【ポイント】 オツセ/春田浜タイドプール/一湊タンク下No.1
【水温】 29.8℃/30.0℃/30.5℃
【透明度】 30m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 8:11-9:15/10:30-12:00/13:29-15:26
【潮まわり】 10:57 44cm 干潮 / 17:38 218cm 満潮 / 中潮(月齢:11.2)
【日の出・日の入】 日出05:46 日没18:57
今日はお盆休みのゲストさんたちのほとんどがお帰りになる日で、ダイビングに関してはリピーターゲストのHさんのみ。。。(^^;;
朝から永田⇒安房⇒一湊と島の西から東へと駆け回ってきた。(^^)
今日も東寄りの風は強く、永田のオツセは時化気味かと思いきや、それほどでもなく、のんびり潜れた。
春田浜は最干潮時に行ったので、あまり遊べないかと思ったけど、こちらもそこそこ楽しめた。
今日はマンツーマンだった事もあり、僕もカメラを持って入らせてもらった。(Hさん、ありがとうございます。。。)
2本目のタイドプールでは先日、この写真を撮った時に背景にあったピンク色の海藻ばかりを撮影していた。
前にこの写真(⇒https://www.facebook.com/photo.php?fbid=506541659415745)をFacebookに出したとき、海外の水中写真愛好家の方から、「このピンク色の海藻は何だ?」、「どんなところに生えている?」と聞かれ、ちょっといろいろと調べてみたところ、面白いことが分かった。
この海藻はハナヤナギというフジマツモ科の紅藻の一種で、分布はよく分からないのだけど、鹿児島県下には広く分布していて、徳之島などでは「ドウモイ」と呼ばれ回虫駆除薬として用いられたりしているらしい。屋久島でもよく見かける海藻だ。
このハナヤナギには短期記憶喪失や、脳障害を引き起こし、死に至る場合もあるという神経毒「ドウモイ酸」が含まれていて、この「ドウモイ酸」という物質自体、1958年に徳之島で回虫駆除薬として用いられていたこのハナヤナギから分離・命名されたものらしい。
アルフレッド・ヒッチコックの「鳥」という動物パニック映画をご存じだろうか?
鳥たちが人を次々と襲う話なのだが、これは1961年にイギリスでハイイロミズナギドリが人を襲った事件からヒントを得てつくられた。
この時、ハイイロミズナギドリたちが凶暴化したのは、その年、エルニーニョ現象が起きていて、海水温度が上昇、ケイ藻が大量にドウモイ酸を作り、それをイワシが食べ、そのイワシを鳥が食べてドウモイ酸の毒で中枢神経が冒されたためだとされている。
食物連鎖の結果起こった事件なのだ。
他には1987年のにカナダのプリンスエドワード島で、このドウモイ酸を含有する養殖のムラサキイガイによる食中毒が発生し、被害者は107名に及び、1/4の患者には記憶障害(記憶喪失など)、嘔吐・腹痛・下痢などの中毒症状が現れ、死者は4名に及んだ。
こ、怖い。。。(・・;)
美しいものにはいつでも危険が潜んでいる。。。???
さらに面白いのが、このハナヤナギ、何と環境省レッドの絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されていた。
美しく危険でありながら、非常に儚い生き物だったのだ。。。
季節的に一時はほとんど枯れてしまったとばかり思っていたのだが、今日は探してみると割とまだ元気な連中も多く、美しいピンク色は健在だった。
小生現在「海の生き物の贈り物ー薬と毒と」という初心者・高校生・大学初年級の学生向けに本を執筆中で,この本は化学工業日報社から来春発刊予定です.そこでハナヤナギ―ドーモイ酸についても執筆しましたが,口絵としてHARAZAKIさんの撮られた,上の一番下の綺麗なハナヤナギの写真を使わせて頂けないでしょうか?
よろしくお願いいたします.なお写真提供のHARAZAKIさんのお名前を記載させていただきますし,本一部謹呈致します.
了解しました!
僕の写真がお役に立てて光栄です!
追って、メール返信で写真の原版をお送りしますね~(^^)
内容も非常に興味深く、出版が本当に楽しみです。
shigeruさん
私は静岡県立大学で、ドウモイ酸の化学合成研究を行っている西澤慈と申します。
shigeruさんの撮られた素敵な写真を学会発表で使用させていただきたくコメント致しました。
不躾なお願いかと存じますが、何卒宜しくお願い致します。
emailにてご返信いただければ幸いです。
コメント、ありがとうございます。
写真はお貸ししますが、一度、そちらからメールをいただけませんか?
よろしくお願いいたします。
shigeru@harazaki.net
私は静岡県立大学でドウモイ酸の化学合成を研究している西澤慈と申します。
HARAZAKIさんのお写真を学会発表に使用させていただけないでしょうか?
宜しくお願い致します。