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クマノミの卵の産み方(続編)

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 23.8℃
【透明度】 15m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潜水時間帯】 14:39-17:19
【潮まわり】 08:23 94cm 干潮 / 14:18 159cm 満潮 / 長潮(月齢:9.3)
【日の出・日の入】 日出05:15 日没19:18

産卵床を掃除するクマノミ
産卵床を掃除するクマノミ
今日は昨日のシャコガイに着くセホシウミタケハゼを再度撮りに行こうと思っていたのだが、エントリーしてしばらく行くとクマノミのペアがせっせと産卵前の準備行動(産卵床の掃除)をしていたので、急遽これを観察することにした。

いつもなら通過するのだけど(笑)、先日、

「クマノミの卵は頭から先に出て最後に産卵床に着く部分が出てきて、最後に産卵管で擦り付けるような感じで産卵床に接着する」

という記事をこのブログに書いたところ(クマノミは卵を頭から産む。。。)、誰も興味を示さないかと思いきや、富戸をホームグラウンドとする石田さんから、「前に同じように産み方を観察した際には産卵床に着く部分から先に出てきているように見えたけどなぁ。。。」と一言。(^^;;

クマノミ観察の世界的権威であり(笑)、国家より「クマノミ親善大使」に任命されている石田さんがそう言うのだから、何か自信がなくなってきた。。。(・・;)
もう一度、じっくり観察してみる事にした。

最初の1粒目
最初の1粒目
最初の1粒から観察するのはメチャ久しぶり。(^^)
最初の1粒目は15:20に産んだ。
しかし、この1粒は何とスグにオスによって食べられてしまった!!!(・・;)

2粒目はすぐ近くに。。。
2粒目はすぐ近くに。。。
最初の1粒目が食べられてから5分後、前の食べられてしまった卵のスグ下(だいたい1cmくらい下)にまた1粒、卵が産みつけられた。
ちょうど綺麗に掃除された産卵床の真ん中くらいの位置だ。
1粒目は必ずこの辺に。。。と決めているのか、1粒目とほぼ同じ場所に産みつけられた。

下の左写真は2粒目が産みつけられてから5分後の状況。
こんな感じでぐるっと円を描くように産んでいき、また最初に産んだ卵に返ると一度、産卵床を離れ、また再び産卵を続ける。
この繰り返しだ。

その後、30分くらいで全体の半分くらいの卵を産み出した。
次々にマシンガンの弾が繰り出されていくような感じで、高速でバンバン産んでいく。。。
ほとんどはしっかり産みつけられるのだけど、かなりの数の卵が基盤に貼りつかず散りまくっていた。(・・;)
その様子もまるでマシンガンの空薬莢が散っていく様子によく似ていた。(笑)

こんな感じでぐるっと円を描くような感じで産んでいく
こんな感じでぐるっと円を描くような感じで産んでいく

1粒目から30分後の状況
1粒目から30分後の状況

こんな感じで高速で次々に産み出されていくので、目的であった「卵は頭から産み出されるのか?それとも根元の接地面から産み出されるのか?」を見極めるのは至難の業だ。(^^;;
もはや現場で肉眼で確認するのは難しく、とにかくメスの産卵口付近にピントを合わせて連続でシャッターを切っていき、帰ってからPCで確認するしかない。。。(笑)

卵の接地面となる下側は白い
卵の接地面となる下側は白い
いくつかの写真を確認してみると、やっぱり卵の頭の部分から産み出し、最後に接地面となる下側を出しているようにしか見えない。。。
そしてズルズルと産卵管を引きずりながら、産卵床に擦り付けるような感じで卵を接着していくみたいだ。
そして、卵の接地面となる下側は白く、もしかしたらこの白い部分が接着剤のような役割をしているのかもしれない。。。

順番に見ていくと。。。

産卵口から卵が出始めた時
産卵口から卵が出始めた時
産卵口から卵の頭が見えてくる。
頭側は真っ赤でこちらが産みつけられたあと上になるはず。

卵の半分が出てきた状態
卵の半分が出てきた状態
卵の約半分が外に出てきた。
左側の卵たちはその直前に産み出された卵で、こんな感じで綺麗に並んでいく。
やぱpり、最後に接地面が出てきているようだ。

すべての卵が出切った瞬間
すべての卵が出切った瞬間
すべての卵が出切った。
最後に出てくる卵の一番下は必ず白っぽい。
この部分を産卵床に擦り付けるような感じでくっつけていく。。。

産卵開始から約2時間後
産卵開始から約2時間後
産卵観察は30分で飽き(笑)、その後、他の場所をまわって1時間30分くらい経った頃にまた寄ってみると、まだ細々と産卵は続いていたけど、ほぼ終わりに近いような状況だった。
すでに産卵床は卵がビッシリ産みつけられていて、真っ赤になっていた。(^^)


2日目のメギスの卵
2日目のメギスの卵
そう、そう、昨日、新しい卵を守り始めていたメギスの巣穴を覗くと、とりあえず今日はまだ卵は無事だった!(笑)
このまま今度こそ卵の発生過程を最後まで追いたいけど、明日からは久々のゲストがくるので無理かな。。。(^^;;

国内ではまだ記録がないとされているCirripectes perustus?
国内ではまだ記録がないとされているCirripectes perustus?
もう3年くらい前から同じ場所で見られ続けている赤いタテガミカエルウオの仲間。
どうやらCirripectes perustusという種類である可能性が高いようで、この種類であればこれまでの北限記録は台湾なので、北限記録、かつ国内初記録という事になる。
インド・太平洋に広く分布しているようだが、比較的珍しい種類との事。。。
まぁ、何はともあれ、こいつらって思いのほか長生きでビックリ!


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真っ赤なカエルウオ

【ポイント】 一湊タンク下No.1/春田浜タイドプール
【水温】 25.7℃/30.0℃超
【透明度】 30m/-m
【海況】 ベタ凪ぎ
【天候】 快晴
【潜水時間帯】 4:24-6:24/14:30-17:00
【潮まわり】 04:02 200cm 満潮 / 11:10 46cm 干潮 / 17:55 195cm 満潮 / 中潮(月齢:26.3)
【日の出・日の入】 日出05:18 日没19:24

また快晴の1日!
いよいよ本格的な夏の到来!!と思っていたら、今日、九州南部の梅雨が明けた。

昨日、たまたまジョーの巣穴を覗いたら、今にも孵化しそうな卵をいっぱいに抱えた子がいたので、今朝は急遽、早朝エントリーした。
今度はハッチアウト前に少しでも余裕ができるようにと、10分早く起きてスタンバイ。
しかし、待てども待てどもジョーの巣穴は開かず、日の出時間の5:18をゆうに過ぎてしまった。。。(^^;)
明日だったか。。。

その後、1時間くらいブラブラしていたら、妙なタテガミカエルウオの仲間を見つけた!

タテガミカエルウオ属の一種
タテガミカエルウオ属の一種
真っ赤な体色に目力のある(笑)カエルウオ。。。
直感でこれは撮り逃がしたらマズイ!と感じ、慎重に遠くから徐々に近づきながら撮影。
警戒心は他のタテガミカエルウオの仲間同様に強く、スグに水底にある亀裂(穴)の中に入ってしまった。
帰ってから調べてみると、阿嘉島・オケアノスの森山さんが10年以上前にパラオで撮ったタテガミカエルウオの仲間(http://bit.ly/lvNiCD)がまさにそれだった。
いずれにしても未記載か、日本初記録か。。。国産のカエルウオの仲間にはどれも当てはまらない気がする。。。

午後からは春田浜のタイドプールへ行った。
今年はロウソクギンポのハッチアウトも見たいと考えていて、その下見。
潮が満ち始めてかなり経っていたので、沖側のタイドプールはほぼいっぱいに満ちていて、海は時化気味だったので近寄れず。。。
手前にわずかに残っていた潮だまりに入った。
干潮時からずっと隔離されていた潮だまりはメチャクチャ濁っていて、水温も高くお風呂状態。。。(・_・;

巣穴には卵がビッシリ!
巣穴には卵がビッシリ!
ロウソクギンポは思い切り繁殖期に入っていた。
そこらじゅうで独特の求愛(巣穴から上下動しながら踊る)が見られたが、実際に産卵しているペアは見つけることができなかった。
割と広めの巣穴を覗いてみると、穴の中にビッシリ卵が産みつけられていた。
たまたま覗いた巣穴の卵はすでに稚魚の目玉がクッキリ出ていて、もう明日にでも孵化しそうな卵だった。
う~ん。。。明日の早朝はロウソクギンポに切り替えるか、予定通りジョーのハッチを狙うか悩む。。。

タマギンポの婚姻色
タマギンポの婚姻色
他にもシマギンポやクモギンポなどが卵を守っていたり、求愛らしき行動が見られたりと、どのカエルウオの仲間も繁殖期に入っている事が分かる。
そこに見慣れないカエルウオの仲間が。。。(・_・;
鼻先だけが真っ黒く、顔は白く黒い点々が散在。。。
なんじゃこりゃ!!!新種???と一瞬思ったけど、しばらく観察していると、それはタマギンポの婚姻色だった。
タマギンポの通常時の体色はこれ⇒タマギンポ通常時の体色

ずっと観察していたら、体色が色褪せてきたので分かったのだが、ずっとこのままだったらとてもタマギンポだとは思えない。。。(^^;)

色褪せるとまずは鼻先にも点々が。。。
色褪せるとまずは鼻先にも点々が。。。
ここまで褪せるともうタマギンポ!(笑)
ここまで褪せるともうタマギンポ!(笑)

そのままずっとこいつを観察していたら、メスが通りかかるたびに頻繁に巣穴から出て求愛のダンスを踊る。
ロウソクギンポと違って、外に思い切り出ての求愛がメインだ。
そのうちにメスのゲットに成功して、産卵が始まった!!
時間的には3-5分くらい。
メスが巣穴に入って、ある程度卵を産みつけると、今度はオスが入って精子をかける。
たまに一緒に入ったりもするが、巣穴が狭いからかスグにオスは出てきてしまう。。。

産卵中のメスと興奮気味のオス
産卵中のメスと興奮気味のオス
巣穴に2匹で入り込み産卵
巣穴に2匹で入り込み産卵

今度はもう少し透明度のいい潮の引き際に来ようか。。。
今日は完全にタイドプールに行く時間を間違えた!(ーー;)


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