などでも多く見られ、ぱっと見の感でフチドリスズメダイかな?と思っていた。
要は八丈島でよく見られたセダカスズメダイとは、似てない気がしたからだった。
昨日のLOGでも

八丈島にはわんさかいたセダカスズメダイは屋久島ではめったに見られない。

などと言っていたが、よく見ればどの子も胸ビレの根元に黒斑などない。。。
(胸ビレの根元に黒斑はフチドリスズメダイの最大の特徴)
これってよく見るとセダカスズメダイ。。。?(笑)
水中での見た目は、八丈島のセダカスズメダイとは何か違う気がしてならないが、特徴的にはセダカスズメダイだよなぁ。。。
ちなみに左右は別の個体だが、生息環境や性格、斑紋から同じ種類である事は間違いない。
左側の子は体長12-13cm、右側の子は体長15cmぐらいかな。。。
【B】
エントリー口から少し進むと、やや高い根というか岩がある。
その岩の上には、このスズメダイが沢山いて、岩の窪みや岩中腹のサンゴの下から出たり入ったりしている。
水深は-2m以内で、時折ウネリを感じるようなところ。
これは胸ビレの黒斑や雰囲気から、フチドリスズメダイで間違いないと思う。
体色はAスズメダイよりも濃く、全体的に濃紺。
この岩にいる子はどの子も小さく、体長は10cm以内。
まだ、どの子も若そうだ。
Aの子よりは警戒心が薄く、寄れて撮りやすいが、あくまでも「Aの子よりも」というだけで、やはり警戒心は強い。。。(泣)


【C】
その岩を降りると-5mまで落ち、小さな岩が点在、というか小さな岩同士が狭い水路を形作っているような地形。
この岩の周辺で見られるクロソラスズメダイ属の魚は、これまでの連中(AやB)とは明らかに違いを感じる。
体色は真っ黒!でかくて丸々太っている。
で、こいつらはものすごくふてぶてしい!!
なかなか隠れないどころか、目の前にまで出てきて威嚇のポーズをとる。
105mmレンズだとはみ出てしまうので、度々僕自身がBACKしたりした。
体長はAの子よりもやや大きく15cmぐらい。


そこから、ちょっとだけ沖方面に繰り出すと、大きな岩や石が点在する広場に出る。
ここには、ものスゴい気の荒い巨大なスズメダイが数匹見られる。
体長は大きいもので20cm近いと思われる。
ヒレナガスズメダイなどが近くをただ通っただけで、狂ったように蹴散らしにかかる。
もちろん、僕が近づいてもなかなか隠れず、威嚇をやめない。
この巨大なスズメダイは、一個前の写真の子が成長した姿だと思う。
要は、この上下2枚は同種。
背ビレの先端や胸ビレの根元には黒斑はなく、この3種の中では一番何者なのか分らないっ!


ところで、この仲間は皆、魚同士では基本的にはめっぽう気が強い。
オスメス共に単独でなわばりを持ち、それぞれが個別の海藻畑を大切に育て、その海藻畑を他の藻食魚から防衛するという独特の習性があるのだ。
今は時期的に卵を守っている子は見られなかったが、他の魚(スズメダイに限らない)が近づいただけで、追い払いにかかる。
とにかく縄張り意識が強いヤツらなのだが、一番スゴかったのはダイバーである僕をも追い払いにかかる最後のCのスズメダイ。
第一回王者選手権、優勝者は。。。Cで決定~!!
パチパチパチ!!(笑)


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19 Comments

  1.  真中のがフチドリということには僕も99パーセント賛成。いちばん上はセダカが妥当だと思うけど、見たことのない色彩変異ですね。左のは南鳥島のアイランドに似ている。でも、やはりセダカくさいなぁ。セダカでもこれだけ色彩変異があるとすれば、いま親方がアイランドと言っているヤツも、納得がいくような気もします。問題は一番下のヤツだなぁ。。。

  2.  う~ん・・・、書き込みは遠慮していたんだが、我慢できん!
    Bは問題なくフチドリになるね。
    で、ABは臀鰭先端に黒い帯がなく、側線上の鱗が3.5枚あるんで、アイランドでもない。
    もちろんセダカスズメでもない。
    もう少し大きい写真で見ないとハッキリした事はいえないが、アイスズメの可能性がある。
    アイスズメはかなり大きくなるスズメダイと思われ、ABが若い成魚でCが老成魚になるんじゃないかなぁ。
    もう少し調べれば全身がくすんだ黄色いセダカ似の子がいっぱい見つかるはずなんだが。
    その前に第一背鰭の棘数が13なんだけど数えてみて。
    ちなみにBはその幼魚の色彩のなごりが見られるね。

  3. >>  魚っちゃーさん
    お~書き込んでくれるなんて、珍しいですね!
    嬉しいです♪
    > いちばん上はセダカが妥当だと思うけど、
    > 見たことのない色彩変異ですね。
    色彩よりも形・受ける雰囲気・行動が、八丈で見てたセダカとは何かまったく違うんです。。。参った!(笑)
    > 南鳥島のアイランド
    > いま親方がアイランドと言っているヤツ
    これ見た~い♪
    どこかネット上で見れますか?
    > 問題は一番下のヤツだなぁ。。。
    でしょ?(笑)
    ちなみにウォッチャーさんが屋久島に来た時も見てるはずです。
    写真撮ってませんでしたっけ??

  4. >> 44さん
    ご無沙汰しております!
    > う~ん・・・、書き込みは遠慮していたんだが、
    > 我慢できん!
    なぜ遠慮するのでしょう???
    そこがよく分かりませんが。。。(笑)
    > もちろんセダカスズメでもない。
    お~!!やっぱりそうですか!!
    44さん(この言い方言いづらいっす。。。(笑)) がそう言ってくれると、かなり自信が出てきました!
    やっぱり、セダカじゃないですよね~
    > アイスズメはかなり大きくなるスズメダイと思われ、
    > ABが若い成魚でCが老成魚になるんじゃないかなぁ。
    アイスズメかぁ~!
    アイスズメダイって沖縄方面に多いスズメダイなのですか?
    もしこれがアイスズメダイであるならば、屋久島の優占種となってしまいますが。。。
    > もう少し調べれば全身がくすんだ
    > 黄色いセダカ似の子がいっぱい見つかるはずなんだが。
    幼魚の増える時期が楽しみです♪
    > その前に第一背鰭の棘数が13なんだけど数えてみて。
    了解です。
    アイスズメダイの可能性が強まるってわけですね?
    > ちなみにBはその幼魚の色彩のなごりが見られるね。
    えっ??Bはフチドリじゃないんですか?

  5.  ごめんAの右。
    何か書き込んじゃと妨げになりそうなんでね。
    自分で苦労して覚えた方がいいんじゃないかななんて思ったりして。。。
    ちなみにアイスズメは沖縄方面では見られないスズメダイ。
    っていうか幻だね。
    最初は私もフチドリかアイランドの誤同定って思っていたんだが、どうやらこの種類は現存するみたい。
    トカラで見られるって情報から屋久島だったらもしやって思ってた。
    そこにこの画像が出てきてうれしいやら。
    さすがシゲルだ。
    この調子でがんばれ!
    とは言ったって背鰭の広げた写真を撮っておくれ。
    アイだとは思うけど、その部分を見たいなぁ。

  6. > 何か書き込んじゃと妨げになりそうなんでね。
    ならないですよ~!!(笑)
    参考にはしますけど、そのまま鵜呑みにしたりしませんよ。
    例え、それが大御所や学者さんであろうとも。。。
    基本的に僕は自分で観察して、実際に水中で見た物や事しか信じていません。
    ご安心を。。。
    それと自分の観察力には誰よりも自信があるし。。。(爆)
    > 自分で苦労して覚えた方がいいんじゃないかななんて思ったりして。。。
    この「自分で探求」するっていうのがフィッシュウォッチングの楽しさじゃないですか~!
    「楽しみ」であって「苦労」だと思った事はありませんが。。。(笑)
    おかげさまで、毎日楽しいですよ♪~(^○^)/
    > ごめんAの右。
    えっ?AとCは同種ですかねぇ。。。?
    そうは見えなかったのですが。。。(焦)
    アイスズメダイはトカラで記録があるのですか!
    FishBaseのアイスズメダイを見ると、形やデブデブっぷりはまさに!って感じですが、背ビレの黄色が気になります。。。
    > そこにこの画像が出てきてうれしいやら。
    > さすがシゲルだ。
    > この調子でがんばれ!
    相変わらず、親方に褒められると燃えます!
    そこは変わっていません。。。(笑)
    > とは言ったって背鰭の広げた写真を撮っておくれ。
    > アイだとは思うけど、その部分を見たいなぁ。
    了解です。
    もちろんヒレ全開は狙って撮っているのですが、ピンボケばかり。。。(TOT)
    デジカメは寄って撮ると、なかなかピントが合わないのです。。。
    次は遠くから狙ってみま~す!

  7.  >お~書き込んでくれるなんて、珍しいですね!
    書き込みたいとは思うけど、話題のペースが速くて年寄りには追いつけん・・・。(笑) この件はいまとくに気になっているもので・・・。
    >ちなみにウォッチャーさんが屋久島に来た時も見てるはずです。
    そういえば、エキジット間際に真っ黒いのがいて、何じゃ?・・・と思って撮りましたね。クロスズメダイか何かかと思ってた。
    >で、ABは臀鰭先端に黒い帯がなく、側線上の鱗が3.5枚あるんで、アイランドでもない。
    >もちろんセダカスズメでもない。
    もちろん・・・ですか。(汗) 背鰭の黒点に青が入っているので、セダカかなぁと思ったのですが、言われてみれば目も金色だし・・・。まだまだ見方が甘いなぁ。アイスズメは、日本にはいないことになったのかと理解していましたが、そうでもないんですね。吉野雄輔さんのサイトに幼魚もしくは若魚の写真が載ってましたが、全身が黄色っぽくて、あきらかに他の3種とは違って見えました。やはり幼魚を探してみる必要がありそうですね。
    > 南鳥島のアイランド
    > いま親方がアイランドと言っているヤツ
    >これ見た~い♪
    >どこかネット上で見れますか?
    南鳥島の個体はアレンの「世界の海水魚」に本人の撮った個体が載ってます。僕が撮った個体は先週奄美で撮ったヤツを僕のサイトに載せています。奄美には結構たくさんいたけど、屋久島でも見られないわけはないですよね。

  8.  >この「自分で探求」するっていうのがフィッシュウォッチングの楽しさじゃないですか~!
    >「楽しみ」であって「苦労」だと思った事はありませんが。。。(笑)
    >おかげさまで、毎日楽しいですよ♪~(^○^)/
    ちょっと安心。じゃあ時々登場するよ。
    で、Aの二点がアイの若い個体~
    BがフチドリでCはアイの老成個体。
    腑に落ちないのがA二点の背鰭の先端の暗色斑。もう少し小さいステージない?
    ところでアイランドは談話室及び調査報告で公開してるぞ。

  9. > 書き込みたいとは思うけど、話題のペースが速くて年寄りには追いつけん・・・。(笑) 
    う~ん。。。それはしょうがないっす!
    毎日潜っているので。。。(笑)
    >>もちろんセダカスズメでもない。
    > もちろん・・・ですか。(汗) 
    > 背鰭の黒点に青が入っているので、セダカかなぁと思ったのですが、
    > 言われてみれば目も金色だし・・・。まだまだ見方が甘いなぁ。
    。。。って(=_=;)
    そこで簡単に引き下がらないでくださいな。。。(笑)
    簡単に認めちゃってるし。。。(爆)
    > 吉野雄輔さんのサイトに幼魚もしくは若魚の写真が載ってましたが、
    これまた探してみましたが、見つからない。。。(笑)
    どこですか??
    > で、Aの二点がアイの若い個体~
    > BがフチドリでCはアイの老成個体。
    実はCは僕ももしやこれがアイスズメダイ??と疑っていたのですが(見た事もないので完全な想像ですが。。。)、Aは違うと思います。
    と言うか、A=Cではないと思いますよ。
    Aは屋久島で一番多く見られるクロソラスズメダイ属の魚で、他のポイントでも多く見られています。
    卵守りも確認しており、これで成魚サイズだと思います。
    ところがCは今のところ、ここお宮前でしか観察例がありません。
    Aは沢山いるのに、Cはまったく見ないんですよね。。。
    いずれにしても、もう少し調べてみます。

  10.  >Aは屋久島で一番多く見られるクロソラスズメダイ属の魚で、他のポイントでも多く見られています。
    >卵守りも確認しており、これで成魚サイズだと思います。
    ほぉ~面白いね。卵はセダカとは違ったんかい。
    ちなみに成魚と老成魚って意味だからAも産卵は可能ってこと。
    AとCの行動パターンが違うのであれば別種。
    でも写真からだとつながるんだよね。
    まっ今後の調査、楽しみにしてるよ。

  11.  >これまた探してみましたが、見つからない。。。(笑)
    雄輔さんのサイトも結構迷宮ですからね。(笑)
    http://gokaiclub.com/essay/0409.html
    ところでAの右は、かすかに臀鰭の端が黒くなってるように見えるのは、気のせい?

  12. >雄輔さんのサイトも結構迷宮ですからね。(笑)
    >ところでAの右は、かすかに臀鰭の端が黒くなってるように見えるのは、気のせい?
    端が黒くなっているように見えても、鱗が3.5枚なんでアイランドじゃないですね。
    それよりAの右の子ってユウスケさんの迷宮入りの子とつながるように見えるのは私だけだろうか~

  13. ちす
    おひさです
    Aのコは石垣にもたくさんいます!
    あのコ何なんでしょ
    目の上のブルーのアイシャドウがもっとはっきり目立って見えるかんじです

  14. http://gokaiclub.com/essay/0409.html

    これは何をもってアイスズメダイ(yg)と言えるのでしょうか。。。?
    成魚も曖昧なのに。。。どうして?
    > ところでAの右は、かすかに臀鰭の端が黒くなってるように見えるのは、気のせい?
    フチドリやセダカでも端が黒っぽく見える事はあるようです。
    これが「写真」というものの怪しさだと思っています。
    アイランドと言われている子の臀鰭の黒さは尋常じゃないですもんね。。。明らかに黒い!(笑)
    > ユウスケさんの迷宮入りの子
    これまた、どこに。。。??(恥)
    あっ!おけさん!!
    例のベラ、判りましたよ!

    http://field-note.harazaki.net/images/000647.html
    反応がなくてちょっと悲しかったなぁ~!(笑)

  15.  反応したぢゃん・・・。

  16. いや、興味を持ってたはずのおけさんの反応がまったく無くて。。。 (悲)
    更に宮本さんからの反応さえもなかったら、写真をクマドリイザリウオに差し替えようかと。。。(笑)

  17. …今、みました
    そっかあ、クマドリ!
    妙にわくわくするねえ
    おとなも見たいなあ、みどりのバージョンにも会いたいなあ
    おとなも浅いかな?
    こないださ、ゆーすけさんのアイスズメに似てる子見たのよ
    フチドリとかアイランドとか絶対見ない環境のとこでさ、あの関係者なんだけど見た事ない人だったの
    で、ビデオ撮ったら、まっきっきだったんだけど、HL10が黄色すぎるからなのでわ?ってことに。。。
    何でも黄色くなっちゃうんだからさっ
    白い強烈なライトほしーっっ
    肉眼では暗かったからかもしんないけど、黒っぽく見えたよ
    でも病的な雰囲気かもしてたんだ
    目のまわりがくまみたいに黒くなってて、まんがに出てくる病人みたいな顔ってゆうか
    …だったと思う

  18. > 何でも黄色くなっちゃうんだからさっ
    > 白い強烈なライトほしーっっ
    > 肉眼では暗かったからかもしんないけど、黒っぽく見えたよ 
    そうなんだよね~
    写真は撮り方で色がまったく変わっちゃうから当てにならない。。。
    大事なことは
    ・ 体の細部が分る写真を撮ること
    ・ 一瞬だけでなく、経過をできるだけ長く観察すること
    だと思います。
    う~ん!楽しいねぇ~♪

  19. わ〓い♪ベタ凪ぎ〓!!

    【ポイント】 お宮前 【水温】 18.5℃ 【透明度】 15m とうとう凪ぎた〓…


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