ウスサザナミサンゴ群落再生の下見

【ポイント】 一湊タンク下No.1
【水温】 24.4℃
【透明度】 ~20m
北西が強く吹き、一湊湾内は結構な時化っぷり。。。
浅場はかなり透明度も悪く、ウネウネだ。。。(-o-;


ここ3日、連日西部に行っていたので、一湊タンク下のウスサザナミサンゴの状態をモニタリングできず、ちょっと心配だった。
おまけに今日は久し振りの時化気味の海。。。
ひっくり返った群体は固定もしていないので、ヤバイ。。。(-_-;)
hakka.jpg3日ぶりに行ってみると、崩れて散ったガレの中に一気に白化しているところが数ヶ所あってビックリ!
いやいやいや。。。早い。。。
最初はじっくり観察してこのサンゴの事をよく知ろうと思っていたのだが、こりゃのんびり構えている場合じゃないかも。。。(-_-;)
ガレとは言え、想像以上に早い白化にちょっと焦る。。。

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日本サンゴ礁学会の会員メーリングリストを通じて専門家からのアドバイスを求めたところ、何件か研究者からメールを頂いた。
ある程度現場を観察し、こうした専門家のアドバイスを参考に整理した結果、大きく分けて以下の2つの処置が必要なようだ。

  1. 地盤ごとひっくり返った大きな群体(50-80cm四方ぐらいのもの)の固定
  2. 砕け散った細かいサンゴ片の処理

1番の大きな群体に関しては、台風や時化などで飛ばされ、転がり、今現在生きているサンゴをさらに壊しかねないので、水中コンクリートやボンドなどで固定する必要がありそうだ。
ただ僕としては、ボンドや水中コンクリートなど化学物質を大量に用いることは極力避けたいというのが正直なところ。。。
ある研究者の方も言っていたのだが、人間がやられて嫌な事(ボンドを体に塗られる)は、もしかしたらサンゴも嫌かも知れない、という話にはすごく共感できる。
「地盤ごとひっくり返った大きな群体」は全部で20個ぐらいあるのだが、実際は地盤ごとひっくり返ったものはほとんど無いようで、下のように綺麗にサンゴのみ剥がれたものが多い。
(下写真…左側の写真が表側、右側の写真が裏側)
san2_1.jpgsan2_2.jpg

ここ(裏側)にボンドを塗ったり、水中コンクリートで固めたりして固定するわけだが、他に方法はないものだろうか。。。
他に釘や杭を地盤に打って、結束バンドで固定する方法も研究者の方から紹介されたが、これは15cm以内ぐらいの小さなサンゴ片には有効なようなのだが、このような大きな群体には不向きなようだ。
また簡易的に付近にある岩や石、溝などに固定すると、少なからず揺れるわけでいつまでたっても定着しない状態が続くらしい。。。
また他のウスサザナミサンゴなどの間に押し込む事も考えたが、遺伝的に違う個体同士だと反発しあうことが予想される。
secchimen.jpgそうすると、やっぱりある程度は接着剤系の力を借りなければならないのかもしれない。。。(ーΩー )ウゥーン
ちなみに裏側を見ると、右写真のようにまるで接着剤を塗ったかのような跡が見られるのが面白い。
サンゴ自身が出しているものなのかは知らないが、こんな自然の接着剤があれば悩まなくて済むのに。。。
ここから抽出してサンゴに優しい「サンゴ用接着剤」を誰か開発してくれ~!!(笑)

なかには地盤ごとひっくり返ったサンゴもあるのだが、よく見ると「地盤」というか「石灰質」の塊がごっそり着いているような感じ。
(下写真…左側の写真が表側、右側の写真が裏側)
san1_1.jpgsan1_2.jpg

接着時、これは取り除くべきか、そのまま残すべきか。。。
研究者の方に聞いておこう。。。
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問題は2番の砕け散った細かいサンゴ片の処理だ。
研究者の方々のアドバイスはある程度一致していて、片付けずそのまま表向きにして、さらに可能ならボンドか結束バンドですべて固定するのが好ましいと言っているのだが、ある研究者によると、ばらばらに重なったままにしておくとそれらの上に藻類が繁殖して、折れたサンゴが動くので、新しいサンゴも加入しないとの事。。。
確かに前に砕け散ったサンゴ片を観察してみると、白化するか、藻類がビッシリ着いているものが多い。
でも実際問題、これを一気に片付けるとなると、ここには広い道がクッキリできてしまい、僕らダイバーにとっては心情的にNGかな。。。とも思う。(^^;;
難しいところだ。
このサンゴ片には2種類ある。
枝状になったもの(下左側写真)と葉状のもの(下右側写真)だ。
どれも母体サンゴが分かれば、融合させてしまえば良いのかも知れないが、こうなってしまうと遺伝的に同じ母体サンゴはもう分からない。。。(-_-;)
gare2.jpggare1.jpg

大きな群体は何とか固定するとして、この細々したサンゴ片の処理が問題だ。。。
ただ僕らは毎日潜っていて、モニタリングできる立場にいるので、このサンゴ片は放置しつつも、頻繁に観察して少しでも変化があったら(例えば白化や藻類の繁殖)、スグに対処できるようにすれば良いのかな。。。とも思う。
いずれにしても早々に処理せねばならない問題だ。


「ウスサザナミサンゴ群落再生の下見」への3件のフィードバック

  1. 小さなサンゴ片は固着さえすれば、
    そのまま成長するということなのでしょうか。
    だとしたら、固着しないが故にそのサンゴ片に藻類が付着して・・
    というのは何を意味しているのでしょうか?
    サンゴへの藻類付着は弱ったり、完全に死んだ個体に対してですよね。
    裏返しになれば死んでしまう可能性が高くなるのはわかるのですが、
    固着せず、けれど表面になっている固体が弱っていくというのは
    なぜ??
    連日森に入っており、モニタリングできていないのが
    サンゴに申し訳ないと思っております。
    25日は現場へゆく予定です。

  2. > 小さなサンゴ片は固着さえすれば、
    > そのまま成長するということなのでしょうか。
    その可能性は高いようです。
    逆に固定しないで放置すると、ほとんどは波で動かされるので、固着の可能性は0-30%くらいのようです。
    またサンゴはちょっとしたストレスにも弱いとされています。
    固着されずにいつも揺れているだけで相当なストレスになるのではないでしょうか?
    さらにまた波やウネリで裏返されたり、上に別のサンゴ片が乗っかってきたりすることで、光も当たらなくなる可能性もあります。
    結局、固定しないと、こんな風に様々なストレスを受けて死んでしまう可能性はかなり高いと思います。
    また藻類の繁殖のスピードはかなり速いようで、生きているサンゴの上にもはびこる場合があるようです。
    そうなると光も当たらなくなるので、そのサンゴ片もスグに死んでしまうかもしれませんね。。。

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