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ガラスハゼ、卵と産み方を比較

【ポイント】 元浦/一湊タンク下No.2
【水温】 25.5℃
【透明度】 25m
【海況】 凪ぎ
【天候】 晴れ
【潮まわり】 10:38 73cm 干潮 / 16:39 215cm 満潮 / 中潮(月齢:26.3)
【日の出・日の入】 日出06:33 日没17:29

午前中は元浦で体験ダイビング。
最近は午前中のこの時間帯、思い切り潮が引いているので浅場に魚がたまって、あまり沖に出なくてもフィッシュウォッチングが楽しめて助かる。(^_^)
外は20-21℃とやや肌寒いが水中はまだ26℃くらいはあって、まだまだ快適な体験ダイビングだ。

午後からは1人でカメラを持って一湊タンク下へ。。。
2日間ばかり間が空いてしまったが、まだガラスハゼの観察に行った。

ガラスハゼは種類によって卵の大きさや卵の産み方(密集度やパッチの作り方)が違うのでは?という仮説を持っている。
しかし、実際に比較したことはなく、単に目視で見たときのカンでしかない。。。(笑)
で、今日は卵の大きさを正確に比べるため、各所の卵を同じ距離、同じ倍率で撮ってみた。

【ムチカラマツに着くガラスハゼ(水深-25m)】

ムチカラマツに着く卵
ムチカラマツに着く卵
ムチカラマツに着くガラスハゼ
ムチカラマツに着くガラスハゼ
まずムチカラマツに棲むガラスハゼは明らかに他の宿主に着く連中とは形やいわゆる”顔”が違うので、容易に見分けがつく。
何か肉厚で顔も怖いし無骨な感じのするガラスハゼなので。。。(笑)
このガラスハゼの卵は現場で見ると他の宿主に着く卵と比べてかなり大きく、肉厚に見えるのだが、実際に写真などで比べてみるとその”大きさの差”はあまりよく分からなかった。。。(^^;)
ただ、産み方にはかなり特徴がある。

まず1回に産む量がハンパない!
産卵日別にパッチを作っているかどうかは未確認なのだが、これまで様々なムチカラマツに着く卵を見ている分にはある日一気にハッチアウトして、その場所から卵がまったく無くなったという事が何回かあったので多分1回に大量に産んでいる事が想像される。。。
また産むときは卵を完全に密集させるようで、卵と卵の間にはまったく隙間はなく、これは次から続く他のガラスハゼたちとは明らかに違うのだ。

【リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ・その1(水深-20m)】

リュウキュウミゾヤギに着く卵
リュウキュウミゾヤギに着く卵
リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ
リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ
ムチカラマツに着くガラスハゼとは別に一湊タンク下で最もよく見られるのが、極太リュウキュウミゾヤギに着く連中だ。
宿主が極太だからか、前者のガラスハゼのように卵が周りを完全に取り囲んで産み着けられたりする事はなく、宿主の一部にこのような卵のパッチがつくられる。
しかし、前者のガラスハゼのように卵の密度はあまり濃くなく、スカスカに産み着けられているような印象がある。
それから、一応、産卵日別にパッチは作られてはいるようだ。

【リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ・その2(水深-15m)】

リュウキュウミゾヤギに着く卵2
リュウキュウミゾヤギに着く卵2
リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ1
リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ1
そもそも僕のヤギ類の同定が合っているのかどうなのか怪しいのだが(笑)、一湊タンク下には上のリュウキュウミゾヤギよりもぐっと細いミゾヤギが何本か見られる。
多分、リュウキュウミゾヤギの若い個体だと思うのだけど。。。(・_・;

ここに着いているガラスハゼは前者と多分同じ種類だと思うのだが、上の前者と比べ卵の密集度などに違いを感じている。
卵はヤギが1周埋まるくらいにビッシリ産み着けるのだ。
多分、ヤギが細いからだとは思うのだけど。。。

ちなみにムチカラマツに着くガラスハゼは大抵ペアで着くが、リュウキュウミゾヤギの場合は複数匹で着くのも特徴だ

リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ2
リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼ2
リュウキュウミゾヤギに着くガラスハゼたちは、全部同じ種類なのか、それとも2-3種類が混じっているのか、外見からはまったく分からない。。。
図鑑などを見ると褐色横帯が背ビレの起点を越えるとか、背中に横帯が6本あるとか、そんな感じで識別点が書かれているのだが、これって識別点としてはかなり厳しい気がする。。。(-o-;

写真は同じリュウキュウミゾヤギに着いていた子なのだけど、こんな風に横帯がハッキリしない子は沢山いて、横帯では識別できないのだ。。。(ーー;)
産卵に参加している成魚の大きさも様々だし。。。(差がありすぎる!!)

【エダムチヤギに着くガラスハゼ(水深-30m)】

エダムチヤギに着く卵
エダムチヤギに着く卵
エダムチヤギに着くガラスハゼ
エダムチヤギに着くガラスハゼ
最後に一湊タンク下のエダムチヤギに着くガラスハゼたちは前の2種とは直感で別の種類だと以前から思っていた。
まず繁殖可能な成魚の大きさがリュウキュウミゾヤギに着く連中と比べると極端に小さいのだ。
最近になってその卵や産み方、また彼らのコミュニティの形態も見るようになり、その考えはいっそう強くなった。
リュウキュウミゾヤギに着く連中のそれとは違いを感じる。

エダムチヤギは超細いにもかかわらず、1回の産卵は先のリュウキュウミゾヤギに産んだ卵のように1周取り囲むように産むのではなく、縦方向に長く産み着けているような気がする。
一応、産卵日ごとにパッチは作っているようだが、密度は薄い。

とりあえず、途中経過。。。(^^;)


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まずはムチヤギの仲間とミゾヤギの仲間を識別。。。(^^;;

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 26.4℃
【透明度】 25m
【海況】 凪ぎ、海は青い!
【天候】 くもり
【潮まわり】 07:00 67cm 干潮 / 14:06 188cm 満潮 / 小潮(月齢:23.3)
【日の出・日の入】 日出06:31 日没17:31

今週末は台風の影響を心配してゲストの来島を止めてしまったのだが、これは完全に読み間違いだった。。。
台風通過後の返しの北西は全然強くなく、台風通過翌日の今日の一湊湾内は完全な凪ぎっ!
おまけにまたまた黒潮が接岸しているのか、水温は高めで海は青いっ!
今週末、来島予定だったゲストの皆さん、すみません。。。(ーー;)

というわけで今日も1人でガラスハゼの観察へ。
なんとかエダムチヤギに着くガラスハゼの産卵をもう一度撮りたくて、今日は午前中にエントリー。

エダムチヤギにつくガラスハゼ
エダムチヤギにつくガラスハゼ

ここのガラスハゼの産卵を撮りたいのは何故かというと、まずバックのヤギが赤く、ポリプは白く美しいのだ。
またここに着く小型のガラスハゼは他のガラスハゼと比べて、メスのお腹が透明で卵が透けてよく見えるのがいい。。。
写真栄えする種類なのだ。
しかし、今日も見れず。。。

お腹に未成熟の卵を抱えたメスはいたのだが、産卵する気配はまったくなかった。(ーー;)

今日も何本も枝分かれしている各枝の最上部はどれもポリプが閉じていて、そこにそれぞれ1匹づつガラスハゼが写真のように逆さまに着いていた。
各枝の下部は綺麗な白いポリプが咲いていて美しい。
やっぱり、卵が着いているのは今日も1本だけ。
他の枝のガラスハゼをよく見ると、お腹に卵を持っている子もいるので、産卵のときだけオスの枝に移るのかもしれない。
ちなみに卵が着いている枝はこの中で最も高く長い1本なのが面白い。。。(オスが最も潮通しが良く条件のいい1本を選択している可能性。。。??)
産卵床がある1本のみオスであとはすべてメスという線も。。。(だとしたらハーレムを形成していることになる)

ムチカラマツに産卵中のガラスハゼのペア
ムチカラマツに産卵中のガラスハゼのペア

エダムチヤギのガラスハゼは結局ダメだったが、帰りに-25m付近のムチカラマツに着くペアが産卵していた。
このムチカラマツに着くのもやっぱり厳つい顔をした種類で、やっぱりペアで着いていた。
この種類の産卵は10月中旬で終わったと思っていたのだが(-15m前後の連中はすでに一斉に産卵を終えいなくなってしまったので。。。)、まだやっていたのだ。
近づいて1枚シャッターを切るとスグに産卵を止めてしまったので長く観察はできなかったのだが、やっぱり卵の1粒1粒は大きく感じ、密に産んでいる気がする。
産卵床はムチカラマツの場合は最上部ではなく、いつも中間ぐらいである場合が多い。
(ただ最上部ではなくても、しなって曲がった枝の最も高い部分(場所的には真ん中)に産んでいる可能性もある)
これも前記のエダムチヤギに着く種類(最上部に産卵床)との大きな違いだ。
被写体的にはバックのムチカラマツは地味だし、メスのお腹は透明ではないのでお腹の卵が見えないのが撮影意欲を失わせる。。。(笑)

ところで。。。
最初はガラスハゼは種類によって卵の産み方や卵のサイズによって見分けられるのでは?というところから始めたのだが、よくよく考えると宿主によって(環境によって)それらが変わる可能性も考えないとならないと思い始めていた。
それには宿主のヤギ類もしっかり識別しておく必要があると考えた。
これは種類の正確な同定は間違っていたとしても、自分の中で「これとこれは同じ種類のヤギ、これとこれは違う種類のヤギ」という事が分かればいい。

屋久島の一湊タンク下というポイントで見られるガラスハゼが棲む主な宿主(環境)は、下の表の8つが考えられる。
卵の産み方や場所などは現時点での感想。
もう少し調査が必要。。。

種類 卵の大きさ 卵の産み方 卵の産み分け 卵の場所 ガラスハゼの数 ガラスハゼの大きさ
ムチヤギ 疎ら ペア?
エダムチヤギ 極小 疎ら なし 最上部 複数
リュウキュウミゾヤギ 極小 疎ら なし 中~上 複数
ミゾヤギ あり 中~上 ペア
ムチカラマツ1(太・緑) なし? 真ん中 ペア
ムチカラマツ2(細・茶) あり ペア
鉄の棒 複数
ロープ 複数 巨大

今日はポリプを開いている種類が多かったので、まとめてそれを撮ってきた。
そして整理。。。

エダムチヤギ
エダムチヤギ
リュウキュウミゾヤギ
リュウキュウミゾヤギ
ムチヤギ
ムチヤギ
ミゾヤギ
ミゾヤギ
ムチカラマツ1
ムチカラマツ1
ムチカラマツ2
ムチカラマツ2

この辺の種名は合っているかどうかは分からないけど、多分、識別はできていると思うんだけど。。。(^^;;
ムチカラマツは何か2パターン(ポリプも地の色も茶色くて細い種類&ポリプは白くて地の色は緑っぽいやや太い種類)見られるので、僕の中では別けてみた。

「ムチカラマツ1」は先月産卵が終わったガラスハゼの産卵床周辺なのだが、ガラスハゼが殺したポリプは眼に見えて修復されつつある。
前回の写真(10/28)と比べると一目瞭然だ。
たった3日でここまで修復されてしまうのだった。。。(・_・;
本当に凄いなぁ。。。
生物の自己修復力は人間が思っている以上かもしれない。。。


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今日もガラスハゼ。。。(^。^;)

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 26.2℃
【透明度】 15m
【海況】 概ね凪ぎ
【天候】 くもり
【潮まわり】 05:39 55cm 干潮 / 12:45 187cm 満潮 / 18:30 130cm 干潮 / 小潮(月齢:22.3)
【日の出・日の入】 日出06:30 日没17:32

結局、今回の台風は何だったんだろうか。。。
今日も一湊界隈の海は凪ぎ。
浅場こそやや濁りがあるけど、沖はそれなりに見える。
今週末は台風一過後の返しの北西がそれなりに強く吹いて一湊湾内も時化ると踏んで、ゲスト2人の来島を止めたのだが、何かその必要はなかったのかも。。。(・_・;

今日も1人で午後から一湊タンク下へ。
相変わらずガラスハゼの産卵行動調査。

エダムチヤギに着くガラスハゼの卵
エダムチヤギに着くガラスハゼの卵
昨日見た産卵中のガラスハゼのメスのお腹に粒々の卵が沢山詰まっているのを見て、これをもう一度接写したいと考えた。
昨日は何か納得できる1枚が撮れなかったのだ。。。

エントリーは14:36。
一気に15分くらい泳いで昨日の産卵の舞台、沖のエダムチヤギまで飛んだ。
30分くらい粘ったけど、結局産卵はしなかった。。。(-o-;
なんてこったい。。。やっぱり午前中~正午くらいまでが産卵時間なのだろうか。。。

エダムチヤギは根元から7-8本に分岐しているのだが、最も長いもの1本だけに沢山卵が着いていた。
これは昨日、産卵を見た産卵床で、昨日以上に卵が着いていた。
どうもあのあとも産卵は続いていたらしい。

このエダムチヤギに着く連中は産卵床をよく見ると写真のようにかなりまばらに、そしてランダムに場所を変えて産んでいるのが分かる。
昨日、ミゾヤギで観察したキレイに上から順番にパッチを作っていく連中とは違い、かなり成熟した卵と未成熟の卵、そして産みたての卵がバラバラに配置されている。
産み方が明らかに違う。
卵の1個1個の大きさはあまり変わらないが、密度と産み方に違いがあるようだ。

ミゾヤギに密度の濃い産卵床をつくるガラスハゼ
密度の濃い産卵床をつくるガラスハゼ
こちらがぞの綺麗に卵を産んでいくミゾヤギのガラスハゼ。(ペアで生息)
ビッシリとムチカラマツに卵を産む厳つい顔の種類(ガラスハゼに嵌ってます。。。(笑) | Field Note  - 屋久島の海と川の記録 –)と同様にビッシリと卵を濃い密度で産み着けていく。。。
また産んだ日ごとにパッチを作り、綺麗に産み分けているのも特徴だ。
発眼した卵とミゾヤギのガラスハゼ
発眼した卵とミゾヤギのガラスハゼ

リュウキュウミゾヤギにつく卵
リュウキュウミゾヤギにつく卵
一昨日の記事のオケモリさんからのコメントに「ムチカラマツは表皮をとって産みつけてあるのに、そのヤギ(赤くて細い)のは表皮がそのままなのでしょうか?」とあったのだが、前記の2種類のヤギ(赤くて細いヤギ(エダムチヤギ?)&ミゾヤギ)は表皮が取り去られている様子はなく、リュウキュウミゾヤギはムチカラマツ同様に写真のように薄い表皮を綺麗に剥がして、産卵床を作っている。
リュウキュウミゾヤギの場合は、ムチカラマツのようにポリプから厚い皮まで根こそぎ死滅させるような感じの産卵床ではないのだけど。。。(^。^;)

写真の発眼した卵はある程度ハッチアウトしてしまったあとなのかもしれないが、リュウキュウミゾヤギに産み着ける連中はこんな感じでビッシリ産み着けることはなく、疎らに産み着ける傾向があるように思う。

エントリーロープに着く大きなガラスハゼ
エントリーロープに着く大きなガラスハゼ
産卵が見られず失意のまま浅場に帰る途中、ある事に気づいた!
そういえば、エントリーロープに良く着く巨大なガラスハゼの存在を忘れていた!!w( ̄▽ ̄;)w!!

水深は-10m以浅で汚いエントリーロープに着くガラスハゼはどいつも超巨大だ。
それこそエダムチヤギに着く連中の倍以上の大きさがありそう。。。

こいつらも、しばしロープ上で産卵床を探したけど、見つからなかった。
って言うか、こいつらの産卵床を探すのはかなり難しそうだ。。。
ロープ自体が汚く、地味な色をしている上に、-10mから-3mぐらいまでを上下動しなければならないので、ダイバーの体にもあまり良くないかも。。。(-o-;


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